ワード:「問題社員」
管理監督者に対する労働時間の自由裁量は必須ですか。
この記事の結論
1
「規制になじまない」は出退勤完全自由を意味しない。管理監督者も労働者
通達(昭和22年基発17号・昭和63年基発150号)の「労働時間等の規制になじまない」は、厳格な時間管理が業務の性質上なじまないという趣旨であり、出退勤の時間が完全に自由であることを意味しません。管理監督者も労基法が適用される労働者です。
2
……
裁量労働制の対象者が就業時間中に組合活動をした場合、懲戒や賃金カットは可能ですか。
この記事の結論
1
裁量労働制でも職務専念義務は免除されない。就業時間中の組合活動は原則として職務専念義務違反
裁量労働制は労働時間の把握・算定をみなしに委ねる制度であり、就業時間中の職務専念義務そのものを免除するものではありません。就業規則等に許容する定めがない限り、就業時間中の組合活動は職務専念義務違反として注意・懲戒処分の対象となり得ます。
……
専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。
この記事の結論
1
遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない
裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。
2
欠勤:みなし規定の適用が……
無期転換ルールの特例(有期特措法)とは何ですか。
この記事の結論
1
有期特措法(平成27年4月施行)により2つの特例がある
高度専門職は上限10年まで、定年後に継続雇用される高齢者は上限なく、5年を超えても無期転換権が発生しない特例があります(専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法)。
2
特例の適用には都道府県労働局への申請・認定が必要
特例の適用を希望する事……
労働基準監督署は、何を基準に精神疾患の労災を認定していますか。
この記事の結論
1
「心理的負荷による精神障害の認定基準」(厚労省・平成23年)に基づき認定される
労働基準監督署は、平成23年12月23日に厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準」に沿って、うつ病などの精神疾患の労災認定を行っています。
2
認定の3要件:①対象疾患の発病②発病前6か月の強い業務上の心理的負荷③業務……
パワハラの違法性はどのように判断されますか。
この記事の結論
1
パワハラの違法性は諸般の事情と職務上の適正範囲内かで総合判断される
両当事者の職務上の地位・関係、行為の場所・時間・態様、パワハラを受けたと主張する者の対応等の諸般の事情、職務の内容・性質・危険性の内容・程度、当該行為が職務上の適正な範囲内か否か等を踏まえて判断されます。
2
指導・監督の場面では、相手の理解力等……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合、退職金を不支給にすることはできますか。
この記事の結論
1
「懲戒解雇された者」という定め方では退職後の不支給はできない
「懲戒解雇された者には退職金を支給しない」と定めても、既に退職した社員を懲戒解雇することはできないため、退職後に事由が発覚しても不支給にできません。
2
「懲戒解雇事由があるとき」という定め方が必要
退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支……
不当労働行為の不利益取扱いとはどのような行為ですか。
この記事の結論
1
「組合員であること」等を「理由に」不利益に取り扱うことが不当労働行為
不利益取扱いは、①組合員であること・組合に加入しもしくは結成しようとしたこと・労働組合の正当な行為をしたことを、②理由に、当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。
2
「不利益」は雇用・人事・処遇全般にわたる
不利益取扱いには、解雇・再採……
賃金減額は、どこまで可能ですか。
この記事の結論
1
賃金の一方的な減額は原則として認められない
賃金は労働契約の中核的な条件であり、会社側による一方的な減額は原則として認められません。適法に減額するには、法的根拠と合理性が必要です。
2
減額の手法は複数あるが、それぞれに厳格な要件がある
懲戒・降格・査定・就業規則変更・労働協約・個別合意など手法は多岐にわたりま……
問題社員には、どのように対応すればよいですか。
この記事の結論
1
感情ではなく、客観的証拠の有無が重要
「困った社員」という主観的評価ではなく、裁判で通用する客観的証拠があるかどうかが、問題社員対応の成否を左右します。
2
初動対応のミスは後から取り返しにくい
指導記録の不在や不用意な発言は、後の紛争で会社側の防御力を著しく弱める要因となります。問題が起きた初期段階から法的視……
