ワード:「問題社員」

精神疾患を発症してまともに働けないのに休職や退職の効力を争う。

[toc] 1 精神疾患発症が疑われる社員の基本的対応  使用者は、社員の健康に対して安全配慮義務を負っていますので(労契法5条)、遅刻や欠勤が急に増えたり、集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど、精神疾患発症が疑われる社員については、上司から具体的問題点を指摘した上で、医療機関での受診や産業医への面談を勧めるなどする必要があります。
 また、使用者は、必ずしも社員か……

行方不明になってしまい、社宅に本人の家財道具等を残したまま、長期間連絡が取れない。

[toc] 1 社員の行方を捜す努力  社員が社宅に家財道具等を残したまま行方不明になった場合、まずは、電話、電子メール、社宅訪問、家族・身元保証人等への問い合わせ等により、社員の行方を捜す努力をして下さい。警察に行方不明者届を提出する場合は、親族が提出するのが通常と思われますが、勤務先からの行方不明者届も受理される扱いとなっていることも憶えておくとよいでしょう。
 それなりの期……

仕事の能力が低い。

1 募集採用活動の重要性  仕事の能力が低い社員を減らす一番の方法は、採用活動を慎重に行い、応募者の適性・能力等を十分に審査して基準を満たした者のみを採用することです。採用活動の段階で手抜きをして、十分な審査をせずに採用していったのでは、教育制度がよほど整備されているような会社でない限り、仕事の能力が低い社員を減らすことはできないでしょう。 2 採用後の対応  注意指導、教育して必要な能力を身に……

就業時間外に社外で飲酒運転、痴漢、傷害事件等の刑事事件を起こして逮捕された。

[toc] 1 事実調査  まずはできるだけ情報を集めて下さい。逮捕勾留されておらず出社できるのであれば、本人からも事情を聴取し、記録に残しておいて下さい。
 逮捕勾留されたことにより社員本人と連絡が取れなくなり、無断欠勤が続くことがありますが、まずは家族等を通じて連絡を取る努力をして下さい。家族等から欠勤の連絡等が入ることがありますが、懲戒解雇等の処分を恐れて犯罪行為により逮捕……

社内研修、勉強会、合宿研修への参加を拒否する。

[toc] 1 義務か自由参加か  まずは、社内研修、勉強会、合宿研修への参加が「義務」なのか「自由参加」なのかをはっきりさせる必要があります。参加が義務ということであれば、研修等に要する時間は社会通念上必要な限度で労基法上の労働時間に該当することになります。研修等の時間が時間外であれば時間外割増賃金の支払が必要となりますし、時間内であっても賃金を支払うことになるのが通常です。
……

転勤を拒否する。

[toc] 1 転勤を拒否された場合に最初にすべきこと  転勤を拒否する社員がいる場合は、まずは転勤を拒否する事情を聴取し、転勤拒否にもっともな理由があるのかどうかを確認します。
 転勤が困難な事情を社員が述べている場合は、より具体的な事情を聴取するとともに裏付け資料の提出を求めるなどして対応して下さい。認められる要望かどうかは別にして、本人の言い分はよく聞くことが重要です。続きを見る

金銭を着服・横領したり、出張旅費や通勤手当を不正取得したりして、会社に損害を与える。

[toc] 1 客観的証拠の収集と事情聴取  金銭の不正取得が疑われる場合、まずは不正行為を裏付ける客観的証拠をできるだけ収集して下さい。不正が疑われる社員から事情聴取する際、客観的証拠と照らし合わせることにより、嘘や矛盾点が見抜きやすくなります。
 もっとも、金銭の不正取得は、本人の説明なしでは実態が分かりにくいことも多いため、客観的証拠を収集する努力をある程度したら、不正が疑……

会社に無断でアルバイトをする。

[toc] 1 事実確認と事情聴取  会社に無断でアルバイトしている社員がいる場合は、まずはよく事情聴取する必要があります。
 アルバイトしている事実が確認され、それが企業秩序を乱すようなものである場合は、口頭で注意、指導して、アルバイトを辞めてもらうことになります。
 会社に無断でアルバイトしている社員に対し、アルバイトを辞めるよう促した場合、アルバイトを辞める旨……

注意するとパワハラだなどと言って、上司の指導を聞こうとしない。

[toc] 1 パワハラとは  職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる
  ① 優越的な関係を背景とした言動であって
  ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  ③ 労働者の就業環境が害されるもの
であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正……

勤務態度が悪い。

[toc] 1. 注意指導  勤務態度が悪い社員は、注意指導してそのような勤務態度は許されないのだということを理解させる必要があります。訴訟や労働審判になって弁護士に相談するような事例では、当然行うべき注意指導がなされていないことが多い印象があります。
 勤務態度が悪い社員を放置することにより、他の社員のやる気がそがれたり、新入社員がいじめられたり、仕事を十分に教えてもらえなかっ……

