ワード:「みなし残業」

固定給と歩合給,両方を支払っている場合の残業代は,どのように計算すればいいですか?

 固定給と歩合給制の両方がある場合,固定給部分の計算と歩合給部分の計算を別々に行わなければなりません。
 固定給の場合,時間外労働分の時間単価は固定給に含まれていないため,時間単価に相当する部分も支払う必要があり,時間外労働をさせた場合,通常の労働時間の時間単価に1.25を掛けて時間外労働の賃金の時間単価を算出していました。
 これに対して,歩合給の場合は,時間を延長し……

月給制の労働者の残業代は,どのように計算すればいいですか?

 月給制の労働者A氏の残業代について,具体的な例は以下のとおりです。   月給:25万円(他の手当等無し)
1日の所定労働時間:8時間
所定休日:土,日,祝日,年末年始12月28日~1月4日,夏季休暇3日
A氏の当月の残業時間:時間外労働時間数30時間,深夜労働時間数15時間(全て時間外労働時間),休日労働時間数20時間 1 通常の労働時間の賃金の時間……

歩合給制の労働者の残業代は,どのように計算すればいいですか?

 歩合給制の労働者の「通常の労働時間又は労働日の賃金」をどのように算出するかについては,労基法施行規則19条1項6号において,「賃金算定期間において出来高払制その他請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額」と定められており,要するに,「歩合給部分の金額÷総労働時間数」が時間単価になります。
 月給制の場合,時間外労働分の時間単価は月給に含ま……

月給制社員の,時間外割増賃金,休日割増賃金,深夜割増賃金の時間単価の具体的計算方法を教えてください。

モデルケース
 月給:基本給25万円
 1日の所定労働時間:8時間
 年間休日数:130日
 割増率の適用猶予対象ではない 1.通常の賃金の時間単価
 年間所定労働日数=365日(閏年の場合は366日)-休日130日=235日
 年間所定労働時間数=1日の所定労働時間8時間×235日=1880時間
……

残業代を計算する際の割増率を教えてください。

 労基法では,割増率について,以下のとおり定められています。
・1か月の合計が60時間までの時間外労働:2割5分以上
・1か月の合計が60時間までの深夜(午後10時~午前5時)の時間外労働:5割以上
・1か月の合計が60時間を超えた場合の60時間を超える時間外労働:5割以上
・1か月の合計が60時間を超えた場合の60時間を超える深夜(午後10……

残業代計算において,日給,月給制,歩合給制,年俸制の通常の賃金の時間単価はどのように計算しますか?

1.通常の賃金の時間単価の計算方法
 割増賃金(残業代)は,「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」(以下,通常の賃金の時間単価という)に割増率を乗じて計算します(労基法37条1項)。
 通常の賃金の時間単価については,労基則19条に定めがあり,時間給の場合はその額,日給の場合は日給を所定労働時間数で除した額,月給制の場合は月給を所定労働時間数で除した額,歩合給制の場……

当社では,36協定で定めた限度時間を超えて労働させることがありますが,問題ないでしょうか?

1 36協定の限度時間
 36協定には,延長することができる労働時間数を定める必要があります(労基法施行規則16条1項)。
 労働時間数に関しては,労基法36条2項において,「厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる……

午前0時を過ぎて2暦日にわたって残業した場合の残業代の計算方法を教えてください。

1.通常の労働日に2暦日にわたって残業した場合
 通常の労働日に2暦日にわたって残業した場合,午前0時をもって労働時間を分断するのではなく,前日の労働として通算して計算します。
 例えば,所定労働時間8時間,始業時刻午前9時,終業時刻午後6時,休憩1時間の会社において,午前9時から翌日の午前6時まで(休憩2時間)働いた場合の時間外労働時間は11時間(=30時(翌午前6時……

所定労働時間が7時間45分の会社における残業時間の計算方法を教えて下さい。

 所定労働時間が7時間45分の企業で7時間45分を超えて残業させた場合,7時間45分から8時間までの15分間は法内時間外労働時間(以下法内残業)であり,8時間を超えた法定時間外労働時間とは区別して残業代を計算する必要があります。
 たとえば,所定労働時間が7時間45分,法定休日が日曜日の企業で,月曜日から金曜日まで毎日10時間,土曜日に9時間働いた場合の法内残業及び時間外労働時間は次……

当社の所定労働時間は8時間です。始業時刻に30分遅刻した労働者が終業時刻後30分労働した場合,残業代を支払う必要はありますか。

 残業代を支払う必要があるのは,法定労働時間(1日8時間,1週40時間)を超えて労働をした場合であり,ここでいう労働時間とは実労働時間のことをいいます。
 ご質問のケースの場合,実労働時間は8時間であり,法定労働時間を超えていませんので,就業規則等で規定していない限り,時間外割増賃金を支払う必要はありません。

