労働問題799 労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、どのように対応すればよいですか。
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請求があれば、使用者は遅滞なく交付しなければならない 労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。 |
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請求されていない内容は記載してはならない 解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはならず、労働者が解雇事実についてのみ請求してきた場合には、解雇の理由を記載してはなりません。 |
従業員を解雇した後、労働者から解雇理由証明書の発行を求められることがあります。この対応を誤ると、後の紛争において不利な証拠になりかねないため、正確な理解が必要です。
会社側専門の弁護士の立場から、解雇理由証明書の請求への対応方法を解説します。
01解雇理由証明書の交付義務
労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。この交付義務は、労働者が解雇の理由を正確に把握し、必要に応じて解雇の有効性を争うための材料を得られるようにする趣旨に基づくものです。
02記載すべき内容の具体性
解雇理由証明書に記載する解雇の理由は具体的に示さなければならず、就業規則の該当条項の内容および当該条項に該当するに至った事実関係を記入しなければなりません。「就業規則第○条に該当するため」とだけ記載し、具体的な事実関係を書かないような証明書では、法律上求められる具体性を満たさない可能性があります。
03請求範囲を超える記載の禁止
ただし、解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはなりません。たとえば、労働者が解雇事実についてのみ解雇理由証明書の請求をしてきた場合には、使用者は解雇の理由を記載してはならないということです。労働者の請求範囲を超えて、会社が任意に情報を追記することは許されていません。
04会社側が押さえておくべき視点
解雇理由証明書は、後に労働審判や訴訟などで、解雇の適法性を争う重要な証拠として用いられます。証明書に記載した理由と、実際の紛争で主張する解雇理由に食い違いがあると、会社側の主張の一貫性が疑われ、不利な材料になりかねません。証明書を作成する際には、就業規則の該当条項と、それに該当するに至った具体的な事実関係を、正確かつ一貫性を持って記載することが重要です。
また、労働者が具体的にどの範囲の証明書を請求しているのかを正確に確認し、請求範囲を超えた記載をしないよう注意する必要があります。解雇の理由まで請求されているのか、解雇の事実のみの証明を求めているのかによって、記載すべき内容が変わってきます。
05よくある質問(FAQ)
Q. 解雇理由証明書は、いつまでに交付する必要がありますか。
労働者から請求された場合、遅滞なく交付する必要があります。明確な日数の定めはありませんが、速やかな対応が求められます。
Q. 「就業規則第○条に該当するため」とだけ書けば十分ですか。
十分ではありません。就業規則の該当条項の内容と、当該条項に該当するに至った具体的な事実関係を記入する必要があります。
Q. 労働者が解雇の事実だけを証明してほしいと言ってきた場合、理由も書いてよいですか。
書いてはいけません。請求していない内容を記載することは認められておらず、解雇事実のみの請求であれば、解雇理由を記載してはなりません。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。解雇理由証明書の作成でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日