ワード:「会社側」

多数組合を脱退し合同労組に加入した社員を、ユニオン・ショップで解雇できますか。

この記事の結論 1 社外の合同労組に加入した社員をユニオン・ショップ協定に基づいて解雇することはできない 締結組合以外の他の労働組合に加入している者について使用者の解雇義務を定めるユニオン・ショップ協定の部分は、民法90条により無効とされます(三井倉庫港運事件最高裁平成元年12月14日第一小法廷判決)。 2 労働者には組合選択の自由……

団体交渉が行き詰まった場合、会社側から打ち切ることはできますか。

この記事の結論 1 交渉が進展する見込みがなくなった場合は打ち切りが可能 労使の主張が対立し、いずれかの譲歩により交渉が進展する見込みがなくなったような場合は、団体交渉を打ち切ることができます(池田電機事件最高裁平成4年2月14日第二小法廷判決)。 2 行き詰まりを組合に確認したうえで打ち切ることが望ましい 「交渉が進展する見込み……

誠実交渉義務とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 形式的な交渉の場に出るだけでは足りない 使用者が労働者の団体交渉権を尊重して誠意をもって団体交渉に当たったとは認められないような場合も、労組法7条2号の団体交渉拒否として不当労働行為になります(カール・ツアイス事件東京地裁平成元年9月22日判決)。 2 誠実交渉義務の内容は①説明、②資料提示、③反論の3つ ①組……

「顕著な事業者性」の有無は、どのように判断しますか。

この記事の結論 1 「顕著な事業者性」は労働者性を消極的に評価する要素 「顕著な事業者性」が認められる場合には、総合判断の結果として労働者性が消極的に解されます。自己の才覚で利得する機会・損益の負担・他人労働力の利用可能性・機材費の負担など6つの観点から判断されます(労使関係法研究会報告書)。 2 一方的に決定された契約による損失・……

「指揮監督下の労務提供・時間的場所的拘束」の有無は、どのように判断しますか。

この記事の結論 1 5つの観点から「指揮監督下の労務提供・時間的場所的拘束」を判断する 「労務供給の態様への詳細な指示」「定期的な報告の要求」「労務供給者の裁量の余地」「出勤や待機等の有無」「実際の拘束の度合い」の5つの観点から判断されます(労使関係法研究会報告書)。 2 「広い意味での」指揮監督であり、労基法上の判断より緩やかに捉……

「業務の依頼に応ずべき関係」の有無は、どのように判断しますか。

この記事の結論 1 3つの観点から「業務の依頼に応ずべき関係」を判断する 「不利益取扱いの可能性」「業務の依頼拒否の可能性」「業務の依頼拒否の実態」の3つの観点から判断されます(労使関係法研究会報告書)。 2 契約上の自由があっても実態上断れない関係にあれば肯定される 契約書上は業務依頼の拒否が債務不履行等を構成しなくても、実態と……

「報酬の労務対価性」の有無は、どのような事情で判断しますか。

この記事の結論 1 2つの観点から「報酬の労務対価性」を判断する 「報酬の労務対価性」(仕事の完成ではなく労務そのものへの対価か)と「報酬の性格」(一定額保証・定期払いがあるか)の2つの観点から考慮される事情を整理します(労使関係法研究会報告書)。 2 出来高給でも直ちに労務対価性は否定されない 報酬が出来高払いであっても、直ちに……

「契約内容の一方的・定型的決定」の有無は、どのような事情で判断しますか。

この記事の結論 1 2つの観点から「契約内容の一方的・定型的決定」を判断する 「一方的な労働条件の決定」と「定型的な契約様式の使用」の2つの観点から考慮される事情を整理します(労使関係法研究会報告書)。 2 個別交渉の余地があるかどうかが中心的な判断ポイント 労務供給者が相手方と個別に交渉して契約内容を変更できる余地が実際にあるか……

「事業組織への組み入れ」の有無は、どのような事情で判断しますか。

この記事の結論 1 4つの観点から「事業組織への組み入れ」を判断する 「契約の目的」「組織への組み入れの状況」「第三者に対する表示」「専属性」の4つの観点から考慮される事情を整理します(労使関係法研究会報告書)。 2 これらの事情がある場合に肯定的に解されるが、ない場合でも直ちに否定されない 以下の各事情は肯定方向の考慮要素ですが……

労組法上の「労働者」に該当するかは、どのような基準で判断しますか。

この記事の結論 1 労組法上の「労働者」は、6つの判断要素を総合的に考慮して判断する 基本的判断要素3つ(①事業組織への組み入れ・②契約内容の一方的決定・③報酬の労務対価性)、補充的判断要素2つ(④業務依頼への応諾関係・⑤指揮監督と時間的場所的拘束)、消極的判断要素1つ(⑥顕著な事業者性)で総合判断します。 2 契約の形式ではなく、……

