労働問題456 近時の中労委は、労働者派遣における派遣先事業主の使用者性をどのように捉えていますか。

 近時の中労委は、労働者派遣法に基づく派遣先事業主の使用者性に関し、労働者派遣法は、明文の規定は設けていないものの、同法上の枠組みに従って行われる労働者派遣の派遣先事業主については、当該派遣労働者(その属する労働組合)との関係において労組法7条の使用者に該当しないことを原則として立法されたと解するのが相当であるとしています。
 もっとも、原則に対する例外として、例えば、
  労働者派遣が、労働者派遣法の枠組み又は労働者派遣契約で定められた基本的事項を逸脱して行われている場合
  労働者派遣法上、派遣労働者の労働条件や雇用について、一定の責任を負わされたり、義務を課されたりしている場合
については、労働条件や雇用に関する団体交渉等を保障する労組法の趣旨にかんがみ、労組法第7条の使用者性を判断するための一般的な法理のうち、雇用主以外の場合に関する法理(②③)に従い、当該派遣先事業主に労組法7条の使用者性を認める余地があると解するのが相当であるとしています。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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