労働問題280 付加金の請求期間に制限はありますか。
付加金の請求期間には、次のような制限があります。
① 2020年3月31日までの給料日に支払われるべき残業代の付加金 2年
② 2020年4月1日以降の給料日に支払われるべき残業代の付加金 当分の間は3年(いずれ5年)(労基法143条2項・114条ただし書)
付加金請求の期間制限はいわゆる「除斥期間」であって消滅時効期間ではないと考えられており、労働者が付加金の支払を受けるためには、制限期間内に請求の「訴え」を提起する必要があります。
内容証明郵便等による残業代請求があった場合には、その時から6か月を経過するまでの間は残業代の時効が完成しませんが(民法150条)、内容証明郵便等で請求しただけでは、付加金請求の期間制限には何の影響もありません。このため、内容証明郵便等で残業代請求を受け、後日、残業代請求訴訟が提起された事案では、付加金の支払を命じられる期間が残業代の支払義務がある期間よりも短くなることがあります。