Q969 フレックスタイム制では,どのような場合に残業代の支払義務が生じますか?

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 フレックスタイム制では,清算期間内における実労働時間が清算期間における法定労働時間の総枠を超えた場合に,残業代の支払義務が生じます。
 なお,完全週休二日制の事業所で,1か月の精算期間内の総労働時間を,所定労働日の各日8時間労働するものとして定めたような場合,曜日の関係で清算期間中の実労働時間が法定労働時間の総枠を超えるケースが考えられますが,このような場合について,行政解釈上,以下のとおり特例が設けられています。

【行政通達平成9年3月31日基発228号】
 フレックスタイム制を採用した場合における時間外労働の計算方法について、下記のとおり取り扱うこととし、平成9年4月1日から適用することとしたので、了知されたい。

1 趣旨
 労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第32条の3に規定するフレックスタイム制を採用した場合における時間外労働となる時間については、昭和63年1月1日付け基発第1号により、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間とされ、その計算については、
 清算期間における法定労働時間の総枠=週の法定労働時間×(清算期間における暦日数/7)
とされているところである。
 しかしながら、清算期間を法律上認められている最長の1箇月とした場合においては、例えば、清算期間を通じて完全週休2日制を実施しており、かつ、労働者の実際の労働日ごとの労働時間がおおむね一定で、各月ごとの労働の実態が変わらないときであっても、清算期間における曜日の巡り及び労働日の設定の如何によっては、上記の清算期間における法定労働時間の総枠を超えることとなる場合があるが、法第32条の原則による場合との均衡を考えると、このような場合については、2のとおり計算することとし、時間外労働として取り扱わないこととしても、法の趣旨を損なうものとは考えられないことから、以下のとおり取り扱っても差し支えないこととするものであること。
 なお、この計算方法は、フレックスタイム制においては、各日の始業及び終業の時刻が労働者の自主的な選択にゆだねられていることから認められるものであり、他の変形労働時間制には適用される余地がないものであること。

2 計算方法
 フレックスタイム制の下で(1)の要件を満たす場合に限り、(2)のとおり取扱うものとすること。
(1) 要件
① 清算期間を1箇月とするフレックスタイム制の労使協定が締結されていること。
② 清算期間を通じて毎週必ず2日以上休日が付与されていること。
③ 当該清算期間の29日目を起算日とする1週間(以下「特定期間」という。)における当該労働者の実際の労働日ごとの労働時間の和が法第32条第1項に規定する週の法定労働時間(40時間)を超えるものでないこと。
④ 清算期間における労働日ごとの労働時間がおおむね一定であること。したがって、完全週休2日制を採用する事業場における清算期間中の労働日ごとの労働時間についてはおおむね8時間以下であること。

(2) 取扱い
 (1)の要件を満たす場合における法第32条の3に規定する「清算期間として定められた期間を平均」した1週間当たりの労働時間については、次の計算の方法によることも差し支えないものとする。
 [清算期間(A)として定められた期間を平均した1週間の労働時間]={[清算期間(A)における最初の4週間(B)の労働時間]+[特定期間(C)における労働時間]}÷5


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