ワード:「懲戒」
企業秘密を他社に漏えいする。
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1. 労働者の秘密保持義務
労働者は、労働契約に付随する義務として、会社の業務上の秘密を守る義務(秘密保持義務)を負うと解されています。
労働契約上の秘密保持義務の対象となる「秘密」の範囲は、当事者間の合意に委ねられているところがあり、一般的には不正競争防止法にいう「営業秘密」よりも広いと解されていますが、必ずしも社員が職務上知り得た全ての情報が「秘密」になるわけ……
労働契約上の秘密保持義務の対象となる「秘密」の範囲は、当事者間の合意に委ねられているところがあり、一般的には不正競争防止法にいう「営業秘密」よりも広いと解されていますが、必ずしも社員が職務上知り得た全ての情報が「秘密」になるわけ……
同僚に嫌がらせをする。
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1. 事実関係の把握
まずは事実関係を把握することが重要です。嫌がらせがあった日時、場所、内容を確認し、社員の言い分を聴取する際は、嫌がらせを受けたと思われる社員だけでなく、嫌がらせをしたと思われる社員、場合によっては周囲の社員からも話を聴くようにしましょう。
2. 注意・指導
嫌がらせが確認できた場合、まずは嫌がらせをした社員を注意指導することから始めるのが穏当です。注意……
無断欠勤を続けている。
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1. 連絡を試みる
本人と連絡を取るために様々な手段を試みることが重要です。電話、メール、自宅への訪問、両親等保証人に連絡して本人と連絡が取れるよう依頼することが考えられます。また、後日、連絡を試みたことが分かるように証拠を残しておくことが重要です。
このような方法を試みたものの長期間連絡が取れず、退職として処理したい場合には、以下の方法が考えられます。 2. ……
このような方法を試みたものの長期間連絡が取れず、退職として処理したい場合には、以下の方法が考えられます。 2. ……
使用者は、管理監督者の労働時間について自由裁量を認めなければならないのでしょうか?
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1. 労働時間の規制
規制なく残業し、休日にも出勤せざるを得ない管理監督者に対し、厳格な労働時間の規制をするのは問題ではありますが、だからといって、何時に出勤し、何時に帰宅するのかは全くの自由であると考えるべきではありません。
管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用……
管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用……
チェーン店の小売業、飲食業における管理監督者の範囲を教えてください。
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1. 管理監督者問題の経緯
東京地裁の平成20年1月28日の日本マクドナルド事件の判決後、労基法41条1号に該当する管理監督者について、企業は対応に苦慮することになりました。これまで、日本企業の多くが管理職を管理監督者として取り扱う傾向がありましたが、大きな労働問題になったことはありませんでした。しかし、管理監督者の問題は、サービス残業問題も絡んでいることから、行政が厳しく対応す……
遅刻・欠勤を繰り返す。
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1. 遅刻・欠勤に対する対応策
所定労働日に所定労働時間の労務を提供することは労働者の義務ですので、遅刻・欠勤は、労働契約上の義務違反になります。
会社側が執りうる手段は、注意・指導をすること、遅刻した時間・欠勤日の賃金を差し引くこと、懲戒処分が考えられます。 2. 注意・指導する 当該社員と面談することによって、遅刻・欠勤の理由を確認し、遅刻・早退届を提出……
会社側が執りうる手段は、注意・指導をすること、遅刻した時間・欠勤日の賃金を差し引くこと、懲戒処分が考えられます。 2. 注意・指導する 当該社員と面談することによって、遅刻・欠勤の理由を確認し、遅刻・早退届を提出……
専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、使用者は注意,懲戒処分,賃金カットをすることはできますか?
専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、当該労働者には勤務時間中は就労義務及び職務専念義務がありますので、労働契約等により就業時間中の組合活動を認めている等の特段の事情が無い限り、組合活動を止めるように注意し、改善しない場合には懲戒処分を行うことも許されると考えます。
専門業務型裁量労働制は、具体的な指揮命令権限がないとはいえ、明らかに労働を行ってい……
専門業務型裁量労働制は、具体的な指揮命令権限がないとはいえ、明らかに労働を行ってい……
専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか?
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1. 定義
裁量労働のみなし時間制とは、労働遂行や労働時間の配分に関して裁量性が高く、労働の量よりも労働の質、つまり内容や成果に着目して報酬を支払われる労働者に関して、労使協定等で定めれば、実際の労働時間にかかわらず、それだけの時間労働したとみなす制度のことです。
2. 裁量労働制の適用労働者
裁量労働制の適用労働者は、フレックスタイム制のフレキシブルタイムのように出退勤が……
身だしなみが乱れている。
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1. 会社が社員の身だしなみを制約することができるか
一般的に、自分の髪の色をどうするか、ひげを生やすか等といった事項は、各人に任せられ、尊重されるべきものです。
しかし、尊重されるべきなのは、あくまでも私生活上の場面においてですので、会社が労働契約関係のある社員に対して、仕事上、必要かつ合理的な範囲で制約を課すことは可能と考えます。
必要かつ合理……
しかし、尊重されるべきなのは、あくまでも私生活上の場面においてですので、会社が労働契約関係のある社員に対して、仕事上、必要かつ合理的な範囲で制約を課すことは可能と考えます。
必要かつ合理……
経歴を詐称した。
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1. 経歴詐称が判明した場合の対応
経歴を詐称していたことが分かる証拠を確保した上で、本人から事情を聞くことが必要です。事情聴取の後、本人が自主的に退職する意思があるかどうかを確認し、退職意思がある場合には退職届を提出してもらい、退職の手続をとることになります。
本人に退職する意思がない場合には、普通解雇(本採用拒否)、懲戒解雇(諭旨解雇)を検討します。 2. ……
本人に退職する意思がない場合には、普通解雇(本採用拒否)、懲戒解雇(諭旨解雇)を検討します。 2. ……
会社のパソコンで私用メール等をする。
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1. 会社にパソコンの管理権があること及び社員に職場秩序維持義務があること
会社が貸与したパソコンは会社の所有物であり、インターネットの接続費用も会社が負担していることから、パソコンの利用には会社の施設管理権が及びます。また、社員は、職場内では職場秩序維持義務を負います。
これらのことから、会社は社員に対して、就業中はもちろんのこと、休憩時間中であっても、社用パソ……
これらのことから、会社は社員に対して、就業中はもちろんのこと、休憩時間中であっても、社用パソ……
喫煙時間は労働時間に該当しますか?
