労働問題798 労基法では解雇予告義務・解雇予告手当についてどのように定められていますか?
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解雇は30日前の予告か、30日分以上の予告手当が必要 使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければならず、予告しない場合には、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。 |
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除外認定がなくても、客観的に除外事由があれば予告手当は不要 やむを得ない事由や労働者の責めに帰すべき事由による即時解雇には、所轄労基署長の除外認定が必要とされますが、これは事実確認の手続にすぎず、客観的に除外事由があれば認定がなくても予告手当は不要です。 |
目次
解雇を検討する際、実務上まず確認すべきなのが、解雇予告義務・解雇予告手当の仕組みです。これは、解雇の理由の当否とは別に、手続として必ず守らなければならないルールです。
会社側専門の弁護士の立場から、労基法上の解雇予告義務・解雇予告手当を解説します。
01解雇予告と解雇予告手当の基本
労基法では、使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければならないとされており、予告しない場合には、解雇予告手当として、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないと定められています。予告日数と予告手当を組み合わせることも可能で、たとえば15日前に予告し、15日分の予告手当を支払うといった対応もできます。
02予告なし・手当未払いの場合の効力発生時期
予告期間を置かずに解雇手当も支払わなかった場合の解雇は、使用者が即時解雇に拘らない限り、解雇通知後30日を経過するか、解雇通知後に予告手当の支払があれば、そのいずれか先の時点で解雇の効力が生ずることになります。なお、労基法では、解雇予告手当を支払わない使用者に対し、裁判所が付加金の支払を命じることができると定められています。手続を怠ると、本来の予告手当に加え、付加金という追加の負担が生じるリスクがあります。
03即時解雇と除外認定
使用者は、天変事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、または使用者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、解雇予告手当の支払なく即時解雇することができます。この場合、使用者は所轄労働基準監督署長から除外認定を受けることが必要です。
ただし、除外認定は行政庁による事実確認の手続にすぎませんので、客観的に除外事由があり、その他の解雇要件を満たしている場合には、除外認定を受けていない解雇であっても無効とはならず、解雇予告手当を支給する必要もないとされています。もっとも、実務上は、後の紛争を予防する観点から、除外認定を受けておくことが望ましい対応です。
04適用除外となる労働者
日々雇い入れられる労働者、2か月以内の期間を定めて使用される労働者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される労働者、試用期間中の労働者を解雇する場合には、解雇予告義務および解雇予告手当の支払義務は生じません。
ただし、日々雇い入れられる労働者が2か月を超えて引き続き雇用された場合、試用期間中の労働者が14日を超えて雇用されている場合には、解雇予告義務および解雇予告手当の支払義務が生じます。当初は適用除外であっても、雇用の実態によって義務が発生する点に注意が必要です。
05解雇予告手当の支払方法
解雇予告手当は、小切手による支払や分割払いは許されず、通貨により全額を直接労働者に支払わなければなりません。解雇予告手当は、解雇通知と同時に支払うべきものではありますが、解雇予告と予告手当を併用する場合については、必ずしも同時に支払う必要はなく、予告日数と予告手当で支払われる日数が明確になっていれば、現実の支払は解雇の日までに行われれば足ります。
06会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、解雇を実施する際、まず、解雇予告義務の対象となる労働者かどうかを確認する必要があります。適用除外に該当すると思っていた労働者が、実際には2か月・14日を超えて雇用されており、義務が発生していたというケースもあり得るため、雇用開始日と現在までの期間を正確に把握することが重要です。
即時解雇を行う場合には、除外事由の存在を客観的資料で裏付けたうえで、可能な限り所轄労基署長の除外認定を受けておくことをお勧めします。付加金のリスクも踏まえ、予告手当の支払いを怠らないよう、支払方法(通貨・全額・直接払い)にも注意が必要です。
07よくある質問(FAQ)
Q. 除外認定を受けずに即時解雇した場合、必ず無効になりますか。
必ずしも無効にはなりません。除外認定は事実確認の手続にすぎず、客観的に除外事由があり他の解雇要件を満たしていれば、認定なしでも解雇は無効とならず、予告手当の支払も不要です。
Q. 試用期間中の従業員には、解雇予告は不要ですか。
試用期間中の労働者は原則として不要ですが、14日を超えて雇用されている場合には、解雇予告義務・解雇予告手当の支払義務が生じます。
Q. 解雇予告手当を支払わなかった場合、どうなりますか。
裁判所から付加金の支払を命じられることがあります。予告手当本体に加え、追加の金銭負担が生じるリスクがあるため、確実な支払いが重要です。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。解雇の実施でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日