労働問題975 事業場外みなし時間制での深夜・休日労働の残業代【労働問題975】

 事業場外みなし労働時間制を採用していれば、深夜や休日に働かせても残業代が不要と誤解されることがありますが、これは間違いです。

 このページでは、事業場外みなし労働時間制における深夜・休日労働の残業代について、労働問題を専門とする弁護士が解説します。

01深夜・休日の割増賃金はみなし制でも適用される

 事業場外労働のみなし時間制を採用していたとしても、深夜や休日といった労働時間の「配置」に関する規定の適用は排除されません。事業場外みなし労働時間制が修正するのは労働時間の「長さ」の計算方法に関するものであり、深夜・休日の割増賃金規定(労基法37条)は引き続き適用されます。

 したがって、深夜時間帯(午後10時〜午前5時)に労働させた場合は深夜割増賃金(25%割増)を、法定休日に労働させた場合は休日割増賃金(35%割増)を支払わなければなりません。

02実務上の注意点

 事業場外みなし労働時間制を適用している場合であっても、深夜・休日の労働に関してはその時間帯の業務の実態を把握する必要があります。外回り営業等において深夜に業務を行った場合も割増賃金の支払義務が生じますので、労働者に対して深夜・休日の業務実態を報告させる仕組みを整えておくことが重要です。

弁護士 藤田 進太郎

監修者弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

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弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

03よくある質問

Q.外回り営業の社員が夜間に顧客と会食した場合も深夜割増賃金が必要ですか?

A.会食が「業務命令に基づく労働」に該当する場合は、深夜時間帯(22時〜5時)の部分について深夜割増賃金が必要です。単なる親睦目的の任意参加の場合は「労働」に当たらない可能性があります。個々の状況に応じた判断が必要です。

Q.みなし時間制でも深夜に働いた時間を把握しなければなりませんか?

A.はい、深夜・休日の割増賃金を適正に支払うためには、深夜や休日に業務を行ったかどうかの確認が必要です。労働者に自己申告させる等の方法で把握することが求められます。

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最終更新日:2026年5月17日

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