ワード:「解雇」

私傷病休職の休職事由が消滅したかどうかは、どのように判断すれば良いですか。

この記事の結論 1 基本的な判断基準は「従前の職務を通常程度に行える健康状態か」 休職事由が消滅したかどうかの基本的な判断基準は、休職の原因となった傷病の影響が解消され、従前の職務を通常程度に行うことができる健康状態に回復しているかどうかです。 2 本人の申告だけでは判断できない。医師の診断書・職務内容との照合が必要 復職可否の判……

新型コロナが流行して赤字続きのため、店を閉めなければならなくなりました。従業員に辞めてもらうのにトラブルの少ない方法はありませんか。労働法についての知識はあまりありません。

この記事の結論 1 整理解雇はトラブルが多い。まず「話し合いで辞めてもらう」を試みる 整理解雇は手順を踏めば可能ですが、不当解雇と主張されて労働審判や訴訟になることも珍しくありません。閉店・廃業の事情を丁寧に説明し、ある程度の上乗せ金を提示して退職をお願いする「退職勧奨」が、トラブルの少ない方法としてお勧めです。 2 会社が儲かって……

採用面接の際,「うちの会社は年休がないけど,それでもいいですか?」との質問に対し,「年休なしでも構いません。ぜひ雇って下さい。お願いします。」と回答したこともあって採用した社員が,年休の取得を求めてきました。労基法上,年休取得の要件を満たしている場合は,年休取得に応じざるを得ないのでしょうか。

この記事の結論 1 「年休なし」の合意は労基法13条により無効 労基法に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となります(労基法13条)。「年休なし」という合意は労基法39条の基準に達しないため、無効です。 2 書面による合意・署名押印があっても結論は変わらない 仮に「年休がない」旨を書面で合意し、……

退職間近で業務の引継ぎをしてもらわなければ困る社員が退職日までの全ての所定労働日について年休取得申請をしてきた場合、年休取得を拒んで業務の引継ぎをさせることはできますか。

この記事の結論 1 退職日までの全日年休取得を拒絶することは原則としてできない 退職後に年休を与えることはできないため、退職日までの全労働日の年休取得を申請された場合、よほど信義則に反するような事情がない限り、時季変更権の行使ができず、拒絶することはできないと考えられます。 2 時季変更権は「他の時季に与える」ものであり、権利自体を……

社内の多数組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を、ユニオン・ショップ協定に基づいて解雇することはできますか。

この記事の結論 1 社外の合同労組に加入した社員をユニオン・ショップ協定に基づいて解雇することはできない 締結組合以外の他の労働組合に加入している者について使用者の解雇義務を定めるユニオン・ショップ協定の部分は、民法90条により無効とされます(三井倉庫港運事件最高裁平成元年12月14日第一小法廷判決)。 2 労働者には組合選択の自由……

不当労働行為(労組法7条)の種類には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 不当労働行為には4つの類型がある 労組法7条は、①組合員への不利益取扱い(1号)、②正当な理由のない団体交渉拒否(2号)、③支配介入・経費援助(3号)、④申立て等を理由とする不利益取扱い(4号)の4類型を不当労働行為として禁止しています。 2 団体交渉を正当な理由なく拒否することは禁止されている 2号の団体……

労働事件における仮処分の概要を教えて下さい。

この記事の結論 1 仮処分とは、本案判決を待てない事案における裁判所の暫定的処分 仮処分が認められるためには、①被保全権利の存在と②保全の必要性が必要です。労働事件の代表例は解雇事案における賃金仮払仮処分で、訴訟で決着がついていない段階で一定額の仮払金支払が命じられます。 2 賃金仮払仮処分は解雇された労働者が申し立てるケースが多い……

労働審判を弁護士のみで対応できるか。会社関係者が出頭しない場合のリスクと実務判断

この記事の結論 1 弁護士のみの出頭は可能だが、事実の説得力が弱まる 代理人弁護士は法律の専門家ですが、現場の当事者ではありません。「会社からこう聞いています」という伝聞説明は、直接体験者の具体的な説明と比べて説得力に差が出ます。 2 会社関係者の不在は心証形成に影響することがある 責任ある立場の者が出頭しないことは、解決に対……

労働審判の答弁書「具体的な事実」の書き方|経営者が反論で外せない項目

この記事の結論 1 否認は入口、抗弁事実の提示が本体 「残業代は発生していない」と否定するだけでは不十分です。「この日にこの金額を支払った」「この制度が有効に合意されている」という積極的な事実を具体的に示すことが求められます。 2 「評価」ではなく「事実」を具体的かつ時系列で書く 「再三注意した」という記載では不十分です。いつ……

