ワード:「残業代」

持ち帰り残業の時間は労働時間になるか?【会社側弁護士が解説】

「社員が仕事を自宅に持ち帰って行った場合、その時間分の残業代を支払わなければならないのか」——多くの会社経営者が抱えるこの疑問。持ち帰り残業の時間が労働時間に該当するかどうかは、会社が業務を持ち帰るよう指示・黙示的に認容していたかどうかによって異なります。 労基法上の「労働時間」とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。「自宅で行った作業」であっても、使用者の明示的・黙示的な業務命令……

研修・会社行事の時間は労働時間になるか?【会社側弁護士が解説】

「研修に参加させたが、これは労働時間に含まれるのか」「休日に社内行事を実施したが、割増賃金を払う必要があるのか」——こうした疑問を抱える会社経営者・人事担当者は少なくありません。研修や会社行事の時間は、その実態によって労働時間に該当するかどうかが異なります。 労基法上の「労働時間」とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。「研修」「行事」という名称や「任意参加」という建前があっても、……

出張中の移動時間は労働時間になるか?【会社側弁護士が解説】

 「休日に出張先へ移動させたので休日割増賃金が必要ですか?」——出張中の移動時間と労働時間の関係は、会社経営者が誤解しやすいテーマです。原則として出張移動時間は労働時間に当たりませんが、例外もあります。  判断基準は「指揮命令下にあるか」「自由利用が保障されているか」です。出張に関連しているからといって、移動時間全てが労働時間になるわけではありません。  本記事では、会社側専門弁護士の視点から……

通勤・取引先への移動時間は労働時間になるか?【会社側弁護士が解説】

 「取引先への移動時間も労働時間ですか?」——この質問は、会社経営者から頻繁に受けるご相談の一つです。通勤時間・直行直帰の移動時間・職場から取引先への移動時間では、労働時間該当性の判断が異なります。この区別を誤ると、未払残業代請求につながります。  判断の核心は「指揮命令下にあるか」「自由に利用できるか」です。形式(移動しているかどうか)ではなく、実態(業務上の拘束があるか)で判断されます。 ……

手待時間は労働時間になるか?休憩時間との境界線【会社側弁護士が解説】

 「休憩時間として扱っているのに残業代を請求された」——手待時間を巡るトラブルは、会社経営者にとって想定外の多額請求につながりかねない問題です。労働基準法上、手待時間は原則として労働時間に該当します。  手待時間と休憩時間の区別の核心は、労働者が業務から解放されているかどうかです。「何もしていない=休憩」という理解は法律上通用しません。実態として指揮命令下に置かれていれば、それは手待時間です。 ……

労基法上の「労働時間」と指揮命令下の判断基準【会社側弁護士が解説】

 「命令していないから残業代は不要だ」——この考え方は、残業代トラブルの大きなリスクを抱えています。労働基準法上の「労働時間」は、会社が明示的に業務を命じた時間だけでなく、労働者が使用者の「指揮命令下」に置かれていた時間全体を指します。  この判断は客観的に行われます。就業規則で「この時間は労働時間ではない」と定めていても、実態として指揮命令下にあれば労働時間として評価されます。「形式よりも実態……

36協定を締結しても残業代は不要にならない【会社側弁護士が解説】

 「36協定を締結しているから残業代を払わなくてよい」——この誤解は、残業代トラブルの最も多い原因の一つです。36協定(時間外・休日労働に関する協定)は、時間外労働・休日労働を命じることを適法にするための手続に過ぎず、割増賃金の支払義務を免除するものでは一切ありません。  会社経営者として、36協定と割増賃金は全く別の問題であることを正確に理解しておく必要があります。この区別を誤ると、退職後も含……

除外賃金に当たる手当の要件と具体例【会社側弁護士が解説】

 残業代(割増賃金)の算定基礎から除外できる賃金は、法律上限定的に列挙されており、会社が任意に除外範囲を広げることはできません。各手当が除外賃金に該当するかどうかは、その名称ではなく、実際の支給実態によって判断されます。  「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」と名付けていれば除外できる、という理解は誤りです。実務では、支給趣旨・支給対象・算定基準が除外賃金の要件を満たしているかが厳しく問われます……

