労働問題279 残業代(割増賃金)請求訴訟において、支払が命じられる可能性がある付加金の額を教えて下さい。

 残業代(割増賃金)請求訴訟では、付加金の請求もなされるのが通常で、例えば、未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合、さらに最大300万円の付加金の支払(合計600万円の支払)が判決で命じられる可能性があります。
 使用者が残業代(割増賃金)の支払を怠っている場合、残業代(割増賃金)と同額の付加金の支払が命じられることが多くなっていますが、付加金の支払を命じるかどうかは裁判所の裁量に委ねられており、全く付加金の支払が命じられないこともないわけではありませんし、未払残業代(割増賃金)の50%とか80%といった金額の付加金の支払が命じられることもあります。
 私が使用者側代理人を務めた事件の東京地裁平成2399日判決でも、「原告は、・・・本件割増賃金について労基法114条本文に基づき付加金の請求をしているところ、同条は『裁判所は・・・付加金の支払を命ずることができる。』と規定しているにとどまるのであるから、裁判所は、諸般の事情を考慮し、付加金を命ずることが不相当であると判断した場合にはこれを命じないことができ、また、これを命ずる場合であっても裁量により減額することができるものと解するのが相当である。」とされています。
 会社経営者側としては、付加金の支払を命じるのが相当でない事情があるのであれば、その事情を主張立証しておくべきです。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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