ワード:「懲戒処分」

降格をするには就業規則上の根拠が必要ですか。

[toc] 1.懲戒処分としての降格  懲戒処分としての降格をするためには、懲戒処分の該当事由と、懲戒処分の種類として降格があることを就業規則に定めた上で、就業規則を周知させておく必要があります。 2.人事権による役職・職位の降格  人事権による役職・職位の降格は、使用者の裁量的判断により行うことができますので、就業規則上の根拠は不要ですが、相当な理由のない降格は人事権の濫用として無効にな……

降格にはどのようなものがありますか?

 降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
 懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
 業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……

出勤停止による無給は労基法91条に反しますか?

 出勤停止による無給は、労働者が出勤停止処分によって労務提供しないことの結果(いわゆるノーワークノーペイ)ですので、減給処分による賃金減額とは異なります。
 労基法91条は減給処分における減額の上限を定めるものですから、出勤停止による無給には適用されません。解釈例規や裁判例でも同様の見解が述べられています(昭和23年7月3日基収2177号、パワーテクノロジー事件東京地裁平成15年7月……

就業規則に「懲戒解雇の場合、退職金は不支給とする。」と定めておけば、懲戒解雇する労働者に退職金を支給しなくてもいいですか。

 退職金には、在職期間中の労務提供の対価(賃金)の後払いという側面があります。賃金の後払いという側面がある以上、懲戒解雇の場合に退職金を不支給とすると就業規則で規定しても、労働者が退職時までに積み上げてきた労務提供に対する対価が否定されるような事情がなければ、退職金を不支給にすることはできないとされています。
 裁判例では、「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信……

従業員が10人未満の場合に就業規則を作成する必要はありますか。

 常時働いている労働者が10人未満であれば、労基法上、使用者は就業規則作成義務を負いませんので、就業規則を作成・届出をしなくても労基法違反にはなりません。
 しかし、懲戒処分をするためには就業規則に規定を設けて周知させる必要がありますし、就業規則に労働時間や賃金等の労働条件を画一的、統一的に定めることができますので、労働者が10人未満の会社であっても就業規則を作成することをお勧めしま……

兼業・副業が発覚した労働者を懲戒処分することはできますか?

 兼業・副業は、労働時間外の私生活上の行為ですので、労働契約における規律・秩序を保持するための制裁である懲戒処分の対象とはならないのが原則です。
 もっとも、就業規則で無断兼業・無断副業の禁止規定があるにもかかわらず無許可で兼業・副業している場合、兼業・副業が原因で何度も欠勤している場合、兼業・副業によって業務に支障が生じている(兼業・副業で深夜まで働いているために遅刻や居眠りが目立……

労働者が業務時間外に刑事事件を起こした場合、懲戒処分できますか。

 労働者が業務時間外に刑事事件を起こした場合、直ちに懲戒処分に処することができるわけではなく、
① 社員の言動が懲戒事由に該当すること
② 当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められること(労契法15条)
等が必要となります。  業務時間外の行為を理由に懲戒処分で……

所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性の判断基準を教えて下さい。

 所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性について、裁判では、
① 所持品検査を必要とする合理的な理由に基づいているか
② 一般的に妥当な方法と程度で行われているか
③ 制度として労働者に対し画一的に実施されているか
④ 就業規則等の明示の根拠に基づいて行われているか
を基準に判断されています。   ……

普通解雇の理由を後で追加することはできますか?

 普通解雇した当時に存在していた理由であれば、追加することができるとされています。
 他方、懲戒解雇は、後になって懲戒解雇理由を追加することはできません。懲戒解雇は普通解雇とは異なり労働者に対する制裁罰であるため、懲戒処分の有効性はその理由とされた事実との関係においてのみ判断される必要があるからです。     ……

突然行方不明になった労働者との労働契約を終了させるためには、どのような方法が考えられますか。

 労働者が突然行方不明になった場合、労働契約を終了する方法は、次の2つが考えられます。 ① 就業規則の当然退職規定による退職
② 長期無断欠勤による懲戒解雇  ①は、就業規則において、長期間連絡が取れず行方不明となった者を退職とする規定を設けておく方法です。①のメリットは、労働者が当然退職の扱いになるため、使用者が解雇しなくても労働契約が終了するという点です。解雇しなくてもよいと……

退職勧奨により労働者が退職届を提出したにもかかわらず、退職の意思表示が取り消されることはありますか。取り消されることがある場合,取り消されないためにはどのような点に配慮するべきですか。

