労働問題973 事業場外のみなし労働時間制の労働時間数はどのようにみなされますか。

 事業場外のみなし労働時間制の労働時間数のみなしの方法について、労基法38条の2では、以下のとおり定めています。

1.所定労働時間のみなし
 事業場外のみなし労働時間制のみなし労働時間数は、原則、所定労働時間です。
 所定労働時間が8時間の場合には、実労働時間が8時間を超えたとしても、8時間労働したものとみなされ、残業代も生じません。

2.通常必要とされる時間のみなし
 事業場外のみなし労働時間制のみなし労働時間数は、上記1のとおり、原則、所定労働時間ですが、当該日の業務を遂行するためには、通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、通常必要とされる時間労働したものとみなされます。
 「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間をいいます(行政通達昭和63年1月1日基発1号)。
 したがって、所定労働時間が8時間であり、事業場外労働のみなし時間制が適用される場合であっても、当該業務の遂行に通常必要とされる時間が9時間であると認められる場合には、9時間労働したものとみなされることになり、時間外労働時間1時間に対して時間外割増賃金(残業代)を支払う必要があります。

3.労使協定によるみなし
 上記2と同様に、当該業務を遂行するためには、通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合において、みなされる労働時間数を労使協定により定めておくことが可能です。労使協定は、業務の実態を把握した上で結ぶことが適切です。
 労使協定において定める「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」は、1日についての時間数を協定すべきものであり、時間外労働時間数を含めて「月○○時間」などと協定することはできないと考えられています(厚生労働省労働基準法上538頁参照)。
 労使協定によるみなし労働時間が認められるためには、当該労使協定を周知する必要があるほか、法定労働時間を超えるみなし時間を協定した場合には、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。
 また、上記2と同様、みなし時間が法定労働時間を超える場合には、その超える部分に対して残業代を支払う必要があります。

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