Q863 労働者が退職した後に競業避止義務を課すことはできますか。

 退職後の競業避止義務は,労働者が特定の職に就くことを禁止するものであり,職業選択の自由という憲法上の権利と対立するものですから,一般的に許容されにくい面があります。しかし,労働者が競業他社に就職し,使用者の企業秘密等を流出させた場合,労働者の秘密保持義務が侵害される上に,使用者が致命的な損害を受けることになります。
 労働者の職業選択の自由を侵害しないといえる合理的理由があれば,退職後に競業避止義務を課すことは可能であると考えます。
 個々の競業避止義務違反の事案でポイントとなるのは,労働者の地位(企業秘密を扱うような者であったか),保護される使用者の利益(企業秘密の内容,取引先等が会社にとって重要なものか),競業避止の期間・場所等(例えば,10年以上等の長い期間禁止していないか,関東全域での競業を禁止する等広い範囲で競業を禁止していないか)という点です。
 競業避止義務を課そうとする場合には,就業規則に規定を設けるだけでなく,退職時に労働者との間で合意書を交わすのが望ましいです。


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