「解雇されても異議を申し出ない」という書面があれば、懲戒解雇は有効ですか。
この記事の結論
1
「異議を申し出ない」書面があっても、懲戒解雇は当然には有効にならない
懲戒解雇の有効性は、客観的な懲戒事由の存在・処分の相当性・手続の適正によって判断されます。労働者が「異議を申し出ない」と記載した書面の存在のみで、法的リスクが解消されるわけではありません。
2
書面の文言より「作成に至る経緯」と真意性が重視され……
懲戒処分をした者の氏名や事実を公表することはできますか。
この記事の結論
1
就業規則に公表の規定を定め周知していれば、氏名を含めた公表も可能
就業規則に「懲戒事実を公表することがある」旨の規定を定め、従業員に周知していれば、労働者の氏名も含めて公表することはできます。
2
公表内容がプライバシー侵害・名誉毀損にならないよう注意が必要
規定があっても、公表の内容や方法がプライバシー侵害や……
試用期間中であれば自由に本採用拒否できますか。
この記事の結論
1
試用期間中でも自由に本採用拒否することはできない
試用期間を設けていても、使用者と労働者の間には労働契約が成立しています。本採用拒否はその契約の一方的解消であり解雇の一形態ですから、解雇権濫用法理に基づいて検討され、自由に本採用拒否することはできません。
2
通常の解雇より広く行使できるが、緩やかに判断されるわけ……
試用期間の長さや延長の可否とは、どのようなものですか。
この記事の結論
1
試用期間の長さ・延長の可否に法律上の定めはなく、原則は合意による
試用期間の長さや延長の可否について、法律上の定めはありません。そのため、原則として当事者間の合意によることになります。
2
合理的範囲を超える長さの定めは無効。6か月程度が適当
試用期間の長さは、合理的範囲を超える期間の定めは無効と判断されます。……
懲戒解雇が妥当か検討するために出勤停止の懲戒処分をした上で、懲戒解雇することはできますか。
この記事の結論
1
出勤停止の懲戒処分をした上で懲戒解雇することはできない
一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできません。そのため、懲戒解雇が妥当か検討するために出勤停止の懲戒処分をした上で、改めて懲戒解雇することはできません。
2
調査・方針決定までは業務命令としての出勤停止(自宅待機)を用いる
懲戒処分としての出勤停……
懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で、懲戒解雇することはできますか。
この記事の結論
1
出勤停止の懲戒処分をした上で懲戒解雇することはできない
一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできません(一事不再理)。そのため、懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で、改めて懲戒解雇することはできません。
2
調査・審議のためには業務命令としての出勤停止(自宅待機)を使う
懲戒処……
裁判で懲戒解雇の理由に、懲戒解雇当時に認識していなかった非違行為を追加して主張できますか。
この記事の結論
1
原則として、解雇当時に認識していなかった非違行為は理由に追加できない
懲戒処分の有効性は、懲戒処分時に理由とした具体的な非違行為について判断すべきものです。そのため、特段の事情のない限り、使用者が懲戒解雇時には認識していなかった事実を、裁判で後から主張することはできません。
2
密接に関連する同種の非違行為は「特……
減給の懲戒処分の減給額は、使用者が自由に決めてよいですか。
この記事の結論
1
減給額は自由に決められない。労基法91条の制限がある
賃金は労働者の生活の基盤であることから、減給の懲戒処分の減給額には労働基準法91条による制限があり、使用者が自由に決めることはできません。
2
1事案は平均賃金1日分の半額以下、総額は賃金総額の10分の1以下
①一つの事案における減給額は平均賃金の1日分の半……
懲戒処分の有効要件とは、どのようなものですか。
この記事の結論
1
懲戒処分の有効要件は3つ
懲戒処分の有効要件は、①就業規則の懲戒事由に該当すること、②処分が相当であること、③手続が相当であることの3つです。これらを満たさない懲戒処分は無効となります。
2
不当に重い処分は権利の濫用として無効になる
処分の内容は使用者の裁量に委ねられていますが、行為の態様・動機・影響・処分歴……
問題社員には、どのように対処すればよいですか。
この記事の結論
1
問題社員の放置は、士気低下・安全配慮義務違反・「黙認」評価のリスクを生む
問題社員を放置すると、周囲の士気低下と離職、ハラスメント放置による安全配慮義務違反、後の懲戒・解雇時に「会社が黙認していた」と評価されるなどのリスクが生じます。
2
問題のタイプを見極め、適正な3段階プロセスで対応する
いきなり解雇するの……