ワード:「解雇」

労働事件における仮処分の概要を教えて下さい。

 仮処分とは、訴訟における本案判決を待てない保全の必要性がある事案において、被保全権利の疎明がある場合に認められる裁判所の暫定的な処分をいいます。仮処分が認められるためには、
 ① 被保全権利の存在
 ② 保全の必要性
が必要となります。
 労働事件における仮処分の代表例は、解雇事案における賃金仮払仮処分です。これが認められると、訴訟で決着が……

労働審判は弁護士のみで対応可能か?経営者が「出頭」を軽視した際に負うリスク

この記事の結論 形式的な「出席」はできても、実務上の「防御力」を失います 労働審判委員会は、代理人の整った法的説明ではなく、「現場で何が起きたのか」という生々しい事実を確認しにきます。 ■ 弁護士は「目撃者」ではありません:
「会社からこう聞いています」という伝聞説明は、本人(従業員)の具体的な供述に勝てません。直接体験者の不在は、そのまま事実認定の敗北に直結……

労働審判の答弁書「具体的な事実」の書き方|経営者が反論で絶対に外せない法的項目

この記事の結論 「評価」ではなく、裏付けのある「事実」を積み上げてください 労働審判委員会が求めているのは、経営者の主観的な感想ではなく、「申立人の請求を無効化する法的根拠となる事実」です。 ■ 「否認」は入口、「抗弁」が本体:
「残業代は発生していない」と否定する(否認)だけでは不十分です。「この日にこの金額を支払った」「この制度が有効に合意されている」とい……

なぜ労働審判は「迅速」なのか?経営者が知るべき紛争顕在化リスクと早期解決の真実

この記事の結論 労働審判の迅速性が、労使紛争をより身近なものにしました。 労働審判の導入により、労使紛争は「時間と負担の大きい特別な手続」から、「短期間で解決可能な現実的な選択肢」へと変化しました。その結果、これまでであれば表面化しなかった紛争も、実際に申し立てられるケースが増加しています。会社経営者が直視すべきポイントは、次の3点です。 経営者が直視すべき3つのポイント 1. ……

紛争調整委員会が労働局長の委任を受けて行うあっせんには、どのような特徴がありますか。

 東京労働局によると、紛争調整委員会が労働局長の委任を受けて行うあっせんには、以下のような特徴があるとされています。
 ① 労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用に関するものを除く。)がその対象となります。
  (例)解雇、雇止め、配置転換・出向、降格、労働条件の不利益変更等労働条件に関する紛争、いじめ・嫌がらせ等、職場の環境に関する紛争、労働契約の承継、同業他……

③合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求には、どのようなものがありますか。

 懲戒解雇できるような事案でないにもかかわらず、懲戒解雇すると脅されるなどのパワハラにより退職届を提出させられたなどとして、合意退職の効力が争われることがあります。   ……

②解雇、休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の内容はどのようなものですか。

 精神疾患発症の原因が職場のパワハラ・セクハラの場合は、療養のための休業期間及びその後30日間は、原則として解雇したり、休職期間満了退職扱いにしたりすることができません(労基法19条、同条類推)。 (解雇制限)
労基法19条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30……

パワハラ・セクハラ紛争の類型には、どのようなものがありますか。

 パワハラ・セクハラ紛争の類型には、以下のようなものがあります。
 ① 安全配慮義務違反や不法行為(使用者)責任を理由とした損害賠償請求
 ② 解雇、休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求
 ③ 合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求
 ④ 労災認定の問題   ……

残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており、誰からも文句が出ていないのですから、別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。

 残業代(割増賃金)込みで月給30万円とか、日当1万6000円と約束しており、それで文句が全く出ていないのだから、残業代(割増賃金)に相当する金額を特定していなくても、未払残業代(割増賃金)の請求を受けるはずはない、少なくともうちは大丈夫、と思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。現実には、解雇などによる退職を契機に、未払残業代(割増賃金)を請求するたくさんの労……

平成20年9月9日基発第0909001号『多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』は、「職務内容、責任と権限」についての判断要素に関し、どのように述べていますか。

[toc] 『多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』  平成20年9月9日基発第0909001号『多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』は、「職務内容、責任と権限」についての判断要素に関し、以下のように述べています。 「職務内容、責任と権限」  店舗に所属する労働者に係る採用、解雇、人事考課及び労働時間の管理は……

