ワード:「懲戒解雇」
経歴詐称を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。
経歴詐称とは、採用時に、学歴や職歴、犯罪歴などの経歴を偽ることをいいます。このような経歴詐称は、一般には、使用者と労働者間の信頼関係を壊し、労働力の評価を誤らせ、人事異動等に関する秩序を乱すものであることから、裁判例(スーパーバッグ事件最高裁第一小法廷平成3年9月19日判決)は、詐称された経歴が最終学歴や職歴など、重要なものであることを前提として、経歴詐称の懲戒事由該当性を肯定しています。経歴を……
職務規律違反・不正行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。
職務規律違反とは、労働の遂行その他の行動に関するルール違反のことをいい、暴行、脅迫行為、ハラスメント行為、業務妨害行為、横領などの不正行為等があります。
まず、セクハラ行為が被害者及び会社に及ぼす影響の重大性から、セクハラを理由とする厳格な懲戒処分例が増えるとともに、処分の有効性が争われる事例も目立ってきています。L館事件では、原審は、女性従業員に対する管理職のセクハラ発言を理由……
まず、セクハラ行為が被害者及び会社に及ぼす影響の重大性から、セクハラを理由とする厳格な懲戒処分例が増えるとともに、処分の有効性が争われる事例も目立ってきています。L館事件では、原審は、女性従業員に対する管理職のセクハラ発言を理由……
職務懈怠を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。
職務懈怠とは、労働の遂行が不適切なことをいい、無断欠勤、遅刻、早退、職場離脱、勤務不良、業務命令違反等が含まれます。
労働者による職務懈怠が客観的に認められるとしても、その原因や使用者の対応によっては、懲戒処分が無効になる場合があります。
裁判例では、精神的な不調のために欠勤を続けている社員について、使用者としては精神科医による健康診断を実施するなどした上で、その……
労働者による職務懈怠が客観的に認められるとしても、その原因や使用者の対応によっては、懲戒処分が無効になる場合があります。
裁判例では、精神的な不調のために欠勤を続けている社員について、使用者としては精神科医による健康診断を実施するなどした上で、その……
懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。
懲戒処分が法的に有効とされるためには、本人への弁明機会、賞罰委員会の開催、労働組合等の手続的保障がどこまで求められているのかが問題となります。
本人への弁明の機会は、規定の有無を問わず必要なものであり、実質的に行われる必要があります。裁判例(ホンダエンジニアリング事件宇都宮地裁平成27年6月24日判決)では、就業規則上、懲戒解雇に際して労働者に弁明の機会を与える旨の規定がない場合……
本人への弁明の機会は、規定の有無を問わず必要なものであり、実質的に行われる必要があります。裁判例(ホンダエンジニアリング事件宇都宮地裁平成27年6月24日判決)では、就業規則上、懲戒解雇に際して労働者に弁明の機会を与える旨の規定がない場合……
懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。
懲戒処分が法的に有効とされるためには、懲戒事由の他に、懲戒処分を就業規則に明確に定める必要があります。就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできず、判例(立川バス事件東京高裁平成13年9月12日判決)でも、就業規則において経歴詐称を理由とする懲戒処分の種類を懲戒解雇・出勤停止・減給・格下げにとどめるものと規定している場合には、懲戒の手段はこれらに限定されてしまい、より軽い譴責処分などであ……
懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。
懲戒処分が法的に有効とされるためには、まず、懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。ただし、懲戒事由が就業規則に定められた場合であっても、当該行為が懲戒事由に該当するか否かの判断において合理的な限定解釈を加えることは多くあります。また、一般の就業規則には、列記された懲戒事由の末尾に「その他、これに準ずる場合」という条項が置かれていることが多いですが、このような規定についても、合理的な限定……
懲戒処分とはどういうものですか?
懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。懲戒処分には、懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等があります。
労働契約法15条は、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない……
労働契約法15条は、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない……
降格にはどのような種類がありますか?
