ワード:「会社側弁護士」

印鑑のない退職届は無効ですか。

この記事の結論 1 退職届の効力発生に押印は法律上必須ではない。署名があれば有効に成立し得る 退職の意思表示は法律上の要式行為ではなく、書面すら必須ではありません。押印がないことのみを理由に退職届を無効と扱うことはできません。 2 実務上は署名と併せて押印を求めるのが安全。会社側の代筆・無断押印は重大な違法行為 押印は本人性の証明……

合意退職はいつ成立しますか。

この記事の結論 1 合意退職は「社員の申込み」に「会社の承諾」があって初めて成立する 退職届の提出は合意退職の「申込み」にすぎず、会社の承諾があって初めて契約が成立します。承諾するまでは、社員は原則として撤回できます。 2 承諾権者を明確にし、承諾の意思表示を速やかに書面で示すことがリスク回避の鍵 就業規則で誰が承諾権者かを明記し……

退職勧奨を拒否された場合、会社はどう対応すればよいですか。

この記事の結論 1 退職勧奨に応じる義務は社員にはなく、拒否は正当な権利行使 拒否後も執拗に迫る行為は、退職強要として不法行為(民法709条)になり得ます。任意性の確保が適法性の絶対条件です。 2 拒否後の選択肢は、雇用継続・条件改善での再交渉・解雇の検討の3つ 退職勧奨の拒否それ自体は解雇の客観的合理的理由にはなりません(労契法……

退職勧奨を担当させる社員は誰が適任ですか。

この記事の結論 1 担当者の選定が、退職勧奨の成否と紛争リスクの高低を大きく左右する 共感能力・冷静なコミュニケーション能力・第三者的立場を持つ役職者が適任です。直属の上司や、対象社員と人間関係が悪化している社員は避けるべきです。 2 適任者が社内にいない場合は、弁護士によるシミュレーションや面談同席が有効 担当者自身のメンタル面……

契約期間中のパート社員に退職勧奨をする際、「やむを得ない理由」は必要ですか。

この記事の結論 1 退職勧奨には「やむを得ない理由」は不要。ただし通常より慎重なプロセスが求められる 期間内解雇(労契法17条1項)には厳格な「やむを得ない事由」が必要ですが、退職勧奨は合意による契約終了を目指す提案なので法的要件はありません。しかし有期雇用社員には契約期間中の雇用継続への強い期待があります。 2 拒否された場合は雇……

閉鎖部門の社員だけを対象とする退職勧奨は適法ですか。

この記事の結論 1 閉鎖部門に限定した退職勧奨は、不利益取扱いや公序良俗違反に該当しない限り原則適法 誰を対象とするかは原則として会社側の経営裁量に委ねられます。ただし、組合員の狙い撃ちや妊娠・産休復帰者の排除を目的とした部門閉鎖の偽装は違法です。 2 退職勧奨に応じない場合に備え、整理解雇を見据えた解雇回避努力を並行して記録化する……

妊娠・産休中の社員に退職勧奨をすることはできますか。

この記事の結論 1 妊娠・産休を理由とした退職勧奨は均等法9条3項の不利益取扱いに該当し原則許されない 退職勧奨も「不利益な取扱い」に含まれます。表面上の同意があっても、真意のない同意は退職強要と同視されるリスクがあります。 2 産休期間中とその後30日間は労基法19条の解雇制限も重なり二重のリスクが生じる 退職無効・バックペイ・……

労災休業中の社員に退職勧奨をすることはできますか。

この記事の結論 1 労基法19条が禁止するのは「解雇」であり、退職勧奨自体は法律上禁止されていない 社員が自由な意思で退職に応じるのであれば、休業期間中でも合意退職は有効に成立します。 2 強引な進め方は「解雇制限の潜脱」として退職無効・慰謝料請求のリスクが極めて高い 療養中という特殊な法的背景から、通常の退職勧奨よりも格段に高リ……

退職勧奨で「男性だけ」「女性だけ」を対象にすることはできますか。

この記事の結論 1 「男性だけ」「女性だけ」を対象にする退職勧奨は均等法6条4号で明確に禁止されている 「女性は家計の補助的役割」「男性は再就職しやすい」といった固定的役割分担意識に基づく選定も、すべて違法であり不法行為となります。 2 形式上中立な基準でも、結果的に特定の性別に偏る間接差別に注意が必要 職種廃止による選定でも、そ……

退職勧奨の対象者は自由に選べますか。

この記事の結論 1 対象者選定は原則経営者の裁量。ただし「理由」が問われる 退職勧奨自体は自由ですが、その対象者選定の理由が法律・公序良俗に反すれば違法となります。育休・組合活動・権利行使・差別的属性を理由とした選定は避けるべきです。 2 違法な選定は慰謝料請求・退職合意取消し・企業イメージ毀損のリスクを招く 対象者の選定を誤ると……