判決で付加金(労基法114条)の支払が命じられる可能性があるのは、どのような場合ですか。

 使用者が、
 ① 解雇予告手当(労基法20条)
 ② 休業手当(労基法26条)
 ③ 残業代(割増賃金)(労基法37条)
 ④ 年次有給休暇取得時の賃金(労基法39条7項)
のいずれかの支払を怠り、労働者から訴訟を提起された場合に、裁判所はこれらの未払金に加え、これと同一額の付加金の支払を命じることができるとされています(労基……

不採用通知に抗議する。

[toc] 1 採用の自由と不採用理由の開示義務  企業には、どのような者をどのような条件で雇い入れるかについて、原則として「採用の自由」が認められています(三菱樹脂事件最高裁昭和48年12月12日判決)。どの応募者を不採用とするかは企業の広範な裁量に委ねられており、法律上、不採用とした応募者に対してその具体的な理由を説明したり、開示したりする義務はありません。
 したがって、不……

自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。

[toc] 「指示待ち人間」とは  1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
 新人社員が,上司か……

解雇していないのに出社しなくなった社員が解雇されたと主張する。

[toc] 1 退職届を提出させることの重要性  社員が口頭で会社を辞めると言って出て行ってしまったような場合、退職届等の客観的証拠がないと口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、合意退職も成立しておらず解雇もされていないから労働契約は存続していると認定されたりすることがあります。
 退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……

部下に過大なノルマを課したり仕事を干したりする。

[toc] 1 過大なノルマの問題点  部下に対し一定のノルマを課すこと自体は合理的なことであり、上司にしてみれば、ノルマを達成できるだけの高い能力とやる気のある社員だけ残ればいいという発想なのかもしれません。しかし、とても達成できないような過大なノルマを部下に課すことに経営上の合理性はなく、部下のモチベーションが上がらず営業成績を高めることができない結果となったり、せっかく費用をかけて採用し……

ソーシャルメディアに問題映像を投稿する。

[toc] 1 問題映像の投稿が発見された際の緊急対応  社員がソーシャルメディア(SNS)に不適切な映像を投稿し、いわゆる「炎上」状態になった場合、企業には一刻を争う対応が求められます。放置すれば企業のブランドイメージは失墜し、取り返しのつかない損害を被る可能性があるからです。  まず最初に行うべきは、**徹底した証拠の確保**です。投稿が削除される前に、映像そのものを保存し、投稿日時、ア……

営業社員が営業中に仕事をサボる。

[toc] 1 営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合の対応  営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合、まずは当該営業社員が何月何日の何時頃どこでどのようにサボっていたのかといった事実関係を整理するとともに裏付け証拠を収集します。
 それが会社として容認できない程度のものである場合は、当該営業社員から事情を聴取して下さい。事情を聴取するのは気まずい……

退職勧奨しても退職しない。

[toc] 1 退職勧奨の法的性格  退職勧奨の法的性格は、通常は、使用者が労働者に対し合意退職の申込みを促す行為(申込みの誘引)と評価することができます。
 労働者が退職勧奨に応じて退職を申し込み、使用者が労働者の退職を承諾した時点で退職の合意が成立することになります。 2 担当者の選定と事前の準備  退職勧奨を行うにあたっては、担当者の選定が極めて重要となります。続きを見る

ソーシャルメディアに社内情報を書き込む。

 ソーシャルメディアへの不適切な社内情報の書き込みを防止するための事前対応としては、ソーシャルメディアの利用に関するガイドラインを作成し、ガイドラインの遵守義務を就業規則で定めて周知させ、繰り返しガイドライン遵守の重要性を伝えること等が考えられます。  就業時間内は、社員は職務専念義務を負っているため、書き込みの内容にかかわらず、就業時間内にソーシャルメディアへの書き込みを行わないよう命じること……

解雇した社員が合同労組に加入し、団体交渉を求めてきたり、会社オフィス前や社長自宅前で街宣活動をしたりする。

 解雇された社員であっても、解雇そのものまたはそれに関連する退職条件等が団体交渉の対象となっている場合には、労働組合法第7条第2号の「雇用する労働者」に含まれるため、解雇された社員が加入した労働組合からの団体交渉を拒絶した場合、他の要件を満たせば不当労働行為となります。  多数組合との間でユニオン・ショップ協定(雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず、加入しないときは使用者においてこれを解雇……