ワード:「労働問題」
定年後再雇用をめぐる紛争は、近時どのような傾向にありますか。
この記事の結論
1
従来は継続雇用拒絶そのものを争う紛争が多かったが、近時は継続雇用後の労働条件交渉が中心
高年齢者雇用確保措置の義務化が定着し、継続雇用自体を拒否する企業が減少していることが背景にあると考えられます。
2
「雇用と年金の接続」が政策課題である以上、よほどの事情がない限り継続雇用自体の拒否は訴訟リスクが高い
継続雇……
継続雇用基準を満たす高年齢者を拒絶した場合、会社にはどのような法的リスクがありますか。
この記事の結論
1
労働契約は合意により成立するのが原則で、会社が承諾しない限り契約は成立しない
拒絶された高年齢者は、原則として損害賠償請求をする余地があるにとどまります(労契法6条)。
2
津田電気計器事件最高裁判決は、基準を満たす労働者の拒絶に客観的合理的理由がなければ雇用関係の存続を認めた
損害賠償請求のリスクに加え、継続……
労働組合員の継続雇用拒否は、どのような点で紛争になりやすいですか。
この記事の結論
1
継続雇用拒否の紛争は、労働組合活動をしていた組合員について生じることが多い
拒否が不当労働行為(労働組合法7条)と評価されるかどうかが争点となる傾向があります。
2
組合員への対応は、組合活動を理由とする不利益取扱いという疑いを招かないよう通常以上に慎重な証拠固めが必要
就業規則の解雇事由・退職事由への該当性を……
解雇した社員が合同労組に加入し、団体交渉を求めてきたり、会社オフィス前や社長自宅前で街宣活動をしたりする。
解雇された社員であっても、解雇そのものまたはそれに関連する退職条件等が団体交渉の対象となっている場合には、労働組合法第7条第2号の「雇用する労働者」に含まれるため、解雇された社員が加入した労働組合からの団体交渉を拒絶した場合、他の要件を満たせば不当労働行為となります。
多数組合との間でユニオン・ショップ協定(雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず、加入しないときは使用者においてこれを解雇……
社員を引き抜いて、同業他社に転職する。
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1 職中および退職後の競業避止義務
在職中は、労働契約上の誠実義務として、同業他社に勤務したり、自ら同業他社を経営したりすることは当然禁止されますが、退職後は、競業避止特約がある場合に限り、合理的な範囲内においてのみ競業が禁止されることになります。
特約がない場合であっても、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働き……
特約がない場合であっても、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働き……
営業秘密を漏洩する。
社員は、在職中・退職後いずれについても、労働契約の付随義務として当然に守秘義務を負っていると考えられますが、それを明確にして自覚を促すため、諸規定を整備し、誓約書を取っておくことが重要です。
社員が営業秘密を漏洩したと思われるような事案であっても、損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。
事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて、事前の営業秘密漏洩防止に力を入れ……
事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて、事前の営業秘密漏洩防止に力を入れ……
業務上のミスを繰り返して、会社に損害を与える。
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1 募集採用活動の重要性
業務上のミスを繰り返す社員を減らす一番の方法は、採用活動を慎重に行い、応募者の適性・能力等を十分に審査して基準を満たした者のみを採用することです。採用活動の段階で手抜きをして、十分な審査をせずに採用したのでは、業務内容が単純でマニュアルや教育制度がよほど整備されているような会社でない限り、業務上のミスを減らすことは困難です。
2 採用後の対応
採用……
会社の業績が悪いのに賃金減額に同意しない。
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1 はじめに
会社の業績が悪いため賃金原資を確保することが難しい場合、労働者の賃金を減額したり、辞めてもらう必要があることもあります。しかし、賃金を減額するにしても、辞めてもらうにしても、自由に行うことはできず、一定のルールを守らなければなりません。
本FAQでは、会社の業績が悪いのに賃金減額に同意してもらえない場合の対処法について解説します。 2 業績が悪いこ……
本FAQでは、会社の業績が悪いのに賃金減額に同意してもらえない場合の対処法について解説します。 2 業績が悪いこ……
虚偽の内部告発をして、会社の名誉・信用を毀損する。
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1. 内部告発に対する職場秩序維持と就業規則の役割
労働契約上、社員は、会社の名誉信用等を害して職場秩序に悪影響を与え、業務の正常な運営を妨げるような行為をしない義務を負っていると考えられますが、それを明確にするために、その旨、就業規則に規定しておくべきです。
虚偽の内部告発については、その程度に応じて、注意、指導、懲戒処分を検討することになりますが、公益通報者保護法、言論表……
派手な化粧・露出度の高い服装で出社する。
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動画解説
[youtube]a9x46YPYcQ8[/youtube]
