ワード:「会社側」

民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。

 民法536条2項は任意規定であり特約で排除することができますので、民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、理論的には平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りるはずですが、裁判所は、就業規則等による民法536条2項の適用除外について慎重に判断する傾向にあります。
 例えば、いすゞ自動車(雇止め)事件東京地裁平成24年4……

民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨の労働協約が締結された場合には、当該労働組合の組合員については、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。

 民法536条2項は任意規定であり特約で排除することができますので、民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨の労働協約が締結された場合には、当該労働組合の組合員については、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足ります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

使用者の責めに帰すべき事由による休業がなされた場合における休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約、就業規則、個別合意により排除することはできませんか。

 労基法は労働協約、就業規則、個別合意に優先して適用されますので(労契法13条、労基法13条・92条)、使用者の責めに帰すべき事由による休業がなされた場合における休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約、就業規則、個別合意により排除することはできません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合、休業手当を支払う必要がありますか。

 会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合は、通常は使用者の責めに帰すべき事由があると言わざるを得ないため、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります(労基法26条)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しなかった場合、次年度の年俸額はどうなりますか。

 次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しなかった場合、次年度の年俸額がどうなるかは労働契約の解釈の問題です。トラブルを予防するためにも、労働契約上明確にしておくべきでしょう。
 裁判例は、使用者の提示額を超えては請求できないとされたもの、前年度実績の年俸額を支給すべきものとされたもの等があり、事案により結論が分かれています。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表……

年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができますか。

 年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができるかどうかは労働契約の解釈の問題ですが、一般的には、年度途中で年俸額を一方的に引き下げることはできないケースが多いものと思われます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

諸手当を廃止したり支給を停止したりすることはできますか。

 賃金規程で定められた諸手当を廃止したり支給を停止したりする場合は,賃金規程を変更したり附則に支給を停止する旨定めたりする必要があり,就業規則の不利益変更の問題となります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

賞与を支給しないことはできますか。

 個別労働契約、就業規則、労働協約で一定額・割合の賞与を支給する義務が定められていない場合には、使用者には賞与を支給する義務がないため、賞与を支給しなくても法的には問題がありません。
 一定額以上の賞与支給が労使慣行になっているとして賞与請求がなされることがありますが、労使慣行の成立が認められるケースは多くありません。民法92条により法的効力のある労使慣行が成立していると認められるた……

ベースアップを凍結することはできますか。

 ベースアップは労使交渉により特段の決定がなされない限り行う必要がありません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

定期昇給を凍結することはできますか。

 就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められている場合に定期昇給を凍結するためには、定期昇給を凍結する旨の労働協約を締結するか、定期昇給を凍結する旨就業規則の附則に定める等の就業規則の変更が必要となります。
 労働協約を締結できず、定期昇給を凍結する旨の就業規則の変更に関し同意が得られない場合は、就業規則変更により一方的に労働条件の変更をせざるを得ませんが、その合理性(……

未発生の賃金債権の減額に対する同意の意思表示の効力を肯定するための要件を教えて下さい。

 未発生の賃金債権の減額に対する同意についても、それが労働者の自由な意思に基づいてなされたものであることが明確であることを要求するのが、近時の傾向です。賃金減額に対する同意は、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為があったというだけでなく、当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じませんか。

 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合には、それらの効力が個別合意に優先するため(労組法16条、労契法12条)、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じず、労働協約、就業規則を変更して初めて賃金減額の効力が生じることになります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

労契法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと考えてよろしいでしょうか。

 「就業規則の不利益変更は、それに同意した労働者には同法9条によって拘束力が及び、反対した労働者には同法10条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し、そして上記の趣旨からして、同法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」(協愛事件大阪高裁平成22年3月18日判決)との見解が妥当と思われますが、労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えて下さい。

 就業規則の変更により賃金を減額する場合は、就業規則の不利益変更に該当するため、就業規則の変更が有効となるためには、以下のいずれかの場合である必要があります。
 ① 労働者と合意して就業規則を変更したとき(労契法9条反対解釈)
 ② 変更後の就業規則を周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労……

労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、どのようなものが考えられますか。

 労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、就業規則変更又は個別合意による賃金減額が考えられます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

労働組合との間で賃金減額に関する労働協約を締結した場合、賃金減額の効力は非組合員にも及びますか。

 労働協約締結による賃金減額の効力が及ぶのは、原則として労働協約を締結した労働組合の労働組合員に限られることになりますが、労働協約には、労組法17条により、一の工場事業場の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められており、この要件を満たす場合には、賃金減額に反対する……

労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合の組合員に対する効力を教えて下さい。

 労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合、それが組合員にとって有利であるか不利であるか、当該組合員が賛成したか反対したかを問わず、労働協約で定められた賃金額が労働契約で定められた賃金額に優先して適用されるのが原則です(労組法16条)。したがって、労働者が賃金減額に反対していたとしても、当該労働者が加入している労働組合との間で賃金を減額することを内容とする労働協約を締結すれば、賃金を減額……

飲食店において、接客担当のスタッフに対し、お客さんがいなかったり自分の担当業務が終わったりしたら休憩していて構わないが、お客さんが入店してきたら自分の担当業務に従事するよう指示している場合、実際に仕事をしていない時間は「休憩時間」(労基法34条)として扱い、実際に担当業務に従事している時間だけを労基法に基づく残業代(割増賃金)計算の基礎となる労働時間として扱うことはできますか。

 飲食店において、接客担当のスタッフに対し、お客さんがいなかったり自分の担当業務が終わったりしたら休憩していて構わないが、お客さんが入店してきたら自分の担当業務に従事するよう指示している場合は、実際に仕事をしていない時間も使用者から就労の要求があれば直ちに就労しうる態勢で待機している時間(手待時間)であり、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間とはいえませんので、「休憩時間」(労……

運送業を営む会社が残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 運送業のトラック運転手は従来、自営業者意識が濃厚な傾向があり、トラック運転手のそういった傾向に対応して、運送業の会社経営者は残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が希薄な傾向にありました。運送業では、トラック運転手の給料が「1日現場に行って来たら1万○○○○円」といった形で定められている会社が多く、労働者というよりは個人事業主に近い形で労務管理がなされている傾向にあります。昔からそ……

基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う定額(固定)残業代は,どのような場合に有効となりますか。

[toc] 1 賃金規程等の定め  基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払ったといえるためには、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う旨の合意や賃金規程等の定めは最低限必要となります。「契約書の記載も賃金規程の定めも存在しないが、口頭で説明した。」では、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払うことが労働契約の内容になっているとは認め……

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