労働問題951 定額残業代(みなし残業代)とはどういうものですか?
定額残業代(みなし残業代)とは、毎月決まった金額を見込みの残業代として、実際の残業の有無にかかわらず一定に支給する制度のことをいいます。
労基法が残業代について使用者に命じているのは、時間外・休日・深夜労働に対し、労基法の基準を満たす一定額以上の割増賃金を支払うことですから、その要件を満たしていれば、労基法所定の計算方法をそのまま用いなくても問題ありません。
定額残業代(みなし残業代)の形態には、主に、基本給とは区別して支払う方法と、基本給に組み込んで支払う方法があり、いずれも労基法違反ではないとされています。ただし、基本給に組み込んで支払う場合は、通常の労働時間に対する給与部分と、定額残業代(みなし残業代)部分とがきちんと判別できるようにする必要があります。通常の労働時間に対する給与部分と、定額残業代(みなし残業代)部分が判別できない場合、当該定額残業代(みなし残業代)が残業代の支払と認められなくなる可能性が高くなります。
また、定額残業代(みなし残業代)を支給していたとしても、実際の残業時間が定額残業代(みなし残業代)分を超える場合には、超えた部分の残業代を追加で支払う必要があります。
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