ワード:「問題社員」

在職中及び退職後の秘密保持義務についての留意点を教えてください。

この記事の結論 1 在職中は、規定がなくても当然に秘密保持義務を負う 在職中の労働者は、労働契約の付随義務として、使用者の営業上の秘密を保持すべき義務を負っています。この義務は、就業規則や個別合意がなくても発生すると考えられています(メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ事件、東京地裁平成15年9月17日判決)。 2 退職後……

退職勧奨をした際に退職を強要したとして慰謝料請求が認められた事例には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 社会的相当性を逸脱した退職勧奨には損害賠償義務が生じる 退職勧奨自体は事実行為であり、使用者がこれを行うかは基本的に自由です。しかし、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行われた場合には、使用者は不法行為に基づく損害賠償義務を負います。 2 頻度・言動・懲戒可能性の示唆等が違法性の判断……

退職勧奨とはどういうものですか。

この記事の結論 1 退職勧奨は、自発的な退職意思の形成を促す単なる事実行為 退職勧奨とは、使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことをいいます。裁判所は、退職勧奨は法律に根拠を持つ行政行為ではなく、単なる事実行為であると述べています(下関商業高校事件、最高裁一小昭和55年7月10日判決)。 2 個別面談を通じて行……

解雇の規制にはどのようなものがありますか。

この記事の結論 1 業務上災害の療養中・産前産後休業中は解雇できない 業務上災害による療養のための休業期間、産前産後休業期間およびその後30日間は、その労働者を解雇することはできません。打切補償を支払えば解雇制限は解除され、労災保険給付を受ける労働者もその対象になります(専修大学事件、最高裁平成27年6月8日判決)。 2 組合活動・……

労基法では解雇予告義務・解雇予告手当についてどのように定められていますか。

この記事の結論 1 解雇は30日前の予告か、30日分以上の予告手当が必要 使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければならず、予告しない場合には、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。 2 除外認定がなくても、客観的に除外事由があれば予告手当は不要 やむを得ない事由や労働者……

情報漏洩、兼業、競業行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 企業情報の漏洩は、企業秩序を現実に侵害する場合に懲戒事由となる 業務上知り得た情報を、職務と密接に関連する形で外部に発信する行為は懲戒事由となり得ます。SNSでの漏洩がインターネット上で炎上し、企業秩序を侵害するケースも増えています。 2 兼業は労務支障や秘密漏洩のおそれがあれば禁止でき、競業行為はより厳格 兼……

企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 就業時間中の政治活動は原則懲戒処分の対象、時間外は特別の事情が問題になる 就業時間中の政治活動は職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されます。終業時間外の活動は、企業秩序を乱すおそれのない特別の事情がある場合には就業規則違反になりません(目黒電報電話局事件、最高裁昭和52年12月13日判決)。 2 ……

経歴詐称を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 重要な経歴の詐称は、懲戒事由該当性が肯定される 経歴詐称は、使用者と労働者間の信頼関係を壊し、労働力の評価を誤らせるものであることから、詐称された経歴が最終学歴や職歴など重要なものであれば、懲戒事由該当性が肯定されます(スーパーバッグ事件、最高裁平成3年9月19日判決)。 2 質問への虚偽回答は詐称、聞かれなかっ……

職務規律違反・不正行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 セクハラ・パワハラを理由とする厳格な懲戒処分が認められやすくなっている 被害者が抗議や申告を差し控えることが少なくない事情を、加害者に有利に斟酌するのは相当でないとして、セクハラを理由とする出勤停止処分を有効とした最高裁判例があります(L館事件、最高裁平成27年2月26日判決)。 2 不正行為は企業の信用失墜を招……

