ワード:「残業代」
台風等の不可抗力の事態により社員が遅刻した場合、残業代にはどのように影響しますか?
台風等の不可抗力の事態により社員が遅刻した場合、現実に1日8時間又は1週40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超える労働をさせていない限り、割増賃金(残業代)の支払義務は生じません。
例えば、台風により社員が2時間遅刻し、所定終業時刻後に2時間労働させたとしても、就業規則等で定めたりしていない限り、割増賃金(残業代)の支払義務は生じません。これは、夕刻の台風に備えて労働時間を……
例えば、台風により社員が2時間遅刻し、所定終業時刻後に2時間労働させたとしても、就業規則等で定めたりしていない限り、割増賃金(残業代)の支払義務は生じません。これは、夕刻の台風に備えて労働時間を……
社員が遅刻した場合、残業代にはどのように影響しますか?
時間外割増賃金(残業代)は、原則1日8時間又は1週40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えた労働に対して支払われるべきものですから、就業規則等で定めていない限り、現実に1日8時間又は1週40時間を超える労働をしていない場合には、割増賃金の支払義務は生じません。
例えば、社員が30分遅刻し、その分、所定終業時刻後に30分労働した場合、1日の労働時間は8時間を超えていませんので……
例えば、社員が30分遅刻し、その分、所定終業時刻後に30分労働した場合、1日の労働時間は8時間を超えていませんので……
「労働時間」の概念にはどのようなものがありますか?
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法定労働時間の定義
労働基準法では、労働時間について、1週及び1日の原則的な最長労働時間が定められており、これを法定労働時間といいます。「1週」の上限は40時間、「1日」の上限は8時間となっており、この「1週」とは、日曜日から土曜日までの暦週をいい、「1日」とは、午前0時から午後12時までの暦日をいいます。ただし、2暦日に渡って連続勤務した場合には、それは1勤務として勤務全体が始……
法定休日を含む2日にまたがる勤務をした場合の残業代(割増賃金)の考え方について教えて下さい。
土曜日から日曜日(法定休日)にまたがる勤務の場合
土曜日の午後2時から午後10時までの8時間勤務し、その後も勤務を継続し法定休日である日曜日の午前5時まで勤務した場合を考えてみます。
土曜日の午後2時から午後12時までは法定休日ではありませんので、午後2時から午後10時までの8時間は通常の労働日の労働時間として扱います。午後10時から午後12時までの2時間は、時間外労働時間及び……
土曜日の午後2時から午後12時までは法定休日ではありませんので、午後2時から午後10時までの8時間は通常の労働日の労働時間として扱います。午後10時から午後12時までの2時間は、時間外労働時間及び……
店舗の店長が管理監督者に該当するか否かが問題となった裁判例を教えてください。
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1.事案の紹介
店舗の店長が管理監督者に該当するか否かが問題となった裁判例で代表的なのは、日本マクドナルド事件です(東京地裁平成20年1月28日判決)。本件は、原告であるハンバーガー店の店長が、会社に対して残業代等を請求し、同店長が労働基準法41条2号の管理監督者に該当するか否かが問題となりました。
2.管理監督者該当性の判断基準
原告が管理監督者に当たるといえるためには、……
研修や会社行事の時間は労働時間に該当しますか?
研修について、所定労働時間内に行うべきものである場合は、たとえ所定労働時間外で行われた研修であったとしても、労働時間に該当し、それが法定時間外に行われた場合には、残業代(割増賃金)を支払う必要があります。
所定労働時間内に行うべきものとまではいえない研修については、労働者が使用者の実施する教育に参加することについて就業規則上の制裁などの不利益取扱いによる出席の強制がなく、自由参加……
所定労働時間内に行うべきものとまではいえない研修については、労働者が使用者の実施する教育に参加することについて就業規則上の制裁などの不利益取扱いによる出席の強制がなく、自由参加……
36協定により時間外労働や休日労働をさせる場合、残業代を支払う必要はありますか?
労働基準法37条では、使用者が労働者に対し、時間外労働や休日労働をさせた場合には、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上5割以下の範囲内で命令の定める率以上の率で計算した割増賃金(残業代)を支払わなければならないと定められています。これは強制規定であり、たとえ労使間で残業代を支払わない旨合意したとしても、当該合意は無効となり、残業代を支払わなければなりません。
したがって……
したがって……
どのような手当が除外賃金に当たるのか具体的に教えて下さい。
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1.除外賃金とは
除外賃金とは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいいます。除外賃金に該当するかは、形式や名称ではなく支給された各手当の実質で判断されます。
除外賃金に該当する場合には、残業代を計算する際の基礎賃金には含まれません。 2.家族手当 家族手当は、扶養家族のある者に……
除外賃金に該当する場合には、残業代を計算する際の基礎賃金には含まれません。 2.家族手当 家族手当は、扶養家族のある者に……
残業代算定の基礎とならない賃金にはどのようなものがありますか?
