ワード:「経営者」

6か月にわたり毎月10%減給する懲戒処分をすることはできますか。

この記事の結論 1 6か月間10%減給は労基法91条に違反し無効 6か月にわたり10%減給する懲戒処分は、「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならない」とする労基法91条に違反し無効となります。 2 減給制裁には2つの上限がある ①一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならない、②総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の……

就業規則の作成届出義務(労基法89条)の「10人以上」は、企業単位と事業場単位のどちらで判断しますか。

この記事の結論 1 「常時10人以上」は事業場単位で判断するのが一般 就業規則の作成届出義務における「常時10人以上の労働者を使用する」かどうかは、事業場単位で判断するのが一般的です。企業全体の人数ではなく、各事業場ごとの人数で判断します。 2 A事業場7名・B事業場7名の場合、どちらにも作成届出義務はない 各事業場がそれぞれ独立……

年次有給休暇を買い上げることはできますか。

この記事の結論 1 強制買い上げは不可。合意による買い上げも原則として認められない 使用者が強制的に年休を買い上げることはできず、労働者との合意による買い上げも、労基法39条の趣旨(「休暇を与える制度」)に反するものは労基法13条により無効となります。 2 例外的に認められる買い上げは2場面 ①退職時に消化しきれなかった年休の買い……

年次有給休暇は、いつまで繰り越さなければなりませんか。

この記事の結論 1 年次有給休暇の消滅時効は2年(労基法115条) 労基法上の年次有給休暇の消滅時効は2年と考えられています(労基法115条)。当該年度に消化できなかった年休は翌年度(2年間)まで繰り越す義務があります。 2 就業規則で繰越禁止は定められない 2年の時効は労基法上の最低基準であり、就業規則で「繰越禁止」と定めても労……

所定労働時間が日で異なるパートの年休取得日の賃金格差は、どうすればよいですか。

この記事の結論 1 所定労働時間が日によって異なる以上、賃金格差はやむを得ない 「通常の賃金」方式のもとでは、所定労働時間がその日によって変わる以上、年休取得日によって支給額が変わることはやむを得ません。根本的な解決策は所定労働時間の均一化です。 2 年休中の賃金算定には3つの方式がある ①通常の賃金(原則)、②平均賃金(就業規則……

「全労働日」(労基法39条1項)とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 「全労働日」とは所定労働日のこと 「全労働日」(労基法39条1項)とは、所定労働日を指します。総歴日数から所定休日を除いた日のことです。 2 休日労働した日は「全労働日」に含まれない 所定休日に出勤した(休日労働)としても、その日は「全労働日」には含まれません。全労働日はあくまで所定労働日の総数であり、実際の労……

年休の出勤率算定で、産前産後休業期間は出勤扱いになりますか。

この記事の結論 1 産前産後休業期間は出勤したものとみなされる 産前産後休業期間は、労基法39条8項により、年次有給休暇の出勤率算定上は出勤したものとみなされます。 2 業務上の災害による休業・育児介護休業も同様にみなし出勤 産前産後休業のほか、業務上の災害による休業期間、育児介護休業の期間についても、労基法39条8項により出勤し……

年休付与の「8割以上出勤」に、遅刻・早退した日は含まれますか。

この記事の結論 1 出勤率は労働日を単位として計算する 労基法39条1項の出勤率は、労働日を単位として計算すべきものです。1日のうちに何時間働いたかではなく、その日に出勤したかどうかという観点で判断されます。 2 遅刻・早退した日でも「出勤」として取り扱われる 遅刻・早退した日であっても、その日に出勤したことに変わりはありません。……

「年休なし」の合意があっても、年休取得に応じる必要はありますか。

この記事の結論 1 「年休なし」の合意は労基法13条により無効 労基法に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となります(労基法13条)。「年休なし」という合意は労基法39条の基準に達しないため、無効です。 2 書面による合意・署名押印があっても結論は変わらない 仮に「年休がない」旨を書面で合意し、……

社員2名の零細企業でも、年休取得を認めなければなりませんか。

この記事の結論 1 零細企業であっても年休取得は原則として認めなければならない 社員が2名しかいない会社であっても、年休取得を一切認めないという運用は許されません。年休は労働者の権利であり、事業規模にかかわらず保障されます。 2 小規模であることは時季変更権が認められやすくなる一要素にとどまる 年休取得により常に事業運営に支障が生……

