労働問題788 懲戒処分とはどういうものですか。
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懲戒処分は、企業秩序違反行為に対する制裁罰 懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等の種類があります。 |
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3つの要件を満たさなければ、権利濫用として無効になる 懲戒処分は、根拠規定の存在を前提に、懲戒処分事由該当性、処分の相当性、手続の相当性の要件を満たすことで有効となります。その立証責任は使用者にあります(労働契約法15条)。 |
目次
問題社員への対応を検討する会社にとって、懲戒処分は重要な選択肢の一つです。もっとも、懲戒処分は労働者に不利益を課す重い処分であるため、法律上、その有効性が厳格に審査されます。
会社側専門の弁護士の立場から、懲戒処分の基本的な仕組みを解説します。
01懲戒処分の定義
懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。労働者が就業規則等に違反する行為(非違行為)を行った場合に、企業秩序を維持するため、使用者が一種の制裁として科すものと位置づけられます。
02懲戒処分の種類
懲戒処分には、懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等があります。処分の重さには段階があり、労働者の非違行為の程度に応じて、適切な処分を選択する必要があります(この点は790の記事で詳しく解説します)。
03労働契約法15条による制限
労働契約法15条は、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」と規定しています。懲戒権も、使用者が自由に行使できるものではなく、この規定によって、その適法性が制約されています。
04懲戒処分が有効となる3要件
具体的には、懲戒処分は、実質的に周知された合理的な内容の懲戒規定を根拠規定として存在させたうえで、次の3つの要件を満たすことで有効なものとなります。
05立証責任は使用者にある
懲戒処分の有効性に関する立証責任は、使用者にあります。労働者側が懲戒処分の無効を主張するだけで、使用者側がその有効性を何ら立証できなければ、懲戒処分は無効と判断されることになります。会社としては、懲戒処分を行う際に、その正当性を裏付ける証拠を、事前にしっかりと収集・整理しておく必要があります。
なお、故意または過失による違法な懲戒処分は、労働者に対する不法行為となることもあります。懲戒処分が無効であるにとどまらず、損害賠償責任を負う可能性がある点にも注意が必要です。
06会社側が押さえておくべき視点
懲戒処分は、企業秩序を維持するための重要な手段である一方、労働者に不利益を課す重い処分であるため、慎重な運用が求められます。就業規則に懲戒規定を明確かつ実質的に周知した形で整備しておくこと、懲戒処分を行う際には該当性・相当性・手続の3要件を意識して準備を進めることが、有効な懲戒処分を実施するための基本です。
立証責任が使用者側にあることを踏まえ、非違行為の証拠収集、処分理由の記録化、適正な手続の履践を、日頃から意識しておくことが重要です。
07よくある質問(FAQ)
Q. 懲戒処分にはどのような種類がありますか。
懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等があります。処分の重さに段階があり、非違行為の程度に応じた選択が必要です。
Q. 懲戒処分が有効となるためには、何が必要ですか。
周知された合理的な懲戒規定を根拠として、懲戒処分事由該当性、処分の相当性、手続の相当性の3要件を満たす必要があります(労働契約法15条)。
Q. 懲戒処分の有効性は、誰が立証する必要がありますか。
使用者側です。懲戒処分の有効性に関する立証責任は使用者にあるため、非違行為の証拠収集や処分理由の記録化を、あらかじめ丁寧に行っておく必要があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。懲戒処分の実施でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日