残業代算定の基礎から除外される賃金を、「除外賃金」といいます。
除外賃金は、労基法37条5項により、家族手当、通勤手当、その他厚生労働省で定められる賃金が規定され、これを受けた労基法施行規則21条が、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一か月を超える期間ごとに支払われる賃金を規定しています。ただし、これらの除外賃金の規定は、除外賃金とするものを限定列挙した規程……
除外賃金は、労基法37条5項により、家族手当、通勤手当、その他厚生労働省で定められる賃金が規定され、これを受けた労基法施行規則21条が、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一か月を超える期間ごとに支払われる賃金を規定しています。ただし、これらの除外賃金の規定は、除外賃金とするものを限定列挙した規程……
年俸制の賞与は、除外賃金である「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当しますか。
「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当するためには、あらかじめ支給金額が確定していないことが必要です。
月給制であり賞与の額があらかじめ決まっていないような場合には、賞与として支払われた賃金は「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当します。
これに対して、年俸制では、あらかじめ年俸額を13以上に分割し、そのうち12を各月の給与とし、残りを夏期・冬……
月給制であり賞与の額があらかじめ決まっていないような場合には、賞与として支払われた賃金は「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当します。
これに対して、年俸制では、あらかじめ年俸額を13以上に分割し、そのうち12を各月の給与とし、残りを夏期・冬……
労働者に「課長」「店長」等の肩書きを付ければ残業代を支払わなくてもいいのですか。
通達上、管理監督者にあたるか否かは、資格及び職位の名称にとらわれず、実態に即して判断すべきとされています(昭和63年3月14日基発第150号)。
管理監督者にあたるか否かの具体的な判断要素は、次のとおりです。
① 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有しているか
② 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超……
管理監督者にあたるか否かの具体的な判断要素は、次のとおりです。
① 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有しているか
② 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超……
始業時刻よりも早く出社した時間の賃金を請求する。
労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の明示的または黙示的な指揮命令下に置かれている時間をいい、客観的に定まるものです。
当該時間が労基法上の労働時間と評価されるかのポイントは、始業時刻前に出社して業務を行う必要性があったのかどうか、使用者が始業時刻前に出社するよう明示または黙示に指揮命令していたのかどうかにあります。
この1時間が労働時間であると認定された場合に……
当該時間が労基法上の労働時間と評価されるかのポイントは、始業時刻前に出社して業務を行う必要性があったのかどうか、使用者が始業時刻前に出社するよう明示または黙示に指揮命令していたのかどうかにあります。
この1時間が労働時間であると認定された場合に……
時間外労働が発生した翌日に、時間外労働に係る時間分だけ労働時間を短縮すれば、残業代を支払わなくてもいいですよね?
たとえば、ある労働日に1時間時間外労働したため、その翌日に、所定労働時間よりも1時間早く帰らせ残業代を支払わない方法や、割増の25%部分のみ支払い、100%部分は代休を取得させて相殺させるという方法が問題となることがあります。
労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……
労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……
勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。
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勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方
勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……
研修に要した時間の賃金を請求する。
労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、客観的に定まるものです。
したがって、客観的にみて労働者が使用者の指揮命令下に置かれた状態で研修をしている場合には当該時間は労働時間になり、所定労働時間を超えている場合は残業代を支払う必要があります。
研修をした時間が労働時間に該当するかについて、平成29年1月20日付けで厚生労働省が公表……
したがって、客観的にみて労働者が使用者の指揮命令下に置かれた状態で研修をしている場合には当該時間は労働時間になり、所定労働時間を超えている場合は残業代を支払う必要があります。
研修をした時間が労働時間に該当するかについて、平成29年1月20日付けで厚生労働省が公表……
定額残業代の最近の裁判例を教えてください。
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1.X社事件 東京高裁平成28年1月27日判決
36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。
2.アクティリンク事件 東京地裁平成24年8月28日判決
周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業代の……
定額残業代が適法となる要件について教えてください。
定額残業代制とは、法律に明文規定はありませんが、法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、あらかじめ定額の手当等の名目で支給する制度で、「固定残業代」、「みなし割増賃金」ということもあります。
労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……
労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……
労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか?
労基法の定める割増率は、次のとおりです。この割増率は労基法が定める最低基準ですから、これを下回る定めを置いたとしても無効です。これを超える割増率を定めている場合には、その定めに従った割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。
1 時間外労働時間
① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
……
① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
……
月給制の時間単価の計算方法を教えてください。
月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……
1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……
残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?
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使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。
1.法定時間外労働時間
①法定時間外労働時間
1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は、残業代(……