「事業の正常な運営を妨げる場合」(労基法39条5項)は、どのように判断しますか。

この記事の結論 1 当該労働者の所属する事業場を基準に客観的に判断する 「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するかどうかは、当該労働者の所属する事業場を基準として、諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきとされています。 2 考慮要素は事業規模・作業内容・繁閑・代行者配置の難易等 事業の規模・内容、当該労働者の担当する作業の内容・……

事前申請ルールに違反した場合、年休を一切認めない運用にできますか。

この記事の結論 1 3日前申請ルールを設けること自体には合理性がある 代替要員の手配等の必要性から、年休取得日の3日以上前に会社指定の書式で申請するルールを設けること自体には一応の合理性が認められ、許容されるものと考えられます。 2 期限に遅れたことだけを理由に年休取得を一切認めない運用は問題がある 申請期限を過ぎたからといって一……

退職予定の社員の年休付与日数を、残勤務期間で日割計算できますか。

この記事の結論 1 退職間近であっても労基法所定の日数を付与しなければならない 労基法は退職間近であるか否かによって年休の付与日数を変えていません。1年6か月継続勤務して所定の出勤要件を満たした社員には、退職予定であっても11日の年休を付与する必要があります。 2 日割計算して付与日数を減らすことはできない 年休付与日数を残勤務期……

未消化年休のため退職日の変更を求める社員に、応じる必要はありますか。

この記事の結論 1 退職後の年休取得はできない 年次有給休暇は在職中の労働者に対し有給で労働義務を免除するものです。退職日を以て労働契約は終了しており、労働契約が終了した時点で年休を取得する権利は消滅します。 2 退職日の変更要求に応じる法的義務はない 退職した社員が退職日を1か月程度先に変更したいと言ってきた場合、法的にこの申し……

退職間近の社員が全日年休を申請した場合、拒否して引継ぎをさせることはできますか。

この記事の結論 1 退職日までの全日年休取得を拒絶することは原則としてできない 退職後に年休を与えることはできないため、退職日までの全労働日の年休取得を申請された場合、よほど信義則に反するような事情がない限り、時季変更権の行使ができず、拒絶することはできないと考えられます。 2 時季変更権は「他の時季に与える」ものであり、権利自体を……

パートの所定労働日数・時間が変わった場合、年休付与日数はいつを基準に決めますか。

この記事の結論 1 年休の付与日数は「基準日」の所定労働日数・時間で決まる 付与すべき年次有給休暇の日数は、年次有給休暇を取得する権利が発生した日(基準日)の所定労働日数・所定労働時間によって決まります。 2 基準日前後に変更があっても付与日数は変わらない 基準日前に所定労働日数や所定労働時間が変更されていたり、基準日後に変更され……

パート・アルバイトにも、年次有給休暇を与える必要がありますか。

この記事の結論 1 パート・アルバイトにも年次有給休暇の付与が必要 パート・アルバイトであるからといって、直ちに年次有給休暇を与える必要がないわけではありません。所定労働時間や日数に応じた付与が法律上義務付けられています。 2 一定の条件を満たすパート・アルバイトには正社員と同様の日数を付与する 週所定労働時間30時間以上、又は週……

労働委員会の命令への取消訴訟の提起に、期間制限はありますか。

この記事の結論 1 申立人(労働組合側)は6か月以内に取消訴訟を提起する 都道府県労働委員会の命令書又は決定書を受け取った日から6か月以内に、地方裁判所に取消訴訟を提起する必要があります。 2 被申立人(会社側)は30日以内に取消訴訟を提起する 被申立人(会社側)の場合は、命令書又は決定書を受け取った日から30日以内に取消訴訟を提……

労働委員会の命令への中労委再審査申立てに、期間制限はありますか。

この記事の結論 1 命令書受領日の翌日から15日以内に再審査申立書を提出する 都道府県労働委員会の命令書又は決定書を受け取った日の翌日から数えて15日以内に、中央労働委員会に再審査申立書を提出する必要があります。 2 この期間制限は申立人・被申立人共通 15日という期間制限は、申立人(労働組合側)・被申立人(会社側)のいずれにも共……

労働委員会の命令に不服がある場合、会社側はどのように争えますか。

この記事の結論 1 中央労働委員会への再審査申立てにより争うことができる 都道府県労働委員会の命令・決定に不服がある場合、中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てることができます。命令書等を受け取った日の翌日から15日以内に申し立てる必要があります(472番参照)。 2 地方裁判所への取消訴訟の提起により争うことができる 中労委……

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