ワード:「就業規則」

退職勧奨時に有給休暇の買い上げはできますか。

この記事の結論 1 事前買い上げは原則禁止だが、退職時の未消化分の買い上げは例外的に許容される 有給休暇の事前買い上げは労基法39条の趣旨に反し、合意があっても労基法13条により無効です。しかし退職後は取得機会が失われるため、退職時の清算は労働者にとって利益になります。 2 退職合意書への明記と合理的な単価設定が紛争防止の鍵 法定……

有期労働契約で途中退職は防げますか。

この記事の結論 1 有期契約でも途中退職を一律に防止することはできない。民法628条の「やむを得ない事由」 民法628条により、やむを得ない事由がある場合は即時退職が可能です。「有期契約だから途中退職できない」という理解は法的に不正確です。 2 1年超の有期契約は、労基法137条により1年経過後にいつでも退職可能 3年契約でも1年……

正社員が一方的に退職宣言して出社しない場合、会社はどう対応すればよいですか。

この記事の結論 1 「承認しなければ辞められない」は誤り。民法627条で到達から2週間で退職が成立する 期間の定めのない労働契約では、退職の意思表示が会社に到達してから2週間が経過すれば、会社の承認なく労働契約は終了します。受理拒否では退職を止められません。 2 就業規則の「1か月前申出」規定は、2週間ルールを覆せない可能性がある ……

ソーシャルメディアに問題映像を投稿した社員を懲戒解雇する際の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 「投稿が判明した以上、即懲戒解雇できる」は誤り。労契法15条の二要件を満たす必要がある 就業規則に懲戒事由が定められていても、それだけで正当化されるわけではありません。投稿内容・拡散規模・実害の程度・投稿者の職務上の立場・SNSガイドラインの整備状況が総合的に考慮されます。 2 懲戒処分は原則として段階的に。……

会社に無断でアルバイトした社員を解雇することはできますか。

この記事の結論 1 就業規則の兼業禁止規定が前提。それだけでは解雇はもちろん重い処分も難しい 就業時間外の行動は自由が原則で、兼業を禁止するには就業規則に規定を置いておく必要があります。規定に違反しているというだけでは、解雇どころか重い懲戒処分も難しいのが実情です。 2 業務への支障・名誉信用毀損・競業のいずれかが必要。段階的な対応……

業務上のミスが多く、改善の見込みがない社員を解雇する際の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 業務ミス解雇は「裁判官が証拠で判断できること」が必要。単なる見込み違いでは認められない 長期雇用を予定した新卒採用者は例外的な場合でない限り認められにくく、地位・職種を特定して採用された社員は比較的認められやすい傾向があります。 2 何月何日にどのミスで会社にどのような損害が生じたかを、当時の客観的証拠で示せるこ……

勤務態度が悪い問題社員を解雇する際に考慮すべき点について教えてください。

この記事の結論 1 有効性は4要件で判断される。①解雇事由該当、②濫用に当たらない、③解雇予告、④解雇制限に非該当 勤務態度不良を理由とする解雇は、就業規則の解雇事由に該当するだけでは足りません。特に②の客観的合理的理由と社会通念上の相当性を、証拠で示せることが重要です。 2 「客観的に合理的」とは、裁判官が証拠で判断できること。経……

解雇が無効とされた場合、解雇期間中の不就労日は労基法39条の出勤日数に含まれますか。

この記事の結論 1 解雇が無効とされると、解雇日から復職日までの不就労日は労基法39条の出勤日数に算入される 平成25年7月10日付け基発0710第3号通達は、八千代交通事件最高裁判決を踏まえ、解雇無効の場合の解雇日から復職日までの不就労日を、出勤日数に算入される不就労日の典型例として明記しています。 2 会社はバックペイに加え年次……

解雇が無効と判断された場合、解雇期間中の不就労日は年次有給休暇の出勤率算定でどのように扱われますか。

この記事の結論 1 解雇が無効なら、解雇期間中の不就労日は年次有給休暇の出勤率算定で「出勤日数」に算入される 八千代交通事件最高裁判決(平成25年6月6日)により、無効な解雇で就労できなかった日は労働者の責めに帰すべきものではない不就労日として、労基法39条の出勤率算定上、出勤日数に算入されます。 2 会社はバックペイに加え年休付与……

有期契約労働者にも試用期間を設けることができますか。

この記事の結論 1 試用期間を設けること自体は可能だが、試用期間中も「やむを得ない事由」なしの解雇はできない 労契法17条1項は強行法規であり、「試用期間中は解雇できる」旨の就業規則規定・合意も無効です。正社員の試用期間中の本採用拒否(三菱樹脂事件の緩やかな基準)も適用されません。 2 「やむを得ない事由」がない問題は合意退職の追求……

