ワード:「残業代」

労働者に「課長」「店長」等の肩書きを付ければ,残業代を支払わなくてもいいのですか。

 通達上,管理監督者にあたるか否かは,資格及び職位の名称にとらわれず,実態に即して判断するべきとされています(昭和63年3月14日・基発第150号)。
 管理監督者にあたるか否かの具体的な判断要素は,次のとおりです。
① 労働時間,休憩,休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有しているか
② 労働時間,休憩,休日等に関する規制の枠……

始業時刻よりも早く出社した時間の賃金を請求する。

 労基法上の労働時間とは,労働者が使用者の明示的または黙示的な指揮命令下に置かれている時間をいい,客観的に定まるものです。
 当該時間が労基法上の労働時間と評価されるかのポイントは,始業時刻前に出社して業務を行う必要性があったのかどうか,使用者が始業時刻前に出社するよう明示または黙示に指揮命令していたのかどうかにあります。
 この1時間が労働時間であると認定された場合に……

研修に要した時間の賃金を請求する。

 労基法上の労働時間とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,客観的に定まるものです。
 したがって,客観的にみて労働者が使用者の指揮命令下に置かれた状態で研修をしている場合には当該時間は労働時間になり,所定労働時間を超えている場合は残業代を支払う必要があります。
 研修をした時間が労働時間に該当するかについて,平成29年1月20日付けで厚生労働省が公表……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

1.X社事件東京高裁平成28年1月27日判決
 36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。 2.アクティリンク事件東京地裁平成24年8月28日判決
 周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について,「固定残業……

定額残業代が適法となる要件について教えてください。

 定額残業代制とは,法律に明文規定はありませんが,法定時間外労働,法定休日労働,深夜労働に対する割増賃金を,あらかじめ定額の手当等の名目で支給する制度で,「固定残業代」,「みなし割増賃金」ということもあります。  労働基準法上,使用者が義務付けられているのは,法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し,一定額以上の割増賃金を支払うことなので,一定額に相当する割増賃金が支払われる限りは,法所定の……

労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか?

 労基法の定める割増率は,次のとおりです。この割増率は労基法が定める最低基準ですから,これを下回る定めを置いたとしても無効です。これを超える割増率を定めている場合には,その定めに従った割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。 1 時間外労働時間
 ① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
 ② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
 ……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?

 使用者は,労働者に法定時間外労働時間,法定休日労働時間,深夜労働時間に働かせた場合には,残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。 1.法定時間外労働時間
①法定時間外労働時間
 1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業,保健衛生業,接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は……

だらだらと残業する。

1 不必要な残業をしているかの確認
 まずは,当該社員の業務量を調べ,不必要な残業をしているのか,それとも業務量が多いために長時間労働せざるを得ない事情があるのかを確認します。
 社員が不必要な残業をしているにもかかわらずこれを使用者が放置していると,仮に当該社員が過重労働で健康を害したとき又は当該社員が残業代請求をしてきた際に,不必要な残業時間も労働時間と認定され,会……

労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とはどういうものですか?

 労働審判手続は,原則として,3回以内の期日において審理を終結しなければならないものと定められています。したがって,労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とは,権利関係について争いがあり,争点について3回以内の期日で審理を行うことが可能と思われる事件であり,具体的には,争点が比較的単純な解雇事件,未払賃金(残業代等),退職金,解雇予告手当等の支払を求める事件などが考えられます。
……

企画業務型裁量労働制の概要を教えてください。

 企画業務型裁量労働制とは,賃金,労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し,事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする労使委員会が設置された事業場において,当該労使委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により,事業の運営に関する事項についての企画,立案,調査及び分析の業務であって,当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に当該業務……

チェーン店の小売業,飲食業における管理監督者の範囲を教えてください。

 東京地裁の平成20年1月28日の日本マクドナルド事件の判決後,労基法41条1号に該当する管理監督者について,企業は対応に苦慮することになりました。これまで,日本企業の多くが管理職を管理監督者として取り扱う傾向がありましたが,大きな労働問題になったことはありませんでした。しかし,管理監督者の問題は,サービス残業問題も絡んでいることから,行政が厳しく対応するようになり,社会的にも重大な問題になりまし……

労働時間規制の適用が除外される「監視または断続的労働に従事する者」とはどのような労働者ですか?