なぜ労働審判は「迅速」なのか?経営者が知るべき紛争顕在化リスクと早期解決の真実

この記事の結論 1 短期間で心証が形成される 原則3回以内で終了する手続であり、実務上は第1回期日で裁判所の方向性が固まることが多くなります。 2 現場感覚で厳しく評価される 裁判官に加え、実務に通じた審判員が関与し、「現場で妥当な対応だったか」という観点から評価されます。 3 その後の訴訟にも影響する……

紛争調整委員会が労働局長の委任を受けて行うあっせんには、どのような特徴がありますか。

この記事の要点 ✓ あっせんの対象は労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用を除く)。解雇・配置転換・労働条件変更・いじめ・嫌がらせ等、対象範囲が広い 幅広い労働問題が対象となるため、会社経営者として制度を正確に理解しておく必要があります ✓ 手続が迅速・費用不要・非公開・専門家担当。低コストで手軽に利用できるため労働者側に積……

③合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求には、どのようなものがありますか。

この記事の要点 ✓ 「懲戒解雇すると脅されてパワハラを受けた状態で退職届に署名させられた」として、合意退職の錯誤無効・強迫取消が主張される紛争類型がある 退職合意書があっても合意退職の効力を争われるリスがあります ✓ 問題の核心は「その退職の意思表示が自由意思に基づくものだったか」。強迫・錯誤が認められれば取消・無効となり、地位確認……

②解雇、休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の内容はどのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 精神疾患発症の原因が職場のパワハラ・セクハラの場合、療養のための休業期間及びその後30日間は、原則として解雇・休職期間満了退職扱いにすることができない(労基法19条・同条類推) この解雇制限を知らずに解雇・退職扱いにすると無効となるリスクがあります ✓ 嫌がらせ目的の転勤命令(辞めさせる目的)は転勤命令権限の濫用……

パワハラ・セクハラ紛争の類型には、どのようなものがありますか。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラ紛争の主な類型は4つ。①損害賠償請求、②解雇・休職期間満了退職無効による地位確認、③合意退職の錯誤無効・強迫取消等による地位確認、④労災認定 それぞれの類型で法的な論点・対応方針が異なります ✓ ②③の地位確認請求では、解雇の有効性・合意の有効性がメインの争点であり、パワハラ・セクハラは背景事情……

残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており、誰からも文句が出ていないのですから、別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。

「社員から文句が出ていない」は安全の根拠にはなりません 残業代(割増賃金)込みで月給30万円等と約束しており、社員から文句が全く出ていないからといって、残業代に相当する金額を特定していなくても未払残業代の請求を受けるはずはないと思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。本記事では、この思い込みが生じる理由と現実のリスクを解説します。 目次 ……

平成20年9月9日基発第0909001号『多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』は、「職務内容、責任と権限」についての判断要素に関し、どのように述べていますか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「職務内容、責任と権限」の判断要素として採用・解雇・人事考課・労働時間の管理の4点を具体的に示している 店舗の労務管理に関する重要な職務として、この4点への実質的な関与が求められます ✓ 4点のいずれにおいても「実質的にない場合」または「実質的にも関与しない場合」は「管理監督者性を……

判決で付加金(労基法114条)の支払が命じられる可能性があるのは、どのような場合ですか。

この記事の要点 ✓ 付加金(労基法114条)は、解雇予告手当・休業手当・残業代・年次有給休暇取得時の賃金の未払いがある場合に、裁判所が命じることができる制裁的な金銭 未払額と同一額以下の付加金の支払が命じられると、実質的に2倍の支払リスクが生じます ✓ 付加金の対象は4種類に限定——①解雇予告手当(労基法20条)②休業手当(……

不採用通知に抗議する。

[toc] 1 採用の自由と不採用理由の開示義務  企業には、どのような者をどのような条件で雇い入れるかについて、原則として「採用の自由」が認められています(三菱樹脂事件最高裁昭和48年12月12日判決)。どの応募者を不採用とするかは企業の広範な裁量に委ねられており、法律上、不採用とした応募者に対してその具体的な理由を説明したり、開示したりする義務はありません。
 したがって、不……

自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。

[toc] 「指示待ち人間」とは  1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
 新人社員が,上司か……

解雇していないのに出社しなくなった社員が解雇されたと主張する。

[toc] 1 退職届を提出させることの重要性  社員が口頭で会社を辞めると言って出て行ってしまったような場合、退職届等の客観的証拠がないと口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、合意退職も成立しておらず解雇もされていないから労働契約は存続していると認定されたりすることがあります。
 退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……

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