労働問題466 社内の多数組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を、ユニオン・ショップ協定に基づいて解雇することはできますか。

 ユニオン・ショップ協定は、労働者が労働組合の組合員たる資格を取得せず又はこれを失った場合に、使用者に当該労働者との雇用関係を終了させることにより間接的に労働組合の組織の拡大強化を図ろうとするものですが、他方、労働者には、自らの団結権を行使するため労働組合を選択する自由があります。また、ユニオン・ショップ協定を締結している労働組合(締結組合)の団結権と同様、同協定を締結していない他の労働組合の団結権も等しく尊重されなければなりません。
 このため、ユニオン・ショップ協定によって、労働者に対し、解雇の威嚇の下に特定の労働組合への加入を強制することは、それが労働者の組合選択の自由及び他の労働組合の団結権を侵害する場合には許されず、ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、右の観点からして、民法90条の規定により、これを無効と解すべきである(憲法28条参照)とするのが、最高裁判例です(三井倉庫港運事件最高裁平成元年1214日第一小法廷判決)。
 したがって、社内の多数組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を、ユニオン・ショップ協定に基づいて解雇することはできません。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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