ワード:「残業代」

所定労働時間が7時間45分の会社における残業時間の計算方法を教えて下さい。

 所定労働時間が7時間45分の企業で7時間45分を超えて残業させた場合,7時間45分から8時間までの15分間は法内時間外労働時間(以下法内残業)であり,8時間を超えた法定時間外労働時間とは区別して残業代を計算する必要があります。
 たとえば,所定労働時間が7時間45分,法定休日日曜日の企業で,月曜日から金曜日まで毎日10時間,土曜日に9時間働いた場合の法内残業及び時間外労働時間は次の……

当社の所定労働時間は8時間です。始業時刻に30分遅刻した労働者が終業時刻後30分労働した場合,残業代を支払う必要はありますか。

 残業代を支払う必要があるのは,法定労働時間(1日8時間,1週40時間)を超えて労働をした場合であり,ここでいう労働時間とは実労働時間のことをいいます。
 ご質問のケースの場合,実労働時間は8時間であり,法定労働時間を超えていませんので,就業規則等で規定していない限り,時間外割増賃金を支払う必要はありません。

所定労働時間が7時間の会社で8時間働いた場合,1時間分の割増賃金を支払う必要がありますか。

 割増賃金を支払う必要があるのは,1日8時間,1週40時間を超えて労働させた場合です。
 質問の1時間の労働は8時間以内の労働のため,当該時間が1週40時間を超えていない限り,割増賃金を支払う必要はありません。 
 しかし,貴社の場合,労働契約に基づく賃金支払対象は7時間ですので,賃金支払対象となっていない1時間(法内残業)については,就業規則等により定めがある場合には……

年俸制の労働者に対して割増賃金を支払う必要はありますか?

 年俸制の労働者であっても,管理監督者や裁量労働者でない限り,割増賃金(残業代)を支払う必要があります。
 年俸制労働者の残業代の計算方法は,例えば,以下のものがあります。 [モデルケース]
・年俸480万円(月額30万円,賞与年1回120万円で契約。)
・一月平均所定労働時間数160時間
・当月の時間外労働時間22時間  固定されている……

残業代(割増賃金)は何年分の請求がなされるのですか?

 割増賃金請求権は,当該割増賃金の支払われるべき賃金支払日から起算して2年で消滅時効にかかりますので,2年以上勤務していた労働者からの残業代請求は,通常,直近2年分の残業代が請求されます。
 また,不法行為による損害賠償請求権として未払賃金相当額が請求される場合があります。不法行為の時効は3年ですので,3年以上勤務していた労働者から3年分の未払賃金の請求がなされることが考えられます。……

1か月における残業時間の合計に1時間未満の端数がある場合には,30分未満を切り捨てた上で,当該時間分の残業代を支払わなくて良いのですか。

 残業時間の端数を切り捨てて当該時間分の残業代を支払わなくて良いことにはならず,残業代は1分単位で支払わなければなりません。
 通達には,1か月における残業時間の合計に1時間未満の端数がある場合には,30分未満を切り捨て,それ以上を1時間に切り上げる処理をしても,労基法違反としては取り扱わないというものがありますが,使用者のなかには,この通達について30分未満を切り捨てた時間分は残業……

部長には残業代を支払わなくて良いのですか。

 部長という肩書きであってもそれだけで残業代を支払わなくて良いことにはならず,時間外割増賃金と休日割増賃金の支払を免れるためには労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)に該当しなければなりません。管理監督者に該当したとしても,深夜に労働させた場合には深夜割増賃金を支払う必要があります。  管理監督者といえるかどうかは,
① 職務内容,権限および責任の重……

定額残業代を支払う場合,どのようにすれば良いですか。

 定額残業代が割増賃金の支払として有効と認められるためには,
①定額残業代とそうでない部分とが明確に区分されていること(明確区分性)
②割増賃金の対価という趣旨で支払われていること(対価性)
が認められる必要があります。  明確区分性の有無について,割増賃金の種類及び時間数を決めた上で,当該時間数の対価がいくらになるのか(通常1円単位になるはずです。)を……

パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態は,どのようなものですか。

 パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態には,以下のような傾向があります。
 ① パワハラ・セクハラを不満に思い,公的機関などに相談している労働者の数は多いが,パワハラ・セクハラを理由とした損害賠償請求がメインの訴訟,労働審判はあまり多くなく,解雇無効を理由とした地位確認請求,残業代請求等に付随して,損害賠償請求がなされることが多い。
 ② 解雇無効を理由とした地位確認請求……

飲食店において,接客担当のスタッフに対し,お客さんがいなかったり自分の担当業務が終わったりしたら休憩していて構わないが,お客さんが入店してきたら自分の担当業務に従事するよう指示している場合,実際に仕事をしていない時間は「休憩時間」(労基法34条)として扱い,実際に担当業務に従事している時間だけを労基法に基づく残業代(割増賃金)計算の基礎となる労働時間として扱うことはできますか。

 飲食店において,接客担当のスタッフに対し,お客さんがいなかったり自分の担当業務が終わったりしたら休憩していて構わないが,お客さんが入店してきたら自分の担当業務に従事するよう指示している場合は,実際に仕事をしていない時間も使用者から就労の要求があれば直ちに就労しうる態勢で待機している時間(手待時間)であり,労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間とはいえませんので,「休憩時間」(労……

飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い一番の理由は,飲食業では会社経営者が残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が低いことにあると考えています。飲食業の経営者に残業代(割増賃金)を支払わない理由を聞いてみると,
 「飲食業だから。」
 「昔からそういうやり方でやってきて,問題になったことはない。」
 「飲食業で残業代な……

運送業を営む会社を経営していますが,給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手にはどのように対応すればいいでしょうか。

 運送業を営む会社においては,給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手は珍しくありません。従来,こういった運転手にお金を貸し付けて給料から天引きして返してもらうことが多かったようですが,会社経営者のために労働問題を扱っている弁護士の目から見てあまりお勧めできません。
 一般論として,「友達にはお金を貸してはいけない。」「友達にお金を貸したら,友達ではなくな……

運送業を営む会社を経営していますが,休日なしで長時間働いてお金を稼ぎたいと言ってくる運転手にはどのように対応すればいいでしょうか。

 運送業を営む会社を経営していると,休まずにもっと働いてお金を稼ぎたい,働かせてくれなければ辞めて他の会社に転職する,などと言って来る運転手がいることに気づくことと思います。
 たくさん働きたいという意欲は素晴らしいのかもしれませんが,使用者には運転手の健康に配慮する義務(労契法5条)がありますので,本人が望んでいるからといって,恒常的な長時間労働を容認するわけにはいきません。ある……

運送業を営む会社における労働時間管理のポイントを教えて下さい。

 運送業を営む会社の特徴は,トラック運転手が事業場を離れて運転業務に従事する時間が長いため,出社時刻と退社時刻の確認を除けば,現認による勤務状況の確認が事実上不可能な点にあります。したがって,出社時刻と退社時刻の確認をして運転日報等に記録させるのは当然ですが,経営者の目の届かない客先や路上での勤務状況,労働時間の把握が重要となってきます。
 特に問題となりやすいのは休憩時間の把握で……

運送業を営む会社において見逃しがちな残業代(割増賃金)の趣旨を有する賃金を教えて下さい。

 運送業を営む会社においては,基本給は1日当たりいくらといった日当の形で支払われるのが通常です。
 休日労働の対価として「日当」が支払われた場合には,「日当」は通常の労働日の賃金ではありませんので,これを控除して未払残業代(割増賃金)額を算定する必要があります。
 「月給25万円」といった通常の月給制を念頭に置いていると見逃しがちな点ですので,ご注意下さい。 弁護……

運送業を営む会社において,配送手当,長距離手当,業務手当,特別手当等の手当の支払は,残業代(割増賃金)の支払として認められますか。

 運送業を営む会社においては,日当のほか,配送手当,長距離手当,業務手当,特別手当等の手当が支払われていることがあります。これらの手当の支払は,残業代(割増賃金)の支払として認められるのでしょうか。
 まず,配送手当,長距離手当,業務手当,特別手当といった名称の手当は,その日本語の意味を考えた場合,直ちに残業代の支払と評価することはできません。これらの手当が残業代の支払と評価される……

運送業を営む会社において,残業代(割増賃金)の趣旨を有する手当をトラック運転手に支給する際の注意点を教えて下さい。

 運送業を営む会社において,残業代(割増賃金)の趣旨を有する手当をトラック運転手に支給する際の注意点は,大きく分けて
 ① 残業代(割増賃金)の趣旨を有する手当であることを明確にすること
 ② 残業代(割増賃金)とそれ以外の賃金とを明確に判別できるようにすること
の2つです。
 まず,①についてですが,当該手当が残業代(割増賃金)の趣……

運送業を営む会社が残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 運送業のトラック運転手は従来,自営業者意識が濃厚な傾向があり,トラック運転手のそういった傾向に対応して,運送業の会社経営者は残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が希薄な傾向にありました。運送業では,トラック運転手の給料が「1日現場に行って来たら1万○○○○円」といった形で定められている会社が多く,労働者というよりは個人事業主に近い形で労務管理がなされている傾向にあります。昔からそ……

定額(固定)残業代制度導入の手順を教えて下さい。

 定額(固定)残業代制度導入の手順は,以下のとおりです。
 ① 当該業務に通常必要とされる時間外・休日・深夜労働時間等の勤務実態を調査し,調査の経過及び結果を記録に残す。
 ② 調査結果に基づき,何時間分の時間外・休日・深夜労働に対する時間外・休日・深夜割増賃金を定額(固定)残業代として支払う必要があるのかについて協議決定し,記録に残す。
 ③ 「時間外勤務……

使用者と社員が合意することにより,日当を1日12時間勤務したことの対価とすることはできますか。

 所定労働時間を1日12時間とすることはできませんが,「1日12時間勤務したことの対価」の意味が,「1日8時間の所定労働時間内の労働と4時間の時間外労働をしたことの対価」という趣旨であると解釈でき,残業代(割増賃金)に相当する金額が特定されていると評価できるような場合であれば,このような合意も原則として有効と考えられます。ただし,このような合意の仕方は,何時間分の対価として賃金額が定められたの……

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