ワード:「残業代」

個別労働契約において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し労働者に署名押印させるなどしてその同意を得ていた場合であっても、管理職に残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効(労基法13条)——個別労働契約による「残業代不支給への同意」も、管理監督者に当たらない場合は無効となる 「同意があるから支払わなくてよい」という考えは法律上認められません ✓ 管理監督者に当たらない場合は、個別労働契約の内容にかかわらず、労基法3……

管理職に残業代(時間外・休日割増賃金)を支払う必要があるかどうかの判断が難しい理由を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 労基法・施行規則のいずれも「管理監督者」の具体的内容を明確に定めていない 法令上の定義が曖昧であるため、判断の出発点から不確実性がある ✓ 管理監督者性の具体的判断基準を示した最高裁判例が存在しない 最高裁判例がないため、行政解釈と下級審裁判例を分析するほかない ✓ 行政解釈……

管理職にも残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 管理職も労基法上の労働者であり、原則として残業代(割増賃金)の支払義務がある 「管理職だから残業代は不要」という考えは誤りです ✓ 労基法41条2号の「管理監督者」に該当する場合に限り、時間外・休日割増賃金の支払義務が免除される 「管理職」という肩書があるだけでは不十分であり、法的な要件(管理監督者性)……

企画業務型裁量労働制の対象社員に対し、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 企画業務型裁量労働制は「労働時間をみなす制度」であり、残業代の支払を完全に免除する制度ではない 専門業務型裁量労働制(304番)と同様に、休憩・休日・割増賃金等の労基法規定は原則どおり適用されます ✓ 企画業務型裁量労働制は専門業務型と異なり、労使委員会の5分の4以上の多数決議と届出によって成立する——要……

専門業務型裁量労働制の対象業務を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 専門業務型裁量労働制の対象業務は、厚生労働省令で定められた19業務に限定列挙されている 省令で定められていない業務には適用できません ✓ 研究開発・情報システム設計・取材編集・デザイン・プロデューサー・コピーライター・システムコンサルタント・インテリアコーディネーター・ゲームソフト制作・金融分析・金融商品……

専門業務型裁量労働制の適用要件を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 専門業務型裁量労働制の適用要件は3つ——①労使協定の締結 ②就業規則・労働協約への規定 ③対象労働者を対象業務に就かせること 3つの要件をすべて満たして初めて適法に専門業務型裁量労働制を適用できます ✓ 要件①の労使協定には、労基法38条の3第1項各号が定める6つの事項(対象業務・みなし労働時間・具体的指示を……

専門業務型裁量労働制の対象社員に残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 専門業務型裁量労働制は「労働時間をみなす制度」であり、労働時間に関する労基法の規制を除外する制度ではない 裁量労働制を適用しても、休憩・休日・時間外休日労働・割増賃金に関する規定は原則どおり適用されます ✓ みなし時間が法定労働時間を超える場合や法定休日に労働させる場合には、36協定の締結・届出と時間外・休日……

営業社員に具体的な指揮命令やサボりのチェックをしたい場合にみなし労働時間制を採用すべきですか。

この記事の要点 ✓ 事業場外みなし労働時間制は、営業社員に対し具体的な指揮命令をすることを予定する制度ではない みなし制の前提は「指揮監督が及ばないこと」であるため、具体的な指揮命令を行うこととは本質的に相容れない ✓ みなし制の下では、営業社員が営業中にサボっていないかチェックすることも困難 チェックすればするほど「具体的指……

営業社員からの残業代(割増賃金)請求対策で最も重要なことは何だと思いますか。

この記事の要点 ✓ みなし労働時間制を適用するだけでは残業代請求対策として不十分——通常所定時間を超えて業務が必要な場合は残業代の支払が必要 みなし制は残業代免除制度ではなく(289番・294番参照)、適用しても残業代が発生する場合があります ✓ 最高裁が「労働時間を算定し難いとき」を様々な要素で総合的に判断するため、みなし制の……

事業場外みなし労働時間制を適用している営業社員からの残業代請求のリスクが高い場合

この記事の要点 ✓ 「業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働させる必要があるにもかかわらず所定労働時間労働したものとみなしている場合」は、残業代請求のリスクが高い 所定労働時間でみなしているから残業代を支払っていないが、実際には超過時間が必要な業務という矛盾があります ✓ このような場合、「業務の遂行に通常必要とされる……

営業社員に営業手当さえ支払っていれば、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなくてもいいのですよね。

