ワード:「懲戒処分」

出向中の労働者との労働関係はどうなりますか。

 出向は、労働者と出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じることになります。
 労働者に対する懲戒権や解雇権が出向元と出向先のどちらにあるかが問題になりますが、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられることになります。
 もっとも、通常の出向の場合、賃金の支払義務及び解雇権などの労働契約の基本的部分は出向元が有しており、労働時間等の就業管理及び職場秩序維持に関……

だらだらと残業する。

[toc] 1. 不必要な残業をしているかの確認  まずは、当該社員の業務量を調べ、不必要な残業をしているのか、それとも業務量が多いために長時間労働せざるを得ない事情があるのかを確認します。
 社員が不必要な残業をしているにもかかわらずこれを使用者が放置していると、仮に当該社員が過重労働で健康を害したとき又は当該社員が残業代請求をしてきた際に、不必要な残業時間も労働時間と認定され……

雇い止めに納得しない。

[toc] 1. 有期契約の期間満了時の原則と例外  有期契約の期間が満了したら、当該有期契約は終了するのが原則です。
 しかし、例えば、契約が何度か更新されていたり、社員が契約更新されると期待することについて合理的な理由がある場合には、労働契約法19条の問題となり、例外的に、従前と同一の契約が成立したと判断される可能性があります。 2. 労働契約法19条(雇止め法理)  労……

企業秘密を他社に漏えいする。

[toc] 1. 労働者の秘密保持義務  労働者は、労働契約に付随する義務として、会社の業務上の秘密を守る義務(秘密保持義務)を負うと解されています。
 労働契約上の秘密保持義務の対象となる「秘密」の範囲は、当事者間の合意に委ねられているところがあり、一般的には不正競争防止法にいう「営業秘密」よりも広いと解されていますが、必ずしも社員が職務上知り得た全ての情報が「秘密」になるわけ……

同僚に嫌がらせをする。

[toc] 1. 事実関係の把握  まずは事実関係を把握することが重要です。嫌がらせがあった日時、場所、内容を確認し、社員の言い分を聴取する際は、嫌がらせを受けたと思われる社員だけでなく、嫌がらせをしたと思われる社員、場合によっては周囲の社員からも話を聴くようにしましょう。 2. 注意・指導  嫌がらせが確認できた場合、まずは嫌がらせをした社員を注意指導することから始めるのが穏当です。注意……

労働者の採用に関する紛争や、派遣労働者と派遣先の事業主との間に生じた紛争は、労働審判手続の対象になりますか?

[toc] 1. 労働審判手続の対象  労働審判法では、労働審判手続の対象を「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争」としており、「労働関係に関する事項」として「労働契約の存否」が挙げられています。 2. 労働関係の解釈  ここでいう「労働関係」とは、労働契約に基づく関係に限られず、事実上の使用従属関係から生じる労働者と事業主と……

無断欠勤を続けている。

[toc] 1. 連絡を試みる  本人と連絡を取るために様々な手段を試みることが重要です。電話、メール、自宅への訪問、両親等保証人に連絡して本人と連絡が取れるよう依頼することが考えられます。また、後日、連絡を試みたことが分かるように証拠を残しておくことが重要です。
 このような方法を試みたものの長期間連絡が取れず、退職として処理したい場合には、以下の方法が考えられます。 2. ……

使用者は、管理監督者の労働時間について自由裁量を認めなければならないのでしょうか?

[toc] 1. 労働時間の規制  規制なく残業し、休日にも出勤せざるを得ない管理監督者に対し、厳格な労働時間の規制をするのは問題ではありますが、だからといって、何時に出勤し、何時に帰宅するのかは全くの自由であると考えるべきではありません。
 管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用……

遅刻・欠勤を繰り返す。

[toc] 1. 遅刻・欠勤に対する対応策  所定労働日に所定労働時間の労務を提供することは労働者の義務ですので、遅刻・欠勤は、労働契約上の義務違反になります。
 会社側が執りうる手段は、注意・指導をすること、遅刻した時間・欠勤日の賃金を差し引くこと、懲戒処分が考えられます。 2. 注意・指導する  当該社員と面談することによって、遅刻・欠勤の理由を確認し、遅刻・早退届を提出……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、使用者は注意,懲戒処分,賃金カットをすることはできますか?