 退職勧奨の結果、労働者が自ら署名押印のある退職届を提出した場合であっても、一般原則である民法に基づいて、労働者の退職の意思表示が強迫や詐欺によるものであること理由に取り消される恐れがあります(民法96条1項)。
 退職の意思表示が強迫によるものであることを理由に取り消されないようにするためには、何らかの無理強いをしたり、労働者に恐怖を抱かせるような状況を作り出したりして退職勧奨しな……

在職中及び退職後の秘密保持義務についての留意点を教えてください。

1 在職中の労働者
 在職中の労働者は、労働契約の付随義務として、使用者の営業上の秘密を保持すべき義務を負っています。
 この秘密保持義務については、多くの会社が就業規則で定めており、また、誓約書や秘密保持契約書等もなされていますが、就業規則や個別合意がなくても発生すると考えられています(メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ事件東京地裁平成15年9月17日……

退職勧奨をした際に退職を強要したとして慰謝料請求が認められた事例には,どのようなものがありますか?

 退職勧奨とは、辞職を勧める使用者の行為、あるいは、使用者による合意解約の申し込みに対する承諾を勧める行為をいいます。退職勧奨自体は事実行為ですので、使用者がこれを行なうかどうかは基本的には自由です。
 しかし、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行なわれた場合には、使用者は労働者に対して、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。
……

退職勧奨とはどういうものですか?

 退職勧奨とは、使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことをいいます。厳格な解雇規制を回避するために、使用者が経営上の理由によるリストラを行うに際して、希望退職募集制度を実施しながらも目標退職者数を確保する目的で、あるいは、希望退職募集制度実施後の事業方針に適合しない労働者等の特定の労働者の退職を促す目的で、労働者との個別面談を通じて行われるのが通常です。また、目標退職者数が少……

解雇の規制にはどのようなものがありますか?

[toc] 1.労働契約上の規制  解雇権は、労働契約に当然に付随する権利と理解されており、普通解雇をするに当たり、就業規則の定めなどは必要ありません。しかし、常時10人以上の労働者を雇用する場合は、就業規則を定め、労働基準監督署に届け出なければならず、解雇事由は就業規則の絶対的必要事項であり、労働契約時に書面により明示しなければなりません(労基法15条1項、労規則5条1項4号)。
……

情報漏洩、兼業、競業行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 1.情報漏洩  企業情報等の漏洩は、企業秩序を現実に侵害する場合は懲戒事由となります。例えば、新聞記者が個人用ホームページに業務上知り得た事実や体験談を掲載したことが、新聞社における職務と密接に関連し、取材源秘匿との会社方針に反する行為であった等として、出勤停止処分が有効とされた裁判例があります(日本経済新聞社事件東京地裁平成14年3月25日判決)。近年では、SNSに企業情報の漏洩……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方  勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……

企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 企業内の政治活動、組合活動の懲戒事由該当性は、慎重に判断されるのが通常です。具体的には、まず、政治活動等の禁止、許可規定に違反してなされた政治活動が懲戒事由になるか否かが問題になります。就業時間中の活動は、職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されますが、問題は、終業時間前、終業時間後、休憩時間等、終業時間外に行ったケースです。判例は(目黒電報電話局事件最三小昭和52年12月13日判……

経歴詐称を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 経歴詐称とは、採用時に、学歴や職歴、犯罪歴などの経歴を偽ることをいいます。このような経歴詐称は、一般には、使用者と労働者間の信頼関係を壊し、労働力の評価を誤らせ、人事異動等に関する秩序を乱すものであることから、裁判例(スーパーバッグ事件最高裁第一小法廷平成3年9月19日判決)は、詐称された経歴が最終学歴や職歴など、重要なものであることを前提として、経歴詐称の懲戒事由該当性を肯定しています。経歴を……

職務規律違反・不正行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 職務規律違反とは、労働の遂行その他の行動に関するルール違反のことをいい、暴行、脅迫行為、ハラスメント行為、業務妨害行為、横領などの不正行為等があります。
 まず、セクハラ行為が被害者及び会社に及ぼす影響の重大性から、セクハラを理由とする厳格な懲戒処分例が増えるとともに、処分の有効性が争われる事例も目立ってきています。L館事件では、原審は、女性従業員に対する管理職のセクハラ発言を理由……

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