ワード:「経営者」

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の適用対象労働者を教えて下さい。

 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の適用対象労働者は,管理監督者をはじめとする労働基準法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除いた全ての労働者です。
 もっとも,本ガイドラインが適用されない労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者……

定年後の再雇用を求める。

1 再雇用を拒否できる場合
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)は,平成24年の高年法改正により,65歳未満の定年の定めをしている事業主は,①定年の引き上げ,②継続雇用制度の導入(再雇用制度を含む),③定年の定めの廃止のいずれかの雇用確保措置を講じるよう義務付けました(高年法9条)。
 継続雇用(再雇用)の拒否は,解雇事由と同様の事情がある場合にできると考え……

労働時間規制の適用除外について,どのようなことが問題になりやすいですか?

 労働基準法41条では,次の3種類の労働者について,法定労働時間や休憩・休日の規制の適用除外を認めています。
①農業,畜産業,養蚕業,水産業に従事する者(林業は含まれません)
②管理監督者の地位にある者または機密の事務を取り扱う者
③監視または断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けた者
 ところが,②の管理監督者の意味を誤解し……

労基法上の労働時間規制の適用除外者とは,どのような社員のことをいうのですか?

1.労働時間規制の適用除外者とは
 労基法では,法定労働時間や休憩・休日に関し,最低限の基準が定められており,それを超えて働かせた場合,割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。その一方で,労基法41条では,次の3種類の労働者について,法定労働時間や休憩・休日の規制の適用除外を認めています。
①農業,畜産業,養蚕業,水産業に従事する者(林業は含まれません……

労働組合法上の労働者性が問題となりうる類型と裁判例を教えてください。

1 個人事業者の契約形態下にある特殊技能者
 ① CBC管弦楽団事件(最高裁昭和51年5月6日判決)
 ② 新国立劇場運営財団事件(最高裁平成23年4月12日判決) 2 業務委託契約者
 ③ INAXメンテナンス事件(最高裁平成23年4月12日判決)
 ④ ビクター事件(最高裁平成24年2月21日判決) 3 説明
 ①と②は……

不当労働行為として禁止されている支配介入はどのような行為のことをいいますか。

 支配介入には,使用者の組合結成・運営に対する干渉行為,経費援助や諸々の組合弱体化行為などがあります。
 労働組合の結成に対する支配介入としては,組合結成のあからさまな非難,組合結成の中心人物の解雇または配転,従業員への脱退や不加入の勧告ないし働きかけ,先んじてまたは並行して親睦団体を結成させることなどである。
 労働組合の運営に対する支配介入としては,組合活動家の解雇……

部長には残業代を支払わなくて良いのですか。

 部長という肩書きであってもそれだけで残業代を支払わなくて良いことにはならず,時間外割増賃金と休日割増賃金の支払を免れるためには労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)に該当しなければなりません。管理監督者に該当したとしても,深夜に労働させた場合には深夜割増賃金を支払う必要があります。  管理監督者といえるかどうかは,
① 職務内容,権限および責任の重……

企業経営者の自宅付近で行われる労働組合による街宣活動が違法と評価されるのはどのような場合ですか。

 企業経営者の自宅付近で行われる街宣活動は,会社前路上などで行われる通常の街宣活動と比べて,大幅に制約されることになり,企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて,表現の自由の行使として相当性を有し,容認されることがあるにとどまることになります。
 労使関係の場で生じた問題は,労使関係の領域である職場領域で解決すべき問題であ……

飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 飲食業で残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い一番の理由は,飲食業では会社経営者が残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が低いことにあると考えています。飲食業の経営者に残業代(割増賃金)を支払わない理由を聞いてみると,
 「飲食業だから。」
 「昔からそういうやり方でやってきて,問題になったことはない。」
 「飲食業で残業代な……

運送業を営む会社を経営していますが,給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手にはどのように対応すればいいでしょうか。

 運送業を営む会社においては,給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手は珍しくありません。従来,こういった運転手にお金を貸し付けて給料から天引きして返してもらうことが多かったようですが,会社経営者のために労働問題を扱っている弁護士の目から見てあまりお勧めできません。
 一般論として,「友達にはお金を貸してはいけない。」「友達にお金を貸したら,友達ではなくな……