残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の計算式を教えてください。

 残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の計算式は,以下のとおりです。
 労基法施行規則19条1項各号に定める通常の賃金の時間単価×時間外・休日・深夜労働時間数×割増率
 ただし,実務上は,以下のとおり,時間外・休日・深夜割増賃金の時間単価を計算してから,これに時間外・休日・深夜労働時間数を乗じて残業代を計算することが多くなっています。
 ① 労基法施行規則……

付加金について教えて下さい。

 使用者が時間外・深夜・休日割増賃金,解雇予告手当,休業手当,有給休暇取得日の賃金の支払義務に違反した場合に,裁判所は,使用者が支払うべき未払金のほか,これと同額の付加金の支払を命じることができます。
 付加金の支払義務は労基法違反によって当然に発生するものではなく,裁判所の命令があって初めて発生します。
 例えば,未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合,最大3……

年俸制の労働者に対して割増賃金を支払う必要はありますか?

 年俸制の労働者であっても,管理監督者や裁量労働者でない限り,割増賃金(残業代)を支払う必要があります。
 年俸制労働者の残業代の計算方法は,例えば,以下のものがあります。 [モデルケース]
・年俸480万円(月額30万円,賞与年1回120万円で契約。)
・一月平均所定労働時間数160時間
・当月の時間外労働時間22時間  固定されている……

残業代(割増賃金)は何年分の請求がなされるのですか?

 割増賃金請求権は,当該割増賃金の支払われるべき賃金支払日から起算して2年で消滅時効にかかりますので,2年以上勤務していた労働者からの残業代請求は,通常,直近2年分の残業代が請求されます。
 また,不法行為による損害賠償請求権として未払賃金相当額が請求される場合があります。不法行為の時効は3年ですので,3年以上勤務していた労働者から3年分の未払賃金の請求がなされることが考えられます。……

1か月の残業時間の合計に30分未満の端数がある場合,30分未満の部分を切り捨てた時間を残業時間として残業代を算定すればいいですよね。

 1か月における時間外労働,休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に,30分未満の端数を切り捨て,それ以上を1時間に切り上げる処理をしても,常に労働者の不利になるものではなく,事務簡便を目的としたものと認められるから,労基法24条及び37条違反としては取り扱わないとする通達が存在します。したがって,1か月の残業時間の合計に1時間未満の端数がある場合に,30分未満の端数……

部長には残業代を支払わなくて良いのですか。

 部長という肩書きであってもそれだけで残業代を支払わなくて良いことにはならず,時間外割増賃金と休日割増賃金の支払を免れるためには労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)に該当しなければなりません。管理監督者に該当したとしても,深夜に労働させた場合には深夜割増賃金を支払う必要があります。  管理監督者といえるかどうかは,
① 職務内容,権限および責任の重……

定額残業代(みなし残業代)が割増賃金(残業代)の支払として認められるためのポイントを教えて下さい。

 定額残業代(みなし残業代)が割増賃金(残業代)の支払として認められるためには,
① 定額残業代(みなし残業代)とそうでない部分とが明確に区分されていること(明確区分性)
② 割増賃金(残業代)の対価という趣旨で支払われていること(対価性)
が認められる必要があります。  明確区分性の有無について,割増賃金(残業代)の種類及び時間数を決めた上で,当該時間……

パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態は,どのようなものですか。

 パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態には,以下のような傾向があります。
 ① パワハラ・セクハラを不満に思い,公的機関などに相談している労働者の数は多いが,パワハラ・セクハラを理由とした損害賠償請求がメインの訴訟,労働審判はあまり多くなく,解雇無効を理由とした地位確認請求,残業代請求等に付随して,損害賠償請求がなされることが多い。
 ② 解雇無効を理由とした地位確認請求……

就業規則の変更により賃金を減額する場合に要求される合理性の程度を教えて下さい。

 賃金,退職金など労働者にとって重要な権利,労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については,当該条項が,そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において,その効力を生ずるとされています(大曲市農協事件最高裁昭和63年2月16日第三小法廷判決)。

労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合の組合員に対する効力を教えて下さい。

 労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合,それが組合員にとって有利であるか不利であるか,当該組合員が賛成したか反対したかを問わず,労働協約で定められた賃金額が労働契約で定められた賃金額に優先して適用されるのが原則です(労組法16条)。したがって,労働者が賃金減額に反対していたとしても,当該労働者が加入している労働組合との間で賃金を減額することを内容とする労働協約を締結すれば,賃金を減額……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

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