労働問題354 月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率は、どれくらいまでなら許されますか。

 月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率と定額(固定)残業代の有効性との間には、論理必然の関係はありません。
 もっとも、脳・心臓疾患や精神疾患を発症した場合に、長時間労働を理由として労災認定がなされる可能性が高い時間外労働を予定するような定額(固定)残業代制度を採用すべきではなく、月80時間分の時間外割増賃金額を下回る定額(固定)残業代額にすべきと考えます。個人的見解としては、月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率は、金額では月例賃金全体の20%30%程度、時間外労働時間数では月45時間程度までに抑え、それを超える時間外・休日・深夜労働については追加で時間外・休日・深夜割増賃金を支払う定額(固定)残業代制度とすることをお勧めします。
 最低賃金との関係では、定額(固定)残業代部分は最低賃金算定の基礎賃金には含まれないことに注意して下さい。
 月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率が高い会社は、社員の離職率が高く、労使紛争が起きやすく、定額(固定)残業代の合意等の有効性が裁判所により否定されやすく、労働組合などによる労働運動のターゲットとされやすい傾向にあることにも留意して下さい。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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