労働問題722 労働審判員にはどのような人が任命されるのですか?
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労働関係の専門的な知識経験を有する者から、最高裁判所が任命する 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから、最高裁判所が任命します(労働審判法9条)。労働者側・使用者側の立場で個別紛争の処理等に携わった経験などが、これに当たります。 |
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事件ごとの指定は裁判所の裁量で、不服申立てはできない 個別の事件でどの労働審判員を指定するかは裁判所の裁量に委ねられており(労働審判法10条)、当事者は、その指定に対して不服を申し立てることはできません。 |
目次
労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから、最高裁判所が任命します(労働審判法9条)。労使双方の実務に精通した専門家が、中立かつ公正な立場で審理・判断に加わることが、労働審判制度の特徴の一つです。
会社側専門の弁護士の立場から、労働審判員にどのような人が任命されるのか、そして事件ごとの指定の取扱いを解説します。
01労働審判員の任命(労働審判法9条)
労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから、最高裁判所が任命します(労働審判法9条)。労働審判委員会は、労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名で構成されますが(同7条)、この2名の労働審判員は、労使双方の実務に通じた立場から審理・判断に関与することが予定されています。
02「労働関係に関する専門的な知識経験」とは
ここでいう「労働関係に関する専門的な知識経験」とは、労働者又は使用者の立場で個別労働紛争の処理等に実際に携わった経験、及びその経験等を通じて身に付けた、個別労働紛争についての実情や慣行、制度等の知識をいいます。すなわち、机上の知識だけでなく、労使の現場で紛争に関わってきた実務経験が重視されます。労働審判では、こうした実務に精通した審判員が関与することで、事案の実情に即した柔軟な解決が図られています。
03事件ごとの指定と不服申立ての可否
個別の労働審判事件でどの労働審判員が関与するかは、事件ごとに裁判所が指定します(労働審判法10条)。この指定は裁判所の裁量に委ねられているため、当事者は、労働審判員の指定に対して不服を申し立てることはできません。なお、裁判所は、指定に当たり、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、委員会における労働審判員の構成について適正を確保するよう配慮することとされています。
04会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、どの労働審判員が指定されるかを選ぶことはできませんが、労働審判員が労使双方の実務に精通した専門家であることを踏まえて対応することが重要です。労働審判員は、現場の労務管理の実情を理解しているため、会社側の説明が実務に照らして合理的であれば、その点は適切に評価され得ます。逆に、実態と乖離した形式的な説明は見抜かれやすいといえます。処分や判断の合理性を、労務の実情に即して具体的に示せるよう準備しておくことが、望ましい解決につながります。
05よくある質問(FAQ)
Q. 労働審判員は、誰が任命するのですか。
最高裁判所が任命します。労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命されます(労働審判法9条)。労使双方の実務に精通した者が、中立・公正な立場で審理・判断に加わります。
Q. 「専門的な知識経験」とは、具体的にどのようなものですか。
労働者又は使用者の立場で個別労働紛争の処理等に実際に携わった経験や、その経験を通じて身に付けた、個別労働紛争の実情・慣行・制度等の知識をいいます。現場の実務経験が重視されます。
Q. 担当する労働審判員に不服がある場合、変更を求められますか。
事件ごとの労働審判員の指定は裁判所の裁量に委ねられており(労働審判法10条)、当事者はその指定に対して不服を申し立てることはできません。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。労働審判への対応でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日