退職勧奨のために社員を呼び出すことはできますか。

この記事の結論 1 退職勧奨のための呼び出しは業務命令の範囲内として原則認められる 退職に関する問題は雇用関係の一部であり、一定の範囲では業務命令として面談を求めることができます。ただし呼び出し方や面談の進め方によっては違法と評価されることがあります。 2 長時間拘束・多数回の面談・威圧的言動は退職強要(不法行為)となる 社員が明……

退職勧奨を成功させるために「解雇の準備」が重要なのはなぜですか。

この記事の結論 1 「解雇の準備」ができているほど退職勧奨は成功しやすい 指導記録・懲戒処分履歴が整っているほど、社員は退職に応じる動機を持ちやすくなり、会社にとって有利な条件での合意退職が実現します。 2 準備不足のまま始めると高額解決金か行き詰まりを招く。焦った強引な説得は違法リスクに直結する 「解雇の準備」は遠回りに見えて、……

退職勧奨に解雇事由は必要ですか。

この記事の結論 1 解雇事由がなくても退職勧奨は可能。退職勧奨と解雇は法的性質がまったく異なる 「解雇できるほどの理由がなければ退職を勧めることもできない」という理解は法的に誤りです。退職勧奨は「合意退職の申込みの誘引」として経営判断で自由に開始できます。 2 問題となるのは「解雇事由の有無」ではなく「勧奨の態様」。解雇困難な事案こ……

退職勧奨の「やり過ぎ」となる境界線は、どのようなものですか。

この記事の結論 1 退職勧奨は「事実行為」で原則自由。ただし社会通念上相当な範囲を逸脱すると違法になる 執拗な繰り返し・長時間の面談・威圧的言動・人格否定的発言は、境界線を越えて違法な退職強要と評価されるリスクがあります。「提案」が「強要」に変わる瞬間を見極めることが重要です。 2 違法と判断されれば慰謝料請求・退職無効・バックペイ……

「解雇すれば話が早い」というのは本当ですか。バックペイリスクと退職勧奨の重要性について教えてください。

この記事の結論 1 「解雇すれば話が早い」は幻想。無効となれば高額バックペイが経営を圧迫する 日本の労働法では解雇の有効性が厳しく審査されます(労契法16条)。安易な解雇はかえって長期の労働紛争を招き、解雇日から紛争解決までの全期間の賃金支払義務が生じます。 2 退職届が提出された合意退職は、会社を守る最強の防衛手段になる 立証責……

退職勧奨と解雇の違いとは何ですか。実務上の選択指針について教えてください。

この記事の結論 1 解雇は法的ハードルが極めて高く、無効時のバックペイリスクは甚大 客観的合理性と社会通念上の相当性がなければ解雇権濫用として無効になります(労契法16条)。紛争が長期化すれば数百万円から数千万円規模の負担になることも珍しくありません。 2 実務の定石は、解雇を直ちに選択するより退職勧奨による合意退職を先に検討するこ……

退職勧奨の法的性質とは何ですか。「申込みの誘引」の意味と、合意成立までの3つのステップについて教えてください。

この記事の結論 1 退職勧奨は「合意退職の申込みの誘引」。それ自体では労働契約は終了しない 退職勧奨は「退職という選択肢を検討してほしい」と働きかける段階にとどまり、この時点ではまだ労働契約終了という法的効果は生じていません。 2 誘引→退職届(申込み)→会社の承諾、という3ステップで初めて合意退職が成立する この構造により、会社……

退職勧奨とは何ですか。解雇との違いや法的性質について教えてください。

この記事の結論 1 退職勧奨は合意による退職を目指すプロセスで、解雇のような一方的な意思表示とは本質的に異なる 社員の自由な意思による選択を前提とし、解雇リスクを回避しながら人員調整を実現できる有効な人事手段になります。 2 執拗性・脅迫的言動・解雇示唆を伴うと違法な退職強要になる。経営者が守るべき4つの一線がある 自由な意思の確……

退職勧奨は、どのようなケースで紛争に発展しやすいですか。

この記事の結論 1 合意退職は「合意」という名称があっても安全ではない。プロセス全体が評価対象になる 形式上は合意退職であっても、真に自由な意思に基づく合意であったかどうかが後に厳しく検証されます。面談の執拗性、解雇を示唆する発言、業務からの排除は、強要や不当解雇と評価されるリスクを高めます。 2 退職届提出後でも撤回・取消しリスク……

退職前に全日の年休取得を申請された場合の対応について教えてください。

この記事の結論 1 退職前の全日年休申請は原則として拒否できない。年休は会社の承認を要しない法定権利 「退職予定者だから」「引継ぎが終わっていないから」という理由だけで、年休取得を当然に拒否できるわけではありません。 2 退職予定者への時季変更権行使は極めて困難。現実的な対応は退職日変更や買上げの合意 退職日を超えての時季変更はで……

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