近年、職場に対する喫煙対策として、事業場全体を禁煙とする方法や、喫煙室でのみ喫煙を認め、それ以外の場所では禁煙とする方法が多く行われています。
このため、喫煙者は、喫煙するために業務を一時中断し、喫煙室に移動して喫煙する必要があり、このような喫煙の時間が労働時間といえるかどうかが問題となります。
喫煙の時間は、作業に従事していないことが明らかですから、手待ち時間と……
このため、喫煙者は、喫煙するために業務を一時中断し、喫煙室に移動して喫煙する必要があり、このような喫煙の時間が労働時間といえるかどうかが問題となります。
喫煙の時間は、作業に従事していないことが明らかですから、手待ち時間と……
試用期間中の社員の能力が低い。
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1. 本採用拒否
(1) 新規採用の段階と本採用拒否の段階での違い
新規採用の場面では、契約自由の原則から、採用申込者を雇用するかを自由に決めることができます。雇用契約を締結しなかったとしても、その理由や証拠は不要です。ただし、男女雇用機会均等法などに違反した場合には不法行為責任が生じる可能性があります。
試用期間中の社員との間の契約関係は、特段の事情が認められ……
試用期間中の社員との間の契約関係は、特段の事情が認められ……
労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。
労基法上,就業規則の作成義務,労基署への届出義務が課されているのは労働者が10人以上の場合ですので,労働者が10人未満であれば就業規則の作成義務はありません。
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
就業規則を作成する際の手順を教えてください。
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1.就業規則の作成義務
常時10人以上の労働者を使用する場合には,就業規則の作成義務と労基署への届出義務があります。労働者は,正社員,パート,契約社員などの雇用形態を問わず当該事業場で使用されている者をいいます。
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合,退職金を不支給にすることはできますか?
就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支給しない。」と定めている会社がありますが,この定め方では,社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚したとしても退職金を不支給とすることはできません。なぜなら,既に退職している社員を懲戒解雇することはできないからです。
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
不当労働行為における不利益取扱いについて教えてください。
不当労働行為における不利益取扱い(労働組合法7条1号)は,労働者が①労働組合の組合員であること,労働組合に加入しもしくは結成しようとしたこと,労働組合の正当な行為をしたことを,②理由に当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。
不利益取扱いは,雇用関係上の地位に関するもの(解雇,再採用拒否等),人事上の処遇に関するもの(配転,出向,昇給・昇格差別,懲戒処分,基本給等の賃金差別等……
不利益取扱いは,雇用関係上の地位に関するもの(解雇,再採用拒否等),人事上の処遇に関するもの(配転,出向,昇給・昇格差別,懲戒処分,基本給等の賃金差別等……
労働者の賃金を減額する方法はどのようなものがありますか。
労働者の賃金を減額する方法として,次のものが挙げられます。
① 懲戒処分として減額
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……
労働者が「解雇をされても異議を申し出ない」旨の書面を提出している場合,懲戒解雇は有効ですよね?
労働者が「懲戒解雇をされても異議を申し出ない」旨の書面を提出したとしても,これは懲戒解雇を有効とする要素にはならないと考えます。
裁判例でも,情報漏洩を疑われていた労働者が,「解雇されても異議がない」旨の書面を提出していた事案について,「(当該書面は)被告会社から懲戒解雇に至らない寛大な処置を受けられるようにと期待したものであって,真意にでたものとは認めがたい」とし,懲戒解雇を無……
裁判例でも,情報漏洩を疑われていた労働者が,「解雇されても異議がない」旨の書面を提出していた事案について,「(当該書面は)被告会社から懲戒解雇に至らない寛大な処置を受けられるようにと期待したものであって,真意にでたものとは認めがたい」とし,懲戒解雇を無……
懲戒処分をした者の氏名や事実を公表することはできますか。
就業規則に「懲戒事実を公表することがある」旨の規定を定め,従業員に周知していれば,労働者の氏名も含めて公表することはできます。
しかし,公表内容等がプライバシー侵害や名誉毀損に該当しないように注意する必要がありますので,原則として氏名は公表せずに,例外的に氏名を公表するのは,懲戒事実が悪質・重大で企業内外への影響が大きいといった場合に限るのが妥当だと考えます。 ……
しかし,公表内容等がプライバシー侵害や名誉毀損に該当しないように注意する必要がありますので,原則として氏名は公表せずに,例外的に氏名を公表するのは,懲戒事実が悪質・重大で企業内外への影響が大きいといった場合に限るのが妥当だと考えます。 ……