 労基法では,法定労働時間や休憩・休日に関し,最低限の基準が定められており,それを超えて働かせた場合,割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。その一方で,労基法41条では,次の3種類の労働者について,法定労働時間や休憩・休日の規制の適用除外を認めています。
① 農業,畜産業,養蚕業,水産業に従事する者(林業は含まれません)
② 管理監督者の地位にある者……

サービス残業について厚生労働省が策定した労働時間適正把握の基準とはどういうものですか?

 サービス残業は,時間外労働(法内残業を含む)を行っているにも関わらずそれを労働時間として取り扱わず,その結果として賃金が支払われていないものをいいます。
 たとえば,36協定の締結・届出をしていないものや,36協定の締結・届出はしているがその36協定に定める時間を超えた時間外労働を行っているものもありますし,労働時間の管理を全くしていないものさえあります。
 近年のサ……

時給制,日給制,週給制,月給制,請負給制における割増賃金(残業代)算定のための1時間あたりの賃金単価の計算式を教えてください。

① 時給制
 その1時間あたりの金額 ②日給制
 日給÷1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なるときは1週間における1日平均所定労働時間数) ③ 週給制
 週給÷週の所定労働時間数(週によって所定労働時間数が異なるときは4週間における1週平均所定労働時間数) ④ 月給制
 月給÷月の所定労働時間数(月によって所定労働時間数……

労働時間の管理について労基法では何も定めてられていないにも関わらず,なぜ使用者が労働時間を管理しなければいけないのですか?

 使用者には,法定の労働時間を遵守する義務があり,時間外労働・休日労働を行わせる場合には,36協定を締結し,所轄労働基準監督署長に提出しなければならず,時間外労働・休日労働・深夜労働をさせた場合には,使用者は,割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。
 さらに,労基法108条では,使用者は「各事業場ごとに賃金台帳を調製し,賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他命令で定める事……

実労働時間主義とはどういうものですか?

 実労働時間主義とは,時間外労働の取扱いの基準を,実際の労働時間に置く考え方のことをいいます。
 労基法は,1週40時間,1日8時間の法定労働時間制を定めていますが,これは,労働者が実際に使用者に労務を提供した時間である「実労働時間」を意味しています。
 したがって,始業時刻に遅刻したり,早退したりした場合には,その時間は労働時間と評価できないことになります。たとえば始……

事業場外労働のみなし労働時間制を適用するにあたっての注意点を教えてください。

 事業場外労働のみなし労働時間制を適用したとしても,時間外・休日・深夜に労働させれば,時間外・休日・深夜割増賃金(残業代)の支払が必要なことに変わりありません。
 所定労働時間内に事業場外労働が終わらない場合は,当該業務の遂行に通常必要とされる時間(例えば10時間といった時間)労働したものとみなされ,使用者には,みなされた労働時間に基づき算定された時間外割増賃金(残業代)を支払う義務……

定額残業代制とはどのような制度ですか?

 定額残業代制とは,一定の金額により残業代(時間外割増賃金,休日割増賃金,深夜割増賃金)を支払うことをいいます。定額残業代制は固定残業代制とも呼ばれ,実際の時間外労働の有無を問わずに支払うのが一般的です。
 定額残業代制が認められるためには,①賃金の中に割増賃金(残業代)に代わる定額残業代が含まれていることを,合意書または就業規則等により明確にしておくこと,②定額残業代と他の賃金が判……

労働時間規制の適用除外について,どのようなことが問題になりやすいですか?

 労働基準法41条では,次の3種類の労働者について,法定労働時間や休憩・休日の規制の適用除外を認めています。
①農業,畜産業,養蚕業,水産業に従事する者(林業は含まれません)
②管理監督者の地位にある者または機密の事務を取り扱う者
③監視または断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けた者
 ところが,②の管理監督者の意味を誤解し……

労基法上の労働時間規制の適用除外者とは,どのような社員のことをいうのですか?

1.労働時間規制の適用除外者とは
 労基法では,法定労働時間や休憩・休日に関し,最低限の基準が定められており,それを超えて働かせた場合,割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。その一方で,労基法41条では,次の3種類の労働者について,法定労働時間や休憩・休日の規制の適用除外を認めています。
①農業,畜産業,養蚕業,水産業に従事する者(林業は含まれません……

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