運送業を営む会社における労働時間管理のポイントを教えて下さい。

 運送業を営む会社の特徴は,トラック運転手が事業場を離れて運転業務に従事する時間が長いため,出社時刻と退社時刻の確認を除けば,現認による勤務状況の確認が事実上不可能な点にあります。したがって,出社時刻と退社時刻の確認をして運転日報等に記録させるのは当然ですが,経営者の目の届かない客先や路上での勤務状況,労働時間の把握が重要となってきます。
 特に問題となりやすいのは休憩時間の把握で……

運送業を営む会社が残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

 運送業のトラック運転手は従来,自営業者意識が濃厚な傾向があり,トラック運転手のそういった傾向に対応して,運送業の会社経営者は残業代(割増賃金)を支払わなければならないという意識が希薄な傾向にありました。運送業では,トラック運転手の給料が「1日現場に行って来たら1万○○○○円」といった形で定められている会社が多く,労働者というよりは個人事業主に近い形で労務管理がなされている傾向にあります。昔からそ……

定額(固定)残業代の支給名目はどのようなものがいいでしょうか。

 定額(固定)残業代を支給する場合は,基本給の中に一定の金額・時間分の残業代が含まれる扱いにしたり,営業手当等の名目で一定額を支給する扱いにしたりするよりも,「残業手当」「時間外勤務手当」「深夜勤務手当」「休日勤務手当」等,それが残業代であることが給与明細書の記載から直ちに分かるよう記載しておくといいと思います。残業代であることが明白な名目で支給することにより,労働者の納得も得られやすくなり,……

定額(固定)残業代の有効性を判断する際のイメージを一言で教えて下さい。

 定額(固定)残業代の支払は,一定金額の時間外・休日・深夜割増賃金の支払がなされていることが明確であればあるほど,時間外・休日・深夜割増賃金の支払があったと認められやすくなり,時間外・休日・深夜割増賃金の支払がなされていることが分かりにくくなればなるほど,時間外・休日・深夜割増賃金の支払がなかったと認定されやすくなります。
 会社経営者は,普段は時間外・休日・深夜割増賃金とは分から……

残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており,誰からも文句が出ていないのですから,別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。

 残業代(割増賃金)込みで月給30万円とか,日当1万6000円と約束しており,それで文句が全く出ていないのだから,残業代(割増賃金)に相当する金額を特定していなくても,未払残業代(割増賃金)の請求を受けるはずはない,少なくともうちは大丈夫,と思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが,甘い考えと言わざるを得ません。現実には,解雇などによる退職を契機に,未払残業代(割増賃金)を請求するたくさん……

当社は,同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,毎年,昇給もさせるなどして社員の残業に対して十分に報いていますから,残業代(割増賃金)を別途支払う必要はないですよね。

 それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し,昇給までさせているにもかかわらず,残業代(割増賃金)は全く支給しない会社が散見されます。社員の努力に対しては,基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから,それで十分と,経営者が考えているからだと思われます。
 しかし,高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはなりませんし,毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価……

従来の一般的な判断基準とは異なる判断基準を用いて管理監督者該当性を判断する見解にはどのようなものがありますか。

 『労働法 第十版』(菅野和夫著)340頁は,「近年の裁判例をみると,管理監督者の定義に関する上記の行政解釈のうち,『経営者と一体の立場にある者』,『事業主の経営に関する決定に参画し』については,これを企業全体の運営への関与を要すると誤解しているきらいがあった。企業の経営者は管理職者に企業組織の部分ごとの管理を分担させつつ,それらを連携統合しているのであって,担当する組織部分について経営者の分……

訴訟における管理監督者に該当するかどうかの一般的な判断基準はどのようなものですか。

 管理監督者は,一般に,「労働条件の決定その他労務管理について,経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ,管理監督者であるかどうかは,
 ① 職務の内容,権限及び責任の程度
 ② 実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無,労働時間管理の程度
 ③ 待遇の内容,程度
などの要素を総合的に考慮して判断されます。ただし,①②の要素を充足しない場合には……

行政解釈は,店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かをどのように判断するものとしていますか。

 行政解釈は,「店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かについては,昭和22年9月13日基発17号,昭和63年3月14日基発150号に基づき,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者であって,労働時間,休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し,現実の勤務態様も,労働時間等の規制になじまないような立場にあるかを,職務内容,責……

行政解釈は管理監督者をどのように考えていますか。

 行政解釈は,労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)を「一般的には,部長,工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」とした上で,管理監督者に当たるかどうかは,「名称にとらわれず,実態に即して判断すべきものである。」としています。

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