残業代算定の基礎とならない除外賃金【会社側弁護士が解説】

 残業代を計算する際、どの賃金を算定の基礎に含めるかは、未払残業代トラブルの核心部分です。「手当だから除外できる」「就業規則に除外と書いてある」という理解で運用していると、後日、多額の未払残業代を請求されるリスクがあります。  残業代算定の基礎から除外できる賃金は、労働基準法および施行規則により、限定的に列挙されています。会社が任意に除外範囲を広げることは認められておらず、この点の誤解が残業代紛……

年俸制の賞与は割増賃金の除外賃金になるか【会社側弁護士が解説】

解説動画 [youtube]Js5Oxx7HyhI[/youtube]  年俸制を採用している会社では、「賞与を残業代(割増賃金)の計算基礎から外せるか」という問題が生じることがあります。賞与が割増賃金の算定基礎から除外できれば残業代コストを抑えられると考える経営者は少なくありませんが、年俸制の場合、その扱いは月給制とは異なります。  制度設計を誤ると、後日に多額の未払い残業代を請求……

時間外労働が発生した翌日に、時間外労働に係る時間分だけ労働時間を短縮すれば、残業代を支払わなくてもいいですよね?

 たとえば、ある労働日に1時間時間外労働したため、その翌日に、所定労働時間よりも1時間早く帰らせ残業代を支払わない方法や、割増の25%部分のみ支払い、100%部分は代休を取得させて相殺させるという方法が問題となることがあります。
 労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……

始業前の朝礼は「残業代」が必要?労働時間になる判断基準と未払リスクを弁護士が解説

この記事の結論 朝礼は「労働時間」になる可能性が高い 朝礼が「会社の指揮命令下」にあると判断されれば、たとえ5分であっても労働時間(残業代の支払い対象)となります。 労働時間になる: 参加が義務、不参加で評価が下がる、業務指示や点呼がある 労働時間にならない: 完全に自由参加、不参加でも一切不利益がない、単なる雑談 💡 経営上の最大のリスク回避策は「朝礼を始……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方  勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

[toc]  1.X社事件 東京高裁平成28年1月27日判決  36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。 2.アクティリンク事件 東京地裁平成24年8月28日判決  周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業代の……

定額残業代が適法となる要件について教えてください。

 定額残業代制とは、法律に明文規定はありませんが、法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、あらかじめ定額の手当等の名目で支給する制度で、「固定残業代」、「みなし割増賃金」ということもあります。
 労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……

労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか?

 労基法の定める割増率は、次のとおりです。この割増率は労基法が定める最低基準ですから、これを下回る定めを置いたとしても無効です。これを超える割増率を定めている場合には、その定めに従った割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。 1 時間外労働時間
 ① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
 ② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
 ……

月給制の時間単価の計算方法を教えてください。

 月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
 1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
 1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?

[toc]  使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。 1.法定時間外労働時間 ①法定時間外労働時間  1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は、残業代(……

残業代の消滅時効が中断されるのはどのような場合ですか?

 労基法は、残業代の消滅時効期間を,当面の間は3年(2020年3月31日までの給料日に支払われるべき残業代は2年)と定めており、これ以外については民法の一般原則によることになります。
 民法147条では、
① 請求
② 差押え、仮差押え及び仮処分
③ 承認
を時効中断事由として規定するほか、民法153条では、
④ ……

残業代の消滅時効期間の起算点を教えて下さい。

 消滅時効期間の起算点は、各賃金支払日の翌日です(「類型別 労働関係訴訟の実務 改訂版 Ⅰ」262頁参照)。
 民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時、つまり、一般的には給料日がこれに当たり、残業代の消滅時効は、給料日の翌日からカウントすることになります。就業規則などにおいて、所定内賃金の支給……

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