労働問題270 残業代計算の基礎となる「深夜労働時間」とは?昼間勤務と夜勤の違いを会社側弁護士が解説
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深夜労働時間とは、深夜(22時〜5時)に労働させた時間のことをいう 22時から翌5時の間に労働させた時間が深夜割増賃金(25%以上)の対象となります |
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昼間勤務の場合、深夜労働は時間外労働でもあるのが通常であり、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)の双方が発生する 昼間勤務で深夜まで残業した場合の割増率は合計50%以上(月60時間超は75%以上)となります |
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夜勤の場合、深夜労働であっても所定労働時間内であれば時間外労働にはならない 夜勤では深夜割増賃金(25%以上)のみが発生し、時間外割増賃金は発生しない場合があります |
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深夜割増賃金は時間外・休日労働と重複して発生することがあり、正確な割増率の把握が重要 深夜の時間外労働は25%+25%=50%以上、深夜の法定休日労働は35%+25%=60%以上の割増となります |
目次
01「深夜労働時間」の定義——22時〜5時の労働
労基法に基づく残業代(深夜割増賃金)計算の基礎となる深夜労働時間とは、深夜(22時〜5時)に労働させた時間のことをいいます。
「深夜」の時間帯は法律で明確に定められており、午後10時(22時)から翌朝午前5時(5時)までの7時間がこれに当たります。この時間帯に労働させた場合は、その時間に対して深夜割増賃金を支払う義務が生じます。曜日や労働者の属性にかかわらず、深夜時間帯に働かせた場合には深夜割増賃金の支払義務が発生します。
02深夜割増賃金の根拠と割増率(労基法37条4項)
深夜割増賃金の根拠は労働基準法37条4項であり、使用者は深夜(22時〜5時)に労働させた場合、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。深夜割増賃金は強行規定であり、就業規則や労働契約でこれを下回る定めをすることはできません。
深夜時間帯:22時〜翌5時(7時間)
根拠法令:労基法37条4項
割増率:25%以上
支払義務の発生:深夜時間帯に1分でも労働させた場合、その分について深夜割増賃金の支払が必要
他の割増との関係:時間外割増・休日割増と重複して発生することがある(下記05節参照)
03昼間勤務の場合——深夜労働は時間外労働でもあるのが通常
昼間の仕事の場合には、深夜労働は、時間外労働でもあるのが通常です。例えば、所定労働時間が9時〜18時(休憩1時間、実労働8時間)の会社で、残業が続いて22時まで労働した場合、18時〜22時は時間外労働(法定労働時間の8時間を超えた部分)であり、かつ22時以降は深夜時間帯に入ります。
この場合、時間外割増賃金(25%以上)と深夜割増賃金(25%以上)の両方が発生し、合計で50%以上の割増賃金を支払う必要があります(月60時間超の時間外労働の場合は時間外割増が50%以上となるため、深夜分と合わせて75%以上)。
04夜勤の場合——深夜労働でも時間外労働でないことがある
夜勤の場合には、深夜労働ではあっても時間外労働ではないこともあります。例えば、所定労働時間が22時〜翌6時(休憩1時間、実労働7時間)の夜勤シフトで働く場合、22時〜翌5時の深夜時間帯の労働は深夜割増賃金の対象となりますが、週の実労働時間が40時間(特例措置対象事業場では44時間)を超えていなければ、時間外労働には該当しません。
この場合、深夜割増賃金(25%以上)のみが発生し、時間外割増賃金(25%以上)は発生しません。夜勤者の残業代計算においては、深夜割増と時間外割増を混同しないよう注意が必要です。
05割増賃金の重複と計算方法
深夜割増賃金(25%以上)は、時間外割増賃金・休日割増賃金と重複して発生することがあります。以下に各パターンの割増率をまとめます。
割増賃金の計算方法については、時間単価(基礎賃金)に対して割増率を掛けて算出します。時間単価の計算においては、「除外賃金」(家族手当・通勤手当・住宅手当・別居手当・子女教育手当・臨時に支払われる賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)は除外して計算することができます。正確な計算については使用者側弁護士・会社側弁護士に相談することをお勧めします。
06まとめ
深夜労働時間とは、深夜(22時〜5時)に労働させた時間のことであり、この時間帯の労働に対しては深夜割増賃金(25%以上)の支払義務が生じます(労基法37条4項)。昼間の仕事の場合、深夜労働は時間外労働でもあるのが通常であり、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)が重複して合計50%以上の割増となります。一方、夜勤の場合は深夜労働であっても所定労働時間内であれば時間外労働にはならず、深夜割増(25%以上)のみが発生します。
深夜割増賃金と時間外・休日割増賃金の重複計算は、残業代請求において争われやすい論点です。計算方法の適正化・就業規則の整備については、使用者側弁護士・会社側弁護士に相談することをお勧めします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。深夜割増賃金の計算・就業規則の整備・残業代トラブルの予防でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 深夜労働時間とはどのような時間ですか。
A. 深夜(22時〜翌5時)の間に労働させた時間をいいます(労基法37条4項)。この時間帯に1分でも労働させた場合、その部分について深夜割増賃金(25%以上)の支払義務が発生します。
Q2. 深夜割増賃金の割増率はどのくらいですか。
A. 25%以上です(労基法37条4項)。昼間勤務で深夜まで残業した場合は、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)が重複し、合計50%以上となります。法定休日の深夜労働の場合は、休日割増(35%以上)と深夜割増(25%以上)が重複し、合計60%以上となります。
Q3. 夜勤で深夜に働いた場合でも深夜割増賃金は必要ですか。
A. 必要です。深夜割増賃金は、昼間・夜勤を問わず、22時〜5時の間に働かせた場合に発生します。ただし、夜勤の場合は所定労働時間内であれば時間外労働には該当しないため、時間外割増賃金は発生しません。深夜割増賃金(25%以上)のみが発生します。
Q4. 深夜残業の場合、時間外割増賃金と深夜割増賃金はどちらも支払う必要がありますか。
A. 昼間勤務で深夜まで残業した場合は、時間外割増賃金(25%以上)と深夜割増賃金(25%以上)の両方を支払う必要があります(合計50%以上)。月60時間を超える時間外労働の深夜部分は、時間外割増が50%以上となるため、深夜割増と合わせて75%以上となります。
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最終更新日:2026年5月10日