遅刻や無断欠勤が多い。

[toc] 1 勤怠管理  遅刻や無断欠勤が多い社員の対応として最初にしなければならないことは、遅刻や欠勤の事実を「客観的証拠」により管理することです。客観的証拠が存在しないと、遅刻や欠勤の立証が困難になることがあります。
 遅刻時間の管理は、タイムカードや日報等を用いて、通常の労働時間管理をすることにより行います。
 欠勤日数の管理は、タイムカードの打刻や日報の提……

協調性がない。

[toc] 1 「協調性がない」の内容・程度は多種多様  「協調性がない」問題社員の相談を受けてみると、その内容・程度は多種多様であることに驚かされます。まずは、どのようなものが「協調性がない」といわれているのかについて、全体像を把握することから始めましょう。「協調性がない」といわれる事案には、例えば、以下のようなものがあります。
 ① 協調性が足りず、周囲と無用の軋轢が生じてい……

労契法19条の「更新申込み」と認められる要件と実務上の注意点【会社側弁護士が解説】

 労働契約法19条の「更新の申込み」や「締結の申込み」があったといえるためには、どの程度のものが必要なのでしょうか。この点は、雇止めが争われた場合に「申込みがあったかどうか」という形で問題になります。  結論として、申込みは要式行為ではなく、非常に緩やかに解釈されます。本ページでは、申込みの要件と実務上の注意点について、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 01申込みの要件:異議の表……

労契法19条の「更新申込み」要件が規定された理由と実務上の注意点【会社側弁護士が解説】

 労働契約法19条では、有期労働契約者による有期労働契約の更新または締結の申込みが要件として規定されています。従来の雇止め法理では申込みは要件とされていませんでしたが、なぜ労契法19条では新たに要件として明示されたのでしょうか。  本ページでは、労契法19条に「更新申込み」要件が規定された理由と実務上の注意点について、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 01従来の雇止め法理との比較……

労契法19条2号の合理的期待の判断時期と実務上の含意【会社側弁護士が解説】

 労働契約法19条2号では、更新に対する合理的期待の判断時期として「当該有期労働契約の契約期間の満了時」という要件が明示されています。この規定は従来の雇止め法理では明示されていなかったものです。  この要件が加えられた趣旨と、それが実務上どのような含意を持つかを理解しておくことは、会社側の対応において重要です。本ページでは、労契法19条2号の「満了時」という判断時期の解釈について、会社側・使用者……

労契法19条は従来の雇止め法理と同じ内容か【会社側弁護士が解説】

 労働契約法19条は、従来の雇止め法理と実質的に同じ内容と考えてよいのでしょうか。この点について、厚生労働省通達では「内容や適用範囲を変更しない」と説明されていますが、法的構造については違いがあります。  実務上は判例の蓄積をそのまま参照できると解されていますが、正確な理解が必要です。本ページでは、労契法19条と従来の雇止め法理の関係について、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 0……

労契法19条による雇止め制限の判断ポイント【会社側弁護士が解説】

 有期契約社員を雇止めする場合、労働契約法19条による雇止め制限が認められるかどうかを事前に判断しておくことは、紛争リスクを回避する上で非常に重要です。この判断は2段階で行います。  本ページでは、労契法19条による雇止め制限の判断ポイントについて、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 012段階の判断構造  労契法19条による雇止め制限が認められるかどうかは、以下の2段階で判断し……

有期契約労働者の雇止めにトラブルが生じるリスクと会社側の対策【会社側弁護士が解説】

 「有期契約なのだから、契約期間が満了したら辞めてもらえる」と考えている経営者は少なくありません。しかし、労働契約法19条により、一定の要件を満たす場合には、契約期間が満了しても雇止めが認められないことがあります。  「有期契約だから安心だ」という認識は非常に危険です。有期契約社員の雇止めをめぐって労働審判・訴訟に発展するケースは少なくありません。本ページでは、有期労働契約の雇止めリスクと労働契……

過失相殺・素因減額と損益相殺の計算順序【会社側弁護士が解説】

 安全配慮義務違反や不法行為による損害賠償請求を受けた場合、過失相殺・素因減額と損益相殺(労災保険給付の控除)が競合するケースでは、どちらを先に計算するかによって最終的な賠償額が変わります。  この計算順序については、最高裁判例(鹿島建設・大石塗装事件最高裁昭和55年12月18日第一小法廷判決)によって確立しており、会社側としてこの判例を理解しておくことは損害賠償額の見積りと和解交渉戦略において……

労災保険給付がなされた場合の損害賠償額の減額(損益相殺)【会社側弁護士が解説】

 労災保険給付がなされた場合、会社の損害賠償義務は軽減されるのでしょうか。労災保険と民事損害賠償の関係は複雑であり、正確に理解しておくことが会社側の対応において重要です。  本ページでは、労災保険給付がなされた場合の損害賠償額の減額(損益相殺)について、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 01損益相殺の基本原則  労働者または相続人が労災事故に起因して何らかの利益を得た場合、当該……

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