1. 派手な化粧・露出度の高い服装は問題になるのか|判断の出発点
派手な化粧や露出度の高い服装で出社する社員がいる場合、会社経営者としてまず考えるべきは、「それは法的に問題なのか」という点です。
結論から言えば、単に“派手である”“目立つ”という理由だけでは、直ちに違法・不当と評価でき……
継続雇用制度の対象者基準は、就業規則に規定し労基署に届け出る必要がありましたか。
この記事の結論
1
対象者基準を定めた労使協定自体の労基署届出義務はなかったが、就業規則に規定した場合は届出が必要だった
「退職に関する事項」(労基法89条3号)に該当するためです。
2
経過措置が終了した現在、就業規則に古い基準が残っている会社は速やかな変更届出が必要
「希望者全員」を対象とする規定に変更し、労働基準監督署への届……
高年齢者の継続雇用を拒否できるのは、どのような場合ですか。
この記事の結論
1
継続雇用を拒否できるのは、就業規則の解雇事由・退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合に限られる
判断ではまず健康状態、次に懲戒歴等の客観的な事情を重視すべきです。
2
「雇用と年金の接続」という立法趣旨からすれば、拒否は極めて限定的な場合にとどめるべき
健康に問題がなく通常の業務に従事できるのであれば、……
経過措置期間中、継続雇用制度の基準により再雇用されなかった人はどのくらいいましたか。
この記事の結論
1
経過措置期間中、基準により離職した者は定年到達者全体の約2.0%程度であったとされる
基準を設けていた会社であっても、大多数(98%程度)は希望者のほぼ全員を再雇用していたとみられます。
2
この経過措置は令和7年3月末で完全に終了しており、現在は「基準による選別」という仕組み自体が使えない
現在の実務は、就業……
継続雇用制度の対象者を限定する経過措置は、今も利用できますか。
この記事の結論
1
継続雇用制度の対象者を限定する経過措置は、令和7年3月31日をもって完全に終了した
令和7年4月1日以降、いかなる企業も選別基準を用いて継続雇用対象者を限定することはできません。
2
令和7年4月1日以降は、定年制の廃止・65歳までの定年引上げ・希望者全員を対象とする継続雇用制度のいずれかが必須
経過措置を利用……
高年齢者雇用確保措置として、なぜ再雇用制度がお勧めなのですか。
この記事の結論
1
継続雇用制度(高年法9条1項2号)としては「再雇用」方式がお勧め
再雇用は新たな労働契約の締結となるため、賃金水準等の労働条件を柔軟に設定できるというメリットがあります。
2
「勤務延長」方式は既存契約を維持するため、労働条件変更に不利益変更の問題が生じ得る
再雇用方式に比べて、賃金等の条件変更の柔軟性に劣りま……
高年齢者雇用確保措置を取らない場合、会社にはどのようなリスクがありますか。
この記事の結論
1
高年法9条違反は、助言・指導・勧告を経て企業名が公表される可能性がある(高年法10条)
団体交渉要求や社会的評価の低下・人材確保への悪影響というリスクも生じます。
2
高年法9条には私法的効力がなく、根拠規定がない限り再雇用等を命じる判決は得られない
ただし継続雇用制度の基準を満たす者を恣意的に拒否した場合は、……
高年齢者雇用確保措置として、実務上多く採用される措置は何ですか。
この記事の結論
1
令和6年時点で高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%。内訳は継続雇用制度の導入が67.4%と圧倒的多数
厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」(令和6年6月1日時点)による最新の集計結果です。
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定年の引上げは28.7%、定年制の廃止は3.9%。定年引上げを選ぶ企業の割合は年々増加傾向
自社に最適な措……
60歳定年退職の社員から「65歳まで雇用される権利がある」と主張された場合、どう対応すべきですか。
この記事の結論
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高年法9条は65歳未満の定年を定める会社に定年引上げ・継続雇用制度導入・定年廃止のいずれかを義務付ける
実務上は継続雇用制度(再雇用)を選択する会社が多く、労働条件は正社員時代と同一である必要はありません。
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違反は行政指導の対象となるが、直ちに社員に65歳までの雇用請求権が発生するわけではない
ただし法令違……
会社の定年年齢には、高年齢者雇用安定法上どのような制限がありますか。
この記事の結論
1
定年は原則として60歳を下回ることができない(高年法8条)
60歳未満の定年を就業規則に定めても無効となります。特別な職種についてのみ例外があります。
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65歳未満の定年を定める会社は、定年引上げ・継続雇用制度導入・定年廃止のいずれかが必要(高年法9条)
令和3年4月からは、70歳までの就業機会確保も努力義務……
有期契約社員の雇止めの判断基準は、正社員の解雇と同じですか。
この記事の結論
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雇止めの判断基準は、正社員の解雇と比較すれば緩やかに客観的合理的理由・社会通念上の相当性が認められる
日立メディコ事件・日本航空事件がこの点を示しています。
2
「緩やか」であっても経営者の主観的判断のみでは足りず、客観的証拠の準備が必要
「緩やかだから何を理由にしても大丈夫」という誤解は危険です。
……