労働問題501 新型コロナが流行して赤字続きのため、店を閉めなければならなくなりました。従業員に辞めてもらうのにトラブルの少ない方法はありませんか。労働法についての知識はあまりありません。

 店を閉めなければならなくなったのであれば、手順を踏めば整理解雇ができるかもしれません。しかし、整理解雇は、お世辞にも「トラブルの少ない方法」とはいえません。「不当解雇」と主張されて、労働審判や訴訟になることも珍しくありません。
 トラブルの少ない方法としてお勧めなのが、「話合い」で辞めてもらうことです。店を閉めなければならなくなった事情を丁寧に説明し、ある程度の上乗せ金を支払うから辞めて欲しいとお願いするのです。会社が儲かっていないことを理解している従業員であれば、たいていは退職に応じてくれます。
 退職に同意してもらった後の手続として重要なのが、退職届(退職願)の取得です。退職の話がついただけで安心してしまい、退職届等を取得しなかったばかりに、無用の紛争となってしまうことがあります。おっくうかもしれませんが、退職届等を取得するようにして下さい。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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