労働問題530 解雇が個別の法令によって制限されるのは、どのような場合ですか?
法令により解雇が制限されているのは、次のとおりです。
①業務上災害による療養中・産前産後の休業中の解雇の禁止
②労働組合の組合員であること、労働組合への加入・結成、正当な組合活動を行ったことなどを理由とする解雇の禁止
③公益通報したことを理由とする解雇の禁止
④労働基準監督署などに対して、労働基準法違反の事実について申告や通報等を行ったことを理由とする解雇の禁止
⑤労働者が育児・介護休業の申出又は取得したことを理由とする解雇の禁止
⑥女性労働者が婚姻したことを理由とする解雇の禁止
⑦女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、妊娠・出産・産前産後休業の請求・取得や育児時間の申出・取得、妊娠・出産に起因する労働能率低下、その他妊娠・出産に関連する理由での解雇の禁止
①の業務上災害による療養中の解雇制限について、使用者が業務上の傷病による療養開始後3年が経過しても治らない労働者に対して、平均賃金の1200日分を支払った場合(打切補償)には同制限は解除されます。
また、業務上の負傷や疾病が症状固定した以降は、他の解雇要件を満たす限り許すとした裁判例があります(光洋運輸事件名古屋地裁平成元年7月28日判決)。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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