ワード:「経営者」

パワハラの定義を教えて下さい。

 「パワハラ」は法律用語ではないこともあり、明確な定義はありません。
 『職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告』(平成24年1月30日)が、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」としているのが参……

少数組合の組合員など労働協約の効力が及ばない社員に対し平均賃金の60%の休業手当を超えて賃金を支払う必要があるかどうかについては、従来、どのような問題として争われてきましたか。

 少数組合の組合員など労働協約の効力が及ばない社員に対し平均賃金の60%の休業手当を超えて賃金を支払う必要があるかどうかについては、従来、民法536条2項の「使用者の責めに帰すべき事由」の存否の問題として争われてきました。
 例えば、いすゞ自動車事件宇都宮地裁栃木支部平成21年5月12日決定は、使用者が労働者の正当な(労働契約上の債務の本旨に従った)労務の提供の受領を明確に拒絶した場……

民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。

 民法536条2項は任意規定であり特約で排除することができますので、民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、理論的には平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りるはずですが、裁判所は、就業規則等による民法536条2項の適用除外について慎重に判断する傾向にあります。
 例えば、いすゞ自動車(雇止め)事件東京地裁平成24年4……

民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨の労働協約が締結された場合には、当該労働組合の組合員については、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。

 民法536条2項は任意規定であり特約で排除することができますので、民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨の労働協約が締結された場合には、当該労働組合の組合員については、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足ります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

使用者の責めに帰すべき事由による休業がなされた場合における休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約、就業規則、個別合意により排除することはできませんか。

 労基法は労働協約、就業規則、個別合意に優先して適用されますので(労契法13条、労基法13条・92条)、使用者の責めに帰すべき事由による休業がなされた場合における休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約、就業規則、個別合意により排除することはできません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合、休業手当を支払う必要がありますか。

 会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合は、通常は使用者の責めに帰すべき事由があると言わざるを得ないため、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります(労基法26条)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しなかった場合、次年度の年俸額はどうなりますか。

 次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しなかった場合、次年度の年俸額がどうなるかは労働契約の解釈の問題です。トラブルを予防するためにも、労働契約上明確にしておくべきでしょう。
 裁判例は、使用者の提示額を超えては請求できないとされたもの、前年度実績の年俸額を支給すべきものとされたもの等があり、事案により結論が分かれています。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表……

年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができますか。

 年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができるかどうかは労働契約の解釈の問題ですが、一般的には、年度途中で年俸額を一方的に引き下げることはできないケースが多いものと思われます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

諸手当を廃止したり支給を停止したりすることはできますか。

 賃金規程で定められた諸手当を廃止したり支給を停止したりする場合は,賃金規程を変更したり附則に支給を停止する旨定めたりする必要があり,就業規則の不利益変更の問題となります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

賞与を支給しないことはできますか。

 個別労働契約、就業規則、労働協約で一定額・割合の賞与を支給する義務が定められていない場合には、使用者には賞与を支給する義務がないため、賞与を支給しなくても法的には問題がありません。
 一定額以上の賞与支給が労使慣行になっているとして賞与請求がなされることがありますが、労使慣行の成立が認められるケースは多くありません。民法92条により法的効力のある労使慣行が成立していると認められるた……

ベースアップを凍結することはできますか。

 ベースアップは労使交渉により特段の決定がなされない限り行う必要がありません。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

定期昇給を凍結することはできますか。

 就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められている場合に定期昇給を凍結するためには、定期昇給を凍結する旨の労働協約を締結するか、定期昇給を凍結する旨就業規則の附則に定める等の就業規則の変更が必要となります。
 労働協約を締結できず、定期昇給を凍結する旨の就業規則の変更に関し同意が得られない場合は、就業規則変更により一方的に労働条件の変更をせざるを得ませんが、その合理性(……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じますか。

 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じることになりますが、賃金減額に対する社員の同意の認定は慎重になされることが多いため「口頭」での同意では同意なしと認定されるリスクが高いものと思われます。賃金減額に対する社員の同意は「書面」で取るようにして下さい。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じませんか。

 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合には、それらの効力が個別合意に優先するため(労組法16条、労契法12条)、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じず、労働協約、就業規則を変更して初めて賃金減額の効力が生じることになります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

就業規則の変更により賃金を減額する場合に要求される合理性の程度を教えて下さい。

 賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるとされています(大曲市農協事件最高裁昭和63年2月16日第三小法廷判決)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代……

労契法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと考えてよろしいでしょうか。

 「就業規則の不利益変更は、それに同意した労働者には同法9条によって拘束力が及び、反対した労働者には同法10条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し、そして上記の趣旨からして、同法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」(協愛事件大阪高裁平成22年3月18日判決)との見解が妥当と思われますが、労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えて下さい。

 就業規則の変更により賃金を減額する場合は、就業規則の不利益変更に該当するため、就業規則の変更が有効となるためには、以下のいずれかの場合である必要があります。
 ① 労働者と合意して就業規則を変更したとき(労契法9条反対解釈)
 ② 変更後の就業規則を周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労……

具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約により処分又は変更することは許されますか。

 具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約により処分又は変更することは許されません(香港上海銀行事件最高裁平成元年9月7日第一小法廷判決)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合の組合員に対する効力を教えて下さい。

 労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合、それが組合員にとって有利であるか不利であるか、当該組合員が賛成したか反対したかを問わず、労働協約で定められた賃金額が労働契約で定められた賃金額に優先して適用されるのが原則です(労組法16条)。したがって、労働者が賃金減額に反対していたとしても、当該労働者が加入している労働組合との間で賃金を減額することを内容とする労働協約を締結すれば、賃金を減額……

飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い一番の理由は、飲食業では会社経営者が残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が低いことにあると考えています。飲食業の経営者に残業代(割増賃金)を支払わない理由を聞いてみると、
 「飲食業だから。」
 「昔からそういうやり方でやってきて、問題になったことはない。」
 「飲食業で残業代なんて支……

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