ワード:「残業代請求された」
遅刻した日の残業代はどうなるか【会社側弁護士が解説】
「遅刻した社員がその分残業した場合、残業代を払わなければならないのか」——これは中小企業の経営者が実際に直面する疑問の一つです。結論から言えば、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えない限り、残業代の支払義務はありません。ただし、就業規則の定め方次第でルールが変わるため、正確な理解が重要です。
本記事では、遅刻した日の残業代計算の考え方と、会社として整備しておくべき就業規則のポイントを……
労働時間の概念を整理(法定・所定・実労働・時間外)【会社側弁護士が解説】
「残業代は何時間から発生するか」「所定労働時間と法定労働時間は何が違うか」——こうした質問は、残業代トラブルが表面化した際に会社側が最初に直面する疑問です。労働時間の概念を正確に整理しておくことは、残業代請求への適切な対応や、就業規則・労務管理の適正化において欠かせない知識です。
本記事では、法定労働時間・所定労働時間・実労働時間・時間外労働の概念を、使用者側専門の弁護士が経営者・人事担当者……
法定休日をまたぐ勤務の残業代はどう考える?―2日にまたがる勤務の割増賃金の整理方法
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1. 法定休日をまたぐ勤務に関する基本的な考え方
法定休日を含む2日にまたがる勤務については、割増賃金の考え方を誤解しているケースが少なくありません。特に、「連続して勤務しているのだから一律に休日労働になる」といった理解は、実務上の誤りとなります。
労働基準法において、法定休日は暦日、すなわち午前0時から午後12時までの24時間で判断されます。そのため、勤務が日をまたいで連続……
店舗の店長が管理監督者に該当するかが問題になった裁判例【会社側弁護士が解説】
店舗の店長・施設責任者が「管理監督者」に該当するかどうかは、残業代請求の有無を左右する重大な問題です。管理監督者に該当する場合は労働基準法上の労働時間・休憩・休日規制が適用されず、時間外・休日労働に対する割増賃金の支払いが不要となります(深夜割増は別途必要)。しかし、「管理職」という名称や役職だけでは管理監督者とはいえず、実態に即した判断が必要です。
この問題を社会的に広く知らしめたのが、日……
研修・会社行事の時間は労働時間になるか?【会社側弁護士が解説】
「研修に参加させたが、これは労働時間に含まれるのか」「休日に社内行事を実施したが、割増賃金を払う必要があるのか」——こうした疑問を抱える会社経営者・人事担当者は少なくありません。研修や会社行事の時間は、その実態によって労働時間に該当するかどうかが異なります。
労基法上の「労働時間」とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。「研修」「行事」という名称や「任意参加」という建前があっても、……
36協定を締結しても残業代は不要にならない【会社側弁護士が解説】
「36協定を締結しているから残業代を払わなくてよい」——この誤解は、残業代トラブルの最も多い原因の一つです。36協定(時間外・休日労働に関する協定)は、時間外労働・休日労働を命じることを適法にするための手続に過ぎず、割増賃金の支払義務を免除するものでは一切ありません。
会社経営者として、36協定と割増賃金は全く別の問題であることを正確に理解しておく必要があります。この区別を誤ると、退職後も含……
除外賃金に当たる手当の要件と具体例【会社側弁護士が解説】
残業代(割増賃金)の算定基礎から除外できる賃金は、法律上限定的に列挙されており、会社が任意に除外範囲を広げることはできません。各手当が除外賃金に該当するかどうかは、その名称ではなく、実際の支給実態によって判断されます。
「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」と名付けていれば除外できる、という理解は誤りです。実務では、支給趣旨・支給対象・算定基準が除外賃金の要件を満たしているかが厳しく問われます……
残業代算定の基礎とならない除外賃金【会社側弁護士が解説】
残業代を計算する際、どの賃金を算定の基礎に含めるかは、未払残業代トラブルの核心部分です。「手当だから除外できる」「就業規則に除外と書いてある」という理解で運用していると、後日、多額の未払残業代を請求されるリスクがあります。
残業代算定の基礎から除外できる賃金は、労働基準法および施行規則により、限定的に列挙されています。会社が任意に除外範囲を広げることは認められておらず、この点の誤解が残業代紛……
休憩時間を分割して与える場合の注意点【会社側弁護士が解説】
会社が従業員の休憩時間を分割して与えることは法律上認められていますが、その分割の仕方によっては法律違反や賃金支払義務が発生するリスクがあります。休憩時間の設計を誤ると、労働基準監督署の是正指導や、残業代請求の根拠となる「手待時間」認定につながる可能性があります。
従業員数が増えるほど、休憩時間の管理は複雑になります。実務上の安全な運用方法を理解しておくことは、会社の労務リスク管理にとって……
年俸制の賞与は割増賃金の除外賃金になるか【会社側弁護士が解説】
解説動画
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年俸制を採用している会社では、「賞与を残業代(割増賃金)の計算基礎から外せるか」という問題が生じることがあります。賞与が割増賃金の算定基礎から除外できれば残業代コストを抑えられると考える経営者は少なくありませんが、年俸制の場合、その扱いは月給制とは異なります。
制度設計を誤ると、後日に多額の未払い残業代を請求……
時間外労働が発生した翌日に、時間外労働に係る時間分だけ労働時間を短縮すれば、残業代を支払わなくてもいいですよね?