この記事の要点 ✓ 営業手当を支払っていても、時間外・休日・深夜労働をさせれば残業代の支払義務は変わらない 「営業手当を払っているから残業代は不要」という考えは誤りです ✓ 営業手当が残業代として認められる場合——不足額があれば追加支払で足りる 正しく残業代として認定されれば、「営業手当」はその限度で残業代に充当されます ……

営業社員であれば残業代を支払わなくてもいいのですよね。

この記事の要点 ✓ 営業社員も労基法上の労働者であり、原則として時間外・休日・深夜の残業代(割増賃金)を支払う必要がある「外回り営業だから残業代は不要」という考えは法律上認められません ✓ 事業場外労働のみなし労働時間制が適用され、かつ通常所定労働時間内に業務が終わる事案においては所定労働時間労働したものとみなされるため、残業代(時間外割増賃金)の支払を免れることがある……

営業社員の残業代を「営業手当」といった一見して残業代の趣旨で支払われる手当とは分からない名目で支給したい場合は、どうすればいいですか。

  この記事の要点 ✓ 「営業手当」等の名目で残業代を支払いたい場合は、最低限、通常の賃金部分と残業代部分が判別できるよう金額を明示することが必要 「営業手当」全体がひとつの金額のみでは、残業代部分の判別ができません ✓ 両者が判別できない場合は、残業代(割増賃金)の支払があったとは認めてもらえない 支払済みの「営……

残業代(割増賃金)の支払名目はどういったものがお勧めですか。

この記事の要点 ✓ 残業代の支払名目は「時間外勤務手当」「休日勤務手当」「深夜勤務手当」等、残業代(割増賃金)の趣旨で支払われていることが一見明白な名目にすることをお勧めする 支払の性質が外見上明らかな名目にすることが将来の紛争防止の基本です ✓ 「営業手当」等の名目で残業代を支払っている場合、実質的に残業代(割増賃金)の支払と……

事業場外みなしが適用される営業社員の残業代(割増賃金)の計算方法と支払方法

この記事の要点 ✓ 「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」のうち法定時間を超える部分に対して残業代(時間外割増賃金)を支払う必要がある 例:みなし10時間・所定8時間の場合、1日2時間分の時間外割増賃金を支払う ✓ 「通常必要とされる時間」は事前に労使協定で定めておくことが重要——後で争いになりにくい 「通常必要とされる時間……

みなし労働時間制の「業務の遂行に通常必要とされる時間」とはどのような時間ですか。

この記事の要点 ✓ 「業務の遂行に通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間のことをいう 特定の日の例外的な長時間や短時間ではなく、「通常の状態」での時間が基準です ✓ 「平均的にみれば当該業務の遂行にどの程度の時間が必要か」により判断される——個別の日の実績ではなく業務の性質・通常……

事業場外労働のみなし労働時間制と残業代(割増賃金)支払義務との関係を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ みなし労働時間制は残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除するものではない 「みなし制を採用したから残業代は不要」という理解は誤りです ✓ 通常所定労働時間内に業務が終わる事案では所定労働時間労働したとみなされ、時間外割増賃金の支払を免れることがある 「免れることがある」に過ぎず、すべての場合に……

使用者の具体的な指揮監督が及んでいるためにみなし労働時間制の適用が否定される具体例

この記事の要点 ✓ 昭和63年1月1日基発第1号は、みなし労働時間制の適用が否定される3つの具体例を示している ①グループ内に管理者がいる場合 ②無線・ポケットベル等による随時指示 ③事業場での具体的指示後に業務を行い戻る場合 ✓ ②の「無線やポケットベル等」は現代のスマートフォン・携帯電話でも同様に解釈される——随時使用者の指……

変形労働時間制を採用すれば残業代(割増賃金)請求対策になりますか。

この記事の要点 ✓ 変形労働時間制は「所定労働時間が週40時間または1日8時間を超えて労働させることを許容する制度」であり、残業代(割増賃金)の支払義務を免除する制度ではない 「変形労働時間制を入れれば残業代を払わなくてよい」という理解は誤りです ✓ 週当たりの平均労働時間が週40時間未満で足りる会社では残業代対策になる可能性が……

強制執行されたため源泉徴収できなかった場合でも源泉所得税を納付する必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 最高裁判所平成23年3月22日第三小法廷判決により、使用者は強制執行により賃金の回収を受ける場合でも源泉所得税の源泉徴収義務を負う 強制執行により源泉徴収できなかった場合でも、納付義務は免れません ✓ 源泉所得税を納付した後、民法222条に基づき、徴収していなかった源泉所得税相当額を当該労働者に求償することが……

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