Q719 労働審判手続において,労働審判員に支障が生じたときはどうなるのですか?

 労働審判手続は,労働審判官と労働審判員2名で組織する労働審判委員会で行う必要があるから,労働審判員の一方に支障が生じたときに,労働審判官と他方の労働審判員だけで労働審判手続を行うことはできません(労働審判法7条)。労働審判員の支障が一時的なものであれば,労働審判期日を変更して対応することも考えられますが,長期的なものの場合は,労働審判員の指定を取り消した上で,新たな労働審判員を指定することになります。
 新たな労働審判員を指定したことで,労働審判委員会の構成が変わったとしても,労働審判員が変更される前までの労働審判手続の効力に影響はありません。しかし,新たな労働審判員が審理を行うには,新たな労働審判員がそれまでの審理を理解していること,労働審判員の変更について当事者の理解を得ることが重要になってきます。そのため,労働審判員の変更にあたっては,労働審判員会において十分な打合せを行う等し,新たな構成の労働審判委員会による審理が円滑に進められるよう配慮していくことが考えられます。
 また,審判書を作成して労働審判を行う場合,労働審判員が審判書に記名押印をする必要がありますが,労働審判員がこれに記名押印できない場合には,労働審判官が審判書にその事由を付記して記名押印しなければならないとされています(労働審判規則28条2項)。これは労働審判の内容については評議が整い,その記載内容は合意されているものの,労働審判員が転勤や病気などにより審判書に記名押印することができない状態となった場合に限り認められる方法です。


弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目2番地 
K-WINGビル7階 TEL:03-3221-7137

Copyright ©弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)|解雇,残業代請求,労働審判,団体交渉,問題社員などの労働問題の対応,相談 All Rights Reserved.
  • 会社経営者のための残業代請求対応
  • 会社経営者のための労働審判対応
Return to Top ▲Return to Top ▲