たとえば、ある労働日に1時間時間外労働したため、その翌日に、所定労働時間よりも1時間早く帰らせ残業代を支払わない方法や、割増の25%部分のみ支払い、100%部分は代休を取得させて相殺させるという方法が問題となることがあります。
労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……
労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……
労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、どのように対応すればいいですか?
労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。
解雇理由証明書に記載する解雇の理由は具体的に示さなければならず、就業規則の該当条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を記入しなければなりません。ただし、解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはなりませんので、例えば、労働者が解雇事実……
解雇理由証明書に記載する解雇の理由は具体的に示さなければならず、就業規則の該当条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を記入しなければなりません。ただし、解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはなりませんので、例えば、労働者が解雇事実……
定額残業代の最近の裁判例を教えてください。
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1.X社事件 東京高裁平成28年1月27日判決
36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。
2.アクティリンク事件 東京地裁平成24年8月28日判決
周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業代の……
定額残業代が適法となる要件について教えてください。
定額残業代制とは、法律に明文規定はありませんが、法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、あらかじめ定額の手当等の名目で支給する制度で、「固定残業代」、「みなし割増賃金」ということもあります。
労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……
労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……
労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか?
労基法の定める割増率は、次のとおりです。この割増率は労基法が定める最低基準ですから、これを下回る定めを置いたとしても無効です。これを超える割増率を定めている場合には、その定めに従った割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。
1 時間外労働時間
① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
……
① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
……
月給制の時間単価の計算方法を教えてください。
月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……
1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……
残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?
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使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。
1.法定時間外労働時間
①法定時間外労働時間
1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は、残業代(……
残業代の消滅時効が中断されるのはどのような場合ですか?
労基法は、残業代の消滅時効期間を,当面の間は3年(2020年3月31日までの給料日に支払われるべき残業代は2年)と定めており、これ以外については民法の一般原則によることになります。
民法147条では、
① 請求
② 差押え、仮差押え及び仮処分
③ 承認
を時効中断事由として規定するほか、民法153条では、
④ ……
民法147条では、
① 請求
② 差押え、仮差押え及び仮処分
③ 承認
を時効中断事由として規定するほか、民法153条では、
④ ……
残業代の消滅時効期間の起算点を教えて下さい。
消滅時効期間の起算点は、各賃金支払日の翌日です(「類型別 労働関係訴訟の実務 改訂版 Ⅰ」262頁参照)。
民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時、つまり、一般的には給料日がこれに当たり、残業代の消滅時効は、給料日の翌日からカウントすることになります。就業規則などにおいて、所定内賃金の支給……
民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時、つまり、一般的には給料日がこれに当たり、残業代の消滅時効は、給料日の翌日からカウントすることになります。就業規則などにおいて、所定内賃金の支給……
賃金の時効について、民法では1年、労基法では2年と定められているようですが、どちらが適用されますか?
賃金の時効について、民法174条では、「月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権」は、1年間これを行使しないことにより時効により消滅すると規定されています。しかし、労基法は、労働者の賃金の消滅時効が1年では労働者保護に欠けるとして、賃金の消滅時効期間を2年とました(労基法115条)。
労基法の規定は民法の規定の特別規程に該当しますので、この場合、労基法の時効が優……
労基法の規定は民法の規定の特別規程に該当しますので、この場合、労基法の時効が優……