労働問題460 「③報酬の労務対価性」の有無を判断する際には、どのような事情を考慮する必要がありますか。
以下のような事情がある場合に、報酬の労務対価性が肯定的に解されるものと考えるのが一般的です。ただし、これらの事情がない場合でも直ちに報酬の労務対価性が否定されるものではありません(『労使関係法研究会報告書』)。
○報酬の労務対価性
・ 相手方の労務供給者に対する評価に応じた報奨金等、仕事の完成に対する報酬とは異なる要素が加味されている。
・ 時間外手当や休日手当に類するものが支払われている。
・ 報酬が業務量や時間に基づいて算出されている(ただし、出来高給であっても直ちに報酬の労務対価性は否定されない。)。
○報酬の性格
・ 一定額の支払いが保証されている。
・ 報酬が一定期日に、定期的に支払われている。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