近時の中労委は、派遣先事業主の使用者性をどう捉えていますか。

この記事の結論 1 派遣先事業主は原則として労組法7条の「使用者」に当たらない 中労委は、労働者派遣法の枠組みに従って行われる派遣の派遣先事業主は、派遣労働者との関係において労組法7条の使用者に該当しないことを原則と捉えています。 2 例外的に使用者性が認められる場合がある ①労働者派遣法の枠組み・派遣契約の基本的事項を逸脱してい……

近時の中労委は、労組法7条の「使用者」の範囲をどう捉えていますか。

この記事の結論 1 中労委はショーワ事件で「使用者性を判断するための一般的な法理」を示した 中央労働委員会は、ショーワ事件平成24年9月19日決定において、労組法7条の「使用者」性を判断するための一般的な法理を示し、以後の事件でも同様の立場を維持しています。 2 「使用者」は雇用主に限定されず、3類型が示されている ①労働契約上の……

不当労働行為(労組法7条)にいう「使用者」は、どのような範囲まで含まれますか。

この記事の結論 1 「使用者」は労働契約上の雇用主が基本だが、それ以外の事業主も含まれ得る 朝日放送事件最高裁判決(平成7年2月28日)は、雇用主以外の事業主であっても、労働者の基本的な労働条件等を雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定できる地位にある場合、その限りで労組法7条の「使用者」に当たると判示しました。 2 ……

不当労働行為(労組法7条)には、どのような種類がありますか。

この記事の結論 1 不当労働行為には4つの類型がある 労組法7条は、①組合員への不利益取扱い(1号)、②正当な理由のない団体交渉拒否(2号)、③支配介入・経費援助(3号)、④申立て等を理由とする不利益取扱い(4号)の4類型を不当労働行為として禁止しています。 2 団体交渉を正当な理由なく拒否することは禁止されている 2号の団体交渉……

合同労組(ユニオン)との団体交渉に臨む際の注意点は何ですか。

この記事の結論 1 「争えばよい」でも「譲歩すれば解決する」でもない 合同労組との団体交渉は、強硬な対立も安易な譲歩も得策ではありません。当該組合の性格・客観的事実関係を正確に把握し、事案に応じた対応が必要です。 2 専門家なしでは不当労働行為でない言動まで萎縮しやすい 弁護士等の専門家がついていないと、不当労働行為ではない言動ま……

団体交渉の近年の傾向は、どうなっていますか。

この記事の結論 1 社外の合同労組(ユニオン)との団体交渉が増えている 近年の団体交渉の特徴として、社内に労働組合がない会社でも、社外の合同労組(ユニオン)から団体交渉を申し入れられるケースが増えています。 2 ユニオンには加入の敷居が低く、誰でも加入できる 合同労組(ユニオン)は、企業の枠を超えた組合です。個人でも容易に加入でき……

労働事件で、民事調停はどのように利用されていますか。

この記事の結論 1 民事調停は話し合いによる解決を図る手続 民事調停では、調停委員の関与のもとで当事者双方が話し合い、合意による解決を目指します。裁判所の判断が示されるわけではなく、双方の合意が前提です。 2 弁護士なし・少額・法的権利が不明確な事案で多く利用される 弁護士が代理人についていない事案、請求金額が少額な事案、法的権利……

労働事件における仮処分とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 仮処分とは、本案判決を待てない事案における裁判所の暫定的処分 仮処分が認められるためには、①被保全権利の存在と②保全の必要性が必要です。労働事件の代表例は解雇事案における賃金仮払仮処分で、訴訟で決着がついていない段階で一定額の仮払金支払が命じられます。 2 賃金仮払仮処分は解雇された労働者が申し立てるケースが多い……

少額訴訟を提起された場合、会社はどう対応すべきですか。

この記事の結論 1 少額訴訟に応じる方法と通常訴訟に移行させる方法の2つがある 早期にざっくりと解決したい場合は少額訴訟に応じて判断してもらうことができます。丁寧な審理を求めたい場合は、答弁書の提出と同時に通常の訴訟手続への移行を申し出ることができます。 2 どちらを選ぶかは事案の内容・証拠の状況による 事実関係が比較的明確で請求……

少額訴訟とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 60万円以内の金銭請求に利用できる簡易な訴訟手続 少額訴訟は、60万円以内の金銭請求事件に限り利用できる簡易な訴訟手続です。原則として1回の口頭弁論で審理が完了し、判決も口頭弁論終結後直ちに言い渡されます。 2 証拠調べは即時に取り調べできるものに限られる 証拠調べの対象は、即時に取り調べることができるものに限……

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