ワード:「問題社員」

6か月にわたり毎月10%減給する懲戒処分をすることはできますか。

この記事の結論 1 6か月間10%減給は労基法91条に違反し無効 6か月にわたり10%減給する懲戒処分は、「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならない」とする労基法91条に違反し無効となります。 2 減給制裁には2つの上限がある ①一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならない、②総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の……

パワハラ・セクハラ問題に関し、実務上の留意点を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラと言われることを恐れて、必要な業務指導ができなくなることがあってはならない——業務上必要で方法が相当な指導はパワハラではなく、萎縮は組織上の問題を生む 395番の3段階分析と合わせて理解してください ✓ パワハラ・セクハラ事案では会話内容が無断録音されていることが多い——「口頭の発言だから大丈夫……

パワハラ・セクハラに関する労災認定の概要を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラの被害者が精神疾患を発症している場合、パワハラ・セクハラの心理的負荷が「強」と判断されれば業務起因性が肯定され、労災認定される可能性が高くなる 労災認定の可否は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を参考に判断されます ✓ 労災認定は行政の判断であり、民事上の損害賠償責任とは直接連動しない——た……

合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求には、どのようなものがありますか。

この記事の要点 ✓ 「懲戒解雇すると脅されてパワハラを受けた状態で退職届に署名させられた」として、合意退職の錯誤無効・強迫取消が主張される紛争類型がある 退職合意書があっても合意退職の効力を争われるリスがあります ✓ 問題の核心は「その退職の意思表示が自由意思に基づくものだったか」。強迫・錯誤が認められれば取消・無効となり、地位確認……

解雇、休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の内容は、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 精神疾患発症の原因が職場のパワハラ・セクハラの場合、療養のための休業期間及びその後30日間は、原則として解雇・休職期間満了退職扱いにすることができない(労基法19条・同条類推) この解雇制限を知らずに解雇・退職扱いにすると無効となるリスクがあります ✓ 嫌がらせ目的の転勤命令(辞めさせる目的)は転勤命令権限の濫用……

安全配慮義務違反や不法行為(使用者)責任を理由とした損害賠償請求は、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 使用者(会社)は、労働者が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務・労契法5条)を負っており、違反した場合は損害賠償義務を負う(民法415条) 「従業員同士の問題だから会社は関係ない」は通用しません ✓ 従業員がパワハラ・セクハラにより他の従業員に損害を与えた場合、使用者は使用者責任(民法715条)を負い、被害……

パワハラ・セクハラを法的に分析する際の視点を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラを法的に分析する際は「適法性」と「適切性」を区別して考えることが重要。「パワハラかどうか」という二項対立ではなく、3段階の程度の問題として捉える この視点を持つことで、会社経営者は適正な業務指導と法的リスクのある行為を正確に区別できます ✓ 訴訟で問われるのは①違法な言動か②③適法な言動か。②不……

セクハラの定義を教えてください。

この記事の要点 ✓ 「職場におけるセクシュアルハラスメント」はセクハラ指針により定義されており、「職場において行われる性的な言動」に対し、①労働条件につき不利益を受ける(対価型)または②就業環境が害される(環境型)の2類型がある パワハラとは異なり、「職場の優位性」という要件はなく、同僚間・顧客からのセクハラも成立し得ます ✓ 会社……

パワーハラスメントに該当するかは、どのような基準で判断されますか。

この記事の要点 ✓ 「パワハラ」の参考定義として広く用いられるのは、円卓会議ワーキング・グループ報告(平成24年1月30日):①職場内の優位性を背景に、②業務の適正な範囲を超えて、③精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為 3つの要素すべてを満たさなければパワハラとは評価されないのが原則です ✓ 「優位性」は上司・部……