 専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、当該労働者には勤務時間中は就労義務及び職務専念義務がありますので、労働契約等により就業時間中の組合活動を認めている等の特段の事情が無い限り、組合活動を止めるように注意し、改善しない場合には懲戒処分を行うことも許されると考えます。
 専門業務型裁量労働制は、具体的な指揮命令権限がないとはいえ、明らかに労働を行ってい……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか?

[toc] 1. 定義  裁量労働のみなし時間制とは、労働遂行や労働時間の配分に関して裁量性が高く、労働の量よりも労働の質、つまり内容や成果に着目して報酬を支払われる労働者に関して、労使協定等で定めれば、実際の労働時間にかかわらず、それだけの時間労働したとみなす制度のことです。 2. 裁量労働制の適用労働者  裁量労働制の適用労働者は、フレックスタイム制のフレキシブルタイムのように出退勤が……

身だしなみが乱れている。

[toc] 1. 会社が社員の身だしなみを制約することができるか  一般的に、自分の髪の色をどうするか、ひげを生やすか等といった事項は、各人に任せられ、尊重されるべきものです。
 しかし、尊重されるべきなのは、あくまでも私生活上の場面においてですので、会社が労働契約関係のある社員に対して、仕事上、必要かつ合理的な範囲で制約を課すことは可能と考えます。
 必要かつ合理……

経歴を詐称した。

[toc] 1. 経歴詐称が判明した場合の対応  経歴を詐称していたことが分かる証拠を確保した上で、本人から事情を聞くことが必要です。事情聴取の後、本人が自主的に退職する意思があるかどうかを確認し、退職意思がある場合には退職届を提出してもらい、退職の手続をとることになります。
 本人に退職する意思がない場合には、普通解雇(本採用拒否)、懲戒解雇(諭旨解雇)を検討します。 2. ……

採用予定者が遵守事項に違反した。

[toc] 1. 内々定・内々定取消し (1) 内々定とは  内々定に法的な定義があるわけではありませんが、一般的に、内々定とは正式な内定を出す前に、学生に対して内定の見込みであることを口頭などで伝えている状態をいいます。あくまで正式な内定までの間、学生が他の企業に流れることを防ごうとする事実上の活動に過ぎず、内々定の段階では労働契約は成立していません。したがって、内々定を取消したとしても、……

会社のパソコンで私用メール等をする。

[toc] 1. 会社にパソコンの管理権があること及び社員に職場秩序維持義務があること  会社が貸与したパソコンは会社の所有物であり、インターネットの接続費用も会社が負担していることから、パソコンの利用には会社の施設管理権が及びます。また、社員は、職場内では職場秩序維持義務を負います。
 これらのことから、会社は社員に対して、就業中はもちろんのこと、休憩時間中であっても、社用パソ……

喫煙時間は労働時間に該当しますか?

 近年、職場に対する喫煙対策として、事業場全体を禁煙とする方法や、喫煙室でのみ喫煙を認め、それ以外の場所では禁煙とする方法が多く行われています。
 このため、喫煙者は、喫煙するために業務を一時中断し、喫煙室に移動して喫煙する必要があり、このような喫煙の時間が労働時間といえるかどうかが問題となります。
 喫煙の時間は、作業に従事していないことが明らかですから、手待ち時間と……

試用期間中の社員の能力が低い。

[toc] 1. 本採用拒否 (1) 新規採用の段階と本採用拒否の段階での違い  新規採用の場面では、契約自由の原則から、採用申込者を雇用するかを自由に決めることができます。雇用契約を締結しなかったとしても、その理由や証拠は不要です。ただし、男女雇用機会均等法などに違反した場合には不法行為責任が生じる可能性があります。
 試用期間中の社員との間の契約関係は、特段の事情が認められ……

労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。

 労基法上,就業規則の作成義務,労基署への届出義務が課されているのは労働者が10人以上の場合ですので,労働者が10人未満であれば就業規則の作成義務はありません。
 しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……

就業規則を作成する際の手順を教えてください。

[toc] 1.就業規則の作成義務  常時10人以上の労働者を使用する場合には,就業規則の作成義務と労基署への届出義務があります。労働者は,正社員,パート,契約社員などの雇用形態を問わず当該事業場で使用されている者をいいます。
 常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……

社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合,退職金を不支給にすることはできますか?

 就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支給しない。」と定めている会社がありますが,この定め方では,社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚したとしても退職金を不支給とすることはできません。なぜなら,既に退職している社員を懲戒解雇することはできないからです。
 社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……

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