民法628条と労契法17条1項の関係について教えてください。

この記事の結論 1 労契法17条1項は強行法規。「やむを得ない事由」なしで解雇できる旨の合意は無効 「労働契約書に『いつでも解雇できる』と書いておけば解雇できる」は誤りです。当事者間の合意で労契法17条1項の適用を排除することはできません。たとえ労働者側が同意していても変わりません。 2 使用者が契約期間中に終了させたい場合は合意退……

試用期間の法的性格について教えてください。

この記事の結論 1 試用期間の法的性格は就業規則の文言+処遇の実情・慣行を総合して個別判断される(三菱樹脂事件最高裁大法廷判決) 就業規則の規定の文言のみならず、企業内での処遇の実情・本採用との関係における事実上の慣行を重視して判断されます。試用期間の法的性格は一様ではありません。 2 多くの場合は解約権留保付き雇用契約。本採用拒否……

試用期間とは何ですか。定義・法的性格・実務上の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 試用期間は正社員としての適格性を判断するための期間。法律上の定義はなく試用期間中も労働契約は成立している 「試用期間中は雇用関係にない」は誤りです。試用期間中でも解雇には客観的合理的理由が必要ですが、本採用後と比べてハードルは相対的に低くなります。 2 試用期間中に問題を認識したら先送りにしない。期間が経過すれば……

労働条件通知書の「就業の場所」欄には、どこまで詳しく書く必要がありますか。

この記事の結論 1 法令上は雇入れ直後の就業場所の記載で足りる(平成11年1月29日基発45号)。ただし転勤命令時に勤務地限定の合意の根拠として使われるリスクがある 「○○本社」とのみ記載すると「就業場所が本社に限定されている」と主張される可能性があります。就業規則の転勤規定がある場合は通常は認定されませんが、他の事情と組み合わせて使われるリスクを最小化する記……

勤務地限定の合意があったとの主張は、どの程度認められますか。

この記事の結論 1 複数勤務地のある会社の正社員は勤務地限定の合意が認定されにくい。就業規則の転勤規定+入社時誓約書で特段の事情なき限り訴訟対策として十分 ただし採用時に特定の勤務地を明示して採用した・採用面接で「転勤はない」と説明した・長期間転勤がなかった等の「特段の事情」がある場合は認定されることがあります。採用時の記録が決定的な証拠となります。 ……

使用者に配転命令権限があるといえるためには、どのようなことが必要ですか。

この記事の結論 1 配転命令権限は労働契約の解釈問題。個別的同意は不要で就業規則・包括的同意書が根拠となるが、勤務地限定の合意がある場合は権限が否定される 就業規則に配転・転勤規定があっても、採用時の経緯・労働契約書の記載等から勤務地限定の合意が認められれば配転命令権限は否定されます。正社員は広範な権限が認められる傾向、パート等は制限される傾向があります。 ……

就業規則の懲戒解雇事由に該当していても、懲戒解雇が無効になることはありますか。懲戒権濫用法理について教えてください。

この記事の結論 1 就業規則の懲戒解雇事由への該当は必要条件にすぎない。懲戒権濫用法理(労契法15条)という第二の壁がある 懲戒が客観的合理的理由を欠くか社会通念上相当でない場合は、就業規則の事由に形式的に該当していても懲戒権濫用として無効となります。就業規則の懲戒事由該当性と懲戒権濫用の有無という二段階審査が必要です。 2 懲戒解……

就業規則がなくても懲戒解雇はできますか。フジ興産事件判決と実務対応について教えてください。

この記事の結論 1 原則として就業規則への懲戒事由の規定と周知がなければ懲戒解雇できない(フジ興産事件・最高裁平成15年) 重大な企業秩序違反行為があっても、就業規則に懲戒の種類・事由を定めて周知していなければ懲戒解雇はできません。「就業規則はあるが従業員に配っていない」では周知要件を満たしません。 2 根拠規定が一切ない場合は普通……

懲戒解雇の有効性は、どのような項目で判断されますか。4つの検討項目と実務上の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 懲戒解雇の有効性は4項目すべての検討が必要。就業規則の懲戒事由への該当は必要条件にすぎない ①就業規則の懲戒解雇事由への該当②懲戒権濫用(労契法15条)の有無③解雇予告義務(労基法20条)の遵守④解雇制限事由への非該当、の4項目すべての検討が必要です。事由に該当するだけでは不十分です。 2 懲戒権濫用の壁が特に高……

懲戒解雇とは何ですか。定義・普通解雇との違い・退職金の取り扱いについて教えてください。

この記事の結論 1 懲戒解雇は制裁としての最も重い懲戒処分。就業規則の懲戒事由への該当が絶対的前提 使用者の懲戒権の発動による制裁罰として企業秩序に違反した労働者に行われる解雇です。就業規則がない・懲戒事由の規定がない・規定に該当しない場合は懲戒解雇として行うことは原則としてできません。 2 退職金の不支給・減額には就業規則・退職金……

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