Q706 労働審判手続の答弁書には,どのような事項を記載すればいいのですか?

 労働審判手続の答弁書には,実質的な記載事項として,次のものを記載しなければならないとされています(労働審判規則16条1項)。
 ① 申立書の趣旨に対する答弁
 ② 労働審判手続の申立書に記載された事実に対する認否
 ③ 答弁を理由づける具体的な事実
 ④ 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
 ⑤ 予想される争点ごとの証拠
 ⑥ 当事者間においてされた交渉その他申立てに至る経緯の概要

 ①申立書の趣旨に対する答弁については,例えば,申立人が労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を申し立てている場合で,相手方が,申立人がその地位にあることを争うときは,相手方は,訴訟における答弁書の「請求の趣旨に対する答弁」にならい,「『本件申立てを棄却する。』との労働審判を求める。」との答弁をすることが考えられますが,他方で,この答弁と同趣旨のものとして,「『申立人が,相手方に対し,労働契約上の権利を有する地位にないことを確認する。』との労働審判を求める。」等,申立てに係る権利関係についての相手方の主張を具体的に記載した答弁をすることも考えられます。
 労働審判手続では,申立人は労働審判手続の申立書において,相手方は答弁書において,全ての主張と立証計画を記載して提出し,第1回労働審判期日では争点及び証拠の整理をすることが前提とされています。したがって,申立ての趣旨に対する形式的な答弁のみが記載された答弁書は規則の趣旨に沿わないものであり,このような答弁書が提出された場合には,裁判所書記官から,規則で定められた答弁書の記載事項を記載するように促されることが考えられます。


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