労働問題110 退職勧奨するより解雇してしまった方が、話が早いのではないですか?

 社員を有効に解雇するためには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要ですので、そう簡単に解雇に踏み切るわけにはいきません。
 勤続年数が長い正社員や幹部社員の解雇事案では、毎月支払われる賃金額が高額になる結果、仮に解雇が無効であった場合のバックペイの金額が高額となることなどから、解決金の相場も高額になりがちで、解雇が無効とされた場合のダメージも大きくなります。
 一般論としては最後の最後まで解雇は行わず、社員から任意に退職届を提出してもらえるよう努力すべきです。
 退職届の提出があった場合であっても、退職勧奨の違法を根拠に、損害賠償請求を受けたり、退職の無効を主張されたりするリスクはゼロではありませんが、退職届も取らずに、一方的に解雇した場合と比べると、格段にリスクが低下することは疑いありません。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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