職務懈怠を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 精神的不調による欠勤には、健康診断等の対応を先行させる必要がある 精神的な不調のために欠勤を続けている社員には、健康診断を実施し、診断結果に応じて治療を勧めた上で休職等を検討すべきであり、これを怠った無断欠勤扱いの懲戒処分は無効とされます(日本ヒューレットパッカード事件、最高裁平成24年4月27日判決)。 2 業……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 本人への弁明機会の付与は、規定の有無を問わず原則として必要 懲戒処分は制裁罰としての性格を有し、労働者に与える不利益も大きいことから、弁明の機会の付与を欠く場合には、特段の事情がない限り、手続的正義に反して懲戒処分は無効になると考えられます。 2 労働者の調査協力義務は、業務との関連性で判断される 調査協力義務……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 課せる懲戒処分は、就業規則に定めた種類に限定される 就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできません。就業規則が懲戒事由ごとに処分の種類を限定的に規定している場合、その手段はそこに限定され、より軽い処分であっても課すことはできないとされています。 2 同種の非違行為には、先例を踏まえた同等の処分が求められ……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 懲戒事由は就業規則に明確に定め、合理的な限定解釈が加えられる 懲戒処分が有効となるには、まず懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。「その他これに準ずる場合」といった包括条項も、合理的な限定解釈が加えられるのが通常です。 2 懲戒当時に認識していなかった非違行為は、原則として追加主張できない 懲戒当時に……

懲戒処分とはどういうものですか。

この記事の結論 1 懲戒処分は、企業秩序違反行為に対する制裁罰 懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等の種類があります。 2 3つの要件を満たさなければ、権利濫用として無効になる 懲戒処分は、根拠規定の存在を前提に、懲戒処分事……

降格にはどのような種類がありますか。

この記事の結論 1 降格は、人事上の措置としての降格と懲戒処分としての降格に大別される 降格に法律上の定義はなく多義的ですが、一般的には、労働契約上の根拠の違いに着目して、人事上の措置としての降格、懲戒処分としての降格に分類されます。 2 人事上の降格も、対象となる制度によって性質が異なる 人事上の措置としての降格には、職位・役職……

出向先の会社が出向してきた社員を解雇することはできますか。

この記事の結論 1 出向先は、出向社員を解雇できない 労働者と雇用契約を締結しているのは出向元であるため、出向先の会社は、出向してきた社員に問題があったとしても、その社員を解雇することはできません。 2 解雇相当の問題があれば、出向契約を解除して出向元に処分を委ねる 出向社員が出向元の解雇事由に該当するような行動をとった場合、出向……

出向中の労働者との労働関係はどうなりますか。

この記事の結論 1 出向により、出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じる 出向は、労働者と出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じることになります。懲戒権や解雇権がどちらにあるかは、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられます。 2 通常は、基本部分を出向元、日常の就業管理を出向先が担う 通常の出向では、賃金の支払義……

労働審判の「主文」及び「理由の要旨」について教えてください。

この記事の結論 1 主文は「判決主文型」と「調停条項型」のいずれでもよい 労働審判委員会は、主文において、権利関係の確認や、金銭の支払等の給付を命じ、解決に相当な事項を定めることができます(労働審判法20条2項)。表現形式は、判決に似た「命じる」型と、合意に似た「支払う」型のいずれでもよいとされています。 2 理由の要旨は、定型的で……

労働審判委員会が労働審判法24条により労働審判事件を終了させるのは、どのような場合ですか。

この記事の結論 1 事案の性質が労働審判手続に適当でない場合、事件を終了させられる 事案の性質が、迅速かつ適正な解決を目的とする労働審判手続に適当でない場合には、労働審判委員会は、当該労働審判事件を終了させることができます(労働審判法24条)。 2 3回以内で審理を終えることが困難な事件が典型。判断は個別に行われる 差別や人事評価……

採用・派遣労働者との紛争は労働審判の対象になりますか。

この記事の結論 1 「労働関係」は契約名称ではなく実態で判断。業務委託・請負でも労働審判の対象になり得る 業務委託・請負・フリーランス契約でも実質的な指揮命令関係・報酬の労務対償性が認められれば労働者性が問題となり、「未払賃金」「解雇無効」として労働審判を申し立てられる可能性があります。 2 派遣先は原則対象外。ただし偽装請負・労働……

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