定額残業代の比率は、どれくらいまで許されますか。

この記事の要点 ✓ 月例賃金に占めるみなし残業代(定額・固定残業代)の比率と有効性との間に論理必然の関係はない——比率が高ければ必ず無効とはいえないが、実務上のリスクは比率に連動して上がる 「比率が高ければ無効」ではないが、高くなるほど複数のリスクが増大します ✓ 脳・心臓疾患や精神疾患を発症した場合に労災認定されやすい長時間労働(……

社員全員が納得していれば、残業代は支払わなくてよいですか。

「社員から文句が出ていない」は安全の根拠にはなりません 残業代(割増賃金)込みで月給30万円等と約束しており、社員から文句が全く出ていないからといって、残業代に相当する金額を特定していなくても未払残業代の請求を受けるはずはないと思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。本記事では、この思い込みが生じる理由と現実のリスクを解説します。 目次 ……

基発0909001号は、勤務態様をどのように見ていますか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「勤務態様」の判断要素として①遅刻・早退等に関する取扱い ②労働時間に関する裁量 ③部下の勤務態様との相違——の3点を示している 320番の「職務内容・責任と権限」(採用・解雇・人事考課・労働時間管理)に続く、管理監督者性判断の第2グループの要素です ✓ 遅刻・早退等により減給の制裁や人事……

休憩時間の自由利用に制限を加えることはできますか

この記事の要点 ✓ 使用者は労働者に休憩時間を自由に利用させなければならない(労基法34条3項) 休憩時間中は使用者の指揮命令権の拘束を離れ、労働者は自由に過ごすことができます ✓ ただし、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない 行政解釈(昭和22年9月13日基発第17号)による……

有期契約労働者が正社員と同じ待遇を要求する。

[toc] 1 問題の所在  有期契約労働者の労働条件は個別労働契約、就業規則等により決定されるべきものですので、正社員と同じ待遇を要求することは認められないのが原則です。
 しかし、有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し、同じ責任を負担しているにもかかわらず、単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁……

不採用通知に抗議する。

[toc] 1 採用の自由と不採用理由の開示義務  企業には、どのような者をどのような条件で雇い入れるかについて、原則として「採用の自由」が認められています(三菱樹脂事件最高裁昭和48年12月12日判決)。どの応募者を不採用とするかは企業の広範な裁量に委ねられており、法律上、不採用とした応募者に対してその具体的な理由を説明したり、開示したりする義務はありません。
 したがって、不……

賃金減額に同意したのに賃金減額は無効だと主張する。

[toc] 1. 社員との合意による賃金減額  労働契約法8条は、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と規定しており、賃金減額のような労働条件の不利益変更は、社員との合意により行うのが原則となります。
 ただし、個別合意により、労働協約や就業規則で定める基準に達しない水準に賃金を減額することはできません。また、賃金減額の同意……

自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。

[toc] 「指示待ち人間」とは  1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
 新人社員が,上司か……

再雇用後の賃金が定年退職前よりも下がることにクレームをつける。

[toc] 1 再雇用後の賃金水準に対する規制  高年法上、継続雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく、年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的、パート労働法8条、労契法20条、最低賃金法等の強行法規、公序良俗に反しない限り、就業規則、個別労働契約等において自由に定めることができます。
 定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年退……

解雇していないのに出社しなくなった社員が解雇されたと主張する。

[toc] 1 退職届を提出させることの重要性  社員が口頭で会社を辞めると言って出て行ってしまったような場合、退職届等の客観的証拠がないと口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、合意退職も成立しておらず解雇もされていないから労働契約は存続していると認定されたりすることがあります。
 退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……

飲み会で部下に飲酒を強要する。

[toc] 1 飲酒強要の問題点  上司と部下が酒食を共にすることは、普段の仕事とは違った打ち解けた雰囲気での親密なコミュニケーションを促し、円滑な人間関係の形成に資する面がありますが、体質上、お酒を全く飲めない人もいますし、お酒が弱いだけである程度は飲める人であっても、体調や気分次第では飲酒したくないこともあり、一緒にお酒を飲みさえすれば人間関係が良くなるというものではありません。お酒の最低……

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