労働問題863 退職後についても競業避止義務を課すことはできますか。

 退職後の競業避止義務は、(労働契約が終了した)退職後についてまで職業選択の自由を制限するもののため、認められる場面が制限されます。退職後についてまで競業避止義務を課すことが、労働者の職業選択の自由を制限することになってもなお正当化できるような場合についてのみ、法的効力が認められます。
 退職後の競業避止義務の有効性を判断するに当たり考慮される要素としては、在職時における労働者の地位(企業秘密を扱うような者であったか)、保護される使用者の利益(企業秘密の内容、重要性の程度)、競業避止の期間・範囲(職業選択の自由に対する過度の制約となっていないか)などが考えられます。
 退職後の競業避止義務を課す場合には、就業規則に退職後の競業避止義務に関する規定を設けて周知させるだけでなく、退職時に誓約書の提出を求めることをお勧めします。誓約書を取得しておいた方が退職後の競業避止義務がやや有効と評価されやすくなることはもちろんですが、事実上の話としても、退職する労働者に競業避止義務を遵守してもらいやすくなります。

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