降格に関する法律上の定義はなく、その意味内容は多義的ではありますが、一般的には、労働契約上の根拠の違いに着目して、人事上の措置としての降格、懲戒処分としての降格に分類され、さらに、人事上の措置としての降格の中でも、職位や役職の引下げを指す場合、職能資格制度上の等級の引下げを指す場合、職務等級制度上の職務等級を引き下げる場合等があります。
職位や役職の引下げについては、例えば、課長……
職位や役職の引下げについては、例えば、課長……
出向先の会社が出向してきた社員を懲戒処分することはできますか。
出向社員は、出向先の会社の就業規則で定められた服務規律にしたがって労務提供することになりますので、出向社員が出向先の服務規律に違反した場合には、出向先は、出向社員を懲戒処分することができます。
ただし、出向社員との労働契約関係は出向元にありますので、出向先は、懲戒解雇、諭旨解雇といった労働契約の解約を伴う処分はできません。出向してきた社員が出向元の会社の解雇事由に該当するような行……
ただし、出向社員との労働契約関係は出向元にありますので、出向先は、懲戒解雇、諭旨解雇といった労働契約の解約を伴う処分はできません。出向してきた社員が出向元の会社の解雇事由に該当するような行……
出向先の会社が出向してきた社員を解雇することはできますか。
出向とは、社員が自己の雇用先の会社に在籍したまま、他の会社の従業員となって長期間にわたって業務に従事することをいいます。
労働者と雇用契約を締結しているのは出向元ですから、出向先の会社は出向してきた社員に問題があったとしても解雇することはできません。
出向してきた社員が出向元の会社の解雇事由に該当するような行動を取った場合、出向先は、出向元と出向先との間の出向契約……
労働者と雇用契約を締結しているのは出向元ですから、出向先の会社は出向してきた社員に問題があったとしても解雇することはできません。
出向してきた社員が出向元の会社の解雇事由に該当するような行動を取った場合、出向先は、出向元と出向先との間の出向契約……
出向中の労働者との労働関係はどうなりますか。
出向は、労働者と出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じることになります。
労働者に対する懲戒権や解雇権が出向元と出向先のどちらにあるかが問題になりますが、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられることになります。
もっとも、通常の出向の場合、賃金の支払義務及び解雇権などの労働契約の基本的部分は出向元が有しており、労働時間等の就業管理及び職場秩序維持に関……
労働者に対する懲戒権や解雇権が出向元と出向先のどちらにあるかが問題になりますが、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられることになります。
もっとも、通常の出向の場合、賃金の支払義務及び解雇権などの労働契約の基本的部分は出向元が有しており、労働時間等の就業管理及び職場秩序維持に関……
使用者は、管理監督者の労働時間について自由裁量を認めなければならないのでしょうか?
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1. 労働時間の規制
規制なく残業し、休日にも出勤せざるを得ない管理監督者に対し、厳格な労働時間の規制をするのは問題ではありますが、だからといって、何時に出勤し、何時に帰宅するのかは全くの自由であると考えるべきではありません。
管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用……
管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用……
専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、使用者は注意,懲戒処分,賃金カットをすることはできますか?
専門業務型裁量労働制の適用労働者が、勤務時間中に組合活動を行った場合、当該労働者には勤務時間中は就労義務及び職務専念義務がありますので、労働契約等により就業時間中の組合活動を認めている等の特段の事情が無い限り、組合活動を止めるように注意し、改善しない場合には懲戒処分を行うことも許されると考えます。
専門業務型裁量労働制は、具体的な指揮命令権限がないとはいえ、明らかに労働を行ってい……
専門業務型裁量労働制は、具体的な指揮命令権限がないとはいえ、明らかに労働を行ってい……
専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか?
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1. 定義
裁量労働のみなし時間制とは、労働遂行や労働時間の配分に関して裁量性が高く、労働の量よりも労働の質、つまり内容や成果に着目して報酬を支払われる労働者に関して、労使協定等で定めれば、実際の労働時間にかかわらず、それだけの時間労働したとみなす制度のことです。
2. 裁量労働制の適用労働者
裁量労働制の適用労働者は、フレックスタイム制のフレキシブルタイムのように出退勤が……
喫煙時間は労働時間に該当しますか?
近年、職場に対する喫煙対策として、事業場全体を禁煙とする方法や、喫煙室でのみ喫煙を認め、それ以外の場所では禁煙とする方法が多く行われています。
このため、喫煙者は、喫煙するために業務を一時中断し、喫煙室に移動して喫煙する必要があり、このような喫煙の時間が労働時間といえるかどうかが問題となります。
喫煙の時間は、作業に従事していないことが明らかですから、手待ち時間と……
このため、喫煙者は、喫煙するために業務を一時中断し、喫煙室に移動して喫煙する必要があり、このような喫煙の時間が労働時間といえるかどうかが問題となります。
喫煙の時間は、作業に従事していないことが明らかですから、手待ち時間と……
労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。
労基法上,就業規則の作成義務,労基署への届出義務が課されているのは労働者が10人以上の場合ですので,労働者が10人未満であれば就業規則の作成義務はありません。
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
就業規則を作成する際の手順を教えてください。
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1.就業規則の作成義務
常時10人以上の労働者を使用する場合には,就業規則の作成義務と労基署への届出義務があります。労働者は,正社員,パート,契約社員などの雇用形態を問わず当該事業場で使用されている者をいいます。
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合,退職金を不支給にすることはできますか?
就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支給しない。」と定めている会社がありますが,この定め方では,社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚したとしても退職金を不支給とすることはできません。なぜなら,既に退職している社員を懲戒解雇することはできないからです。
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
不当労働行為における不利益取扱いについて教えてください。
不当労働行為における不利益取扱い(労働組合法7条1号)は,労働者が①労働組合の組合員であること,労働組合に加入しもしくは結成しようとしたこと,労働組合の正当な行為をしたことを,②理由に当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。
不利益取扱いは,雇用関係上の地位に関するもの(解雇,再採用拒否等),人事上の処遇に関するもの(配転,出向,昇給・昇格差別,懲戒処分,基本給等の賃金差別等……
不利益取扱いは,雇用関係上の地位に関するもの(解雇,再採用拒否等),人事上の処遇に関するもの(配転,出向,昇給・昇格差別,懲戒処分,基本給等の賃金差別等……
労働者の賃金を減額する方法はどのようなものがありますか。
労働者の賃金を減額する方法として,次のものが挙げられます。
① 懲戒処分として減額
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……