労働問題459 「②契約内容の一方的・定型的決定」の有無を判断する際には、どのような事情を考慮する必要がありますか。
以下のような事情がある場合に、契約内容の一方的・定型的決定が肯定的に解されるものと考えるのが一般的です。ただし、これらの事情がない場合でも直ちに契約内容の一方的・定型的決定が否定されるものではありません(『労使関係法研究会報告書』)。
○一方的な労働条件の決定
・ 契約締結や更新の際に、労務供給者が相手方と個別に交渉して、労働条件等の契約内容に変更を加える余地が実際にない(ただし、労働時間などに変更を加える余地があっても、それが労働条件のごく一部に限られる場合は契約内容の一方的・定型的決定が否定されるわけではない。)。
・ 労働条件の中核である報酬について、算出基準、算出方法を相手方が決定している。
○定型的な契約様式の使用
・ 相手方と労務供給者との契約に、定型的な契約書式が用いられている。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