労働問題199 再雇用後の雇用期間を1年とすることはできますか。65歳になる前の雇止めは可能ですか。

この記事の結論
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再雇用後の雇用期間を1年とすること自体は可能だが、65歳までは契約更新への合理的期待がある

高年法9条が65歳までの雇用確保措置を要求していることが根拠です。

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65歳になる前に雇止めをする場合は労働契約法19条が適用される

客観的合理的理由と社会通念上の相当性がなければ、雇止めは無効となるリスクが高いです。

 再雇用後の雇用期間と65歳前雇止めの可否とは、定年後再雇用の契約期間を1年単位で設定した場合に、65歳に達する前の契約期間満了時点で雇止めをすることが法的に許容されるかという問題をいい、労働契約法19条の適用により客観的合理的理由と社会通念上の相当性が求められます。「再雇用契約を1年契約にしているから、更新のたびに自由に雇止めできる」と誤解している経営者の方は少なくありません。

 本ページでは、再雇用後の雇用期間を1年とすることの可否と、65歳前雇止めの法的判断について、会社側専門の弁護士が解説します。

01再雇用後の雇用期間を1年とすること自体は可能です

 結論:再雇用後の雇用期間については、特段の規制がありませんので、雇用期間を1年とすることができます。多くの企業が、再雇用後の契約を1年単位の有期契約として運用しています。

0265歳までは契約更新への合理的期待があります

 結論:高年法9条は、65歳までの継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を講じることを要求していますので、1年契約とは言っても、65歳までは契約が更新されることについて、合理的期待があると考えざるを得ません。この点は、単に「1年契約」と書面に明記していれば自動的に否定されるものではなく、高年法の制度趣旨そのものから導かれる合理的期待です。

0365歳前の雇止めには労契法19条が適用されます

 結論:65歳になる前に契約期間満了で雇止めをする場合は、労働契約法19条が適用されますので、雇止めに客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当なものとなっているかどうかをチェックする必要があります。就業規則の解雇事由・退職事由に相当する事情がなければ、65歳前の雇止めは無効と判断されるリスクが高いといえます。

 単なる「1年契約が満了したから」という理由のみでは雇止めは認められにくく、健康状態・勤務成績・重大な問題行動等の客観的な事情を要することになります。再雇用後の65歳前雇止めの可否評価については、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

65歳前雇止めの比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(雇止め無効のリスク)
65歳前の雇止めは労契法19条の適用を前提に慎重に検討する 「1年契約だから自由に雇止めできる」と誤解する
雇止めの理由となる客観的事情を記録しておく 記録なく感覚的な判断で雇止めを行う
65歳前の雇止めを検討する場合は事前に弁護士へ相談する 相談なく独自の判断で雇止めを実行する
契約更新のたびに適切な手続を踏む 更新手続を形式的に済ませる

04よくある質問(FAQ)

Q. 「1年契約」と明記していれば、65歳前でも自由に雇止めできますか。

いいえ。契約書に「1年契約」と明記していても、高年法9条の趣旨から65歳までの契約更新について合理的期待があると解されるため、労働契約法19条が適用されます。65歳前に雇止めをする場合は、客観的合理的理由と社会通念上の相当性が必要です。

Q. 65歳前に雇止めが認められるのはどのような場合ですか。

就業規則の解雇事由・退職事由に相当する事情(心身の故障により業務に堪えられない、重大な非違行為があった等)がある場合に限られると考えられます。単に「1年契約が満了したから」という理由のみでは、雇止めは認められにくいと考えられます。

Q. 65歳到達後の契約更新はどうなりますか。

65歳に達した後は、高年法9条の雇用確保措置の対象期間を過ぎているため、契約を更新するかどうかは会社の裁量に委ねられる部分が大きくなります。ただし、65歳以降も長期間更新を繰り返してきた場合は、労働契約法19条の合理的期待が生じる可能性がある点に留意が必要です。

経営上のポイント 再雇用後の雇用期間を1年とすること自体は可能ですが、高年法9条の趣旨から65歳までは契約更新への合理的期待があると考えられます。65歳になる前に雇止めをする場合は労働契約法19条が適用され、客観的合理的理由と社会通念上の相当性が必要です。能力の高い定年退職者を高給で再雇用する方法とあわせて、再雇用契約の設計について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。再雇用契約の設計・65歳前雇止めの適法性評価でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月11日

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