労働問題470 都道府県労働委員会では、どういったことが行われていますか。
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労働争議の調整(調整的機能)を担う 都道府県労働委員会では、あっせん・調停・仲裁等の労働争議の調整が行われています。当事者間の対立を第三者が調整し、紛争の解決を図る機能です。 |
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不当労働行為の審査(判定的機能)を担う 使用者による不当労働行為の有無を審査し、不当労働行為があったと認定した場合には救済命令を発します。裁判所とは異なる行政的な紛争解決手続です。 |
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裁判所とは異なる労使紛争の専門機関 労働委員会は、裁判所とは異なる行政機関として、集団的労使関係に関する紛争の解決を専門的に担う機関です。 |
01都道府県労働委員会の概要
都道府県労働委員会は、各都道府県に設置された行政機関であり、集団的労使関係に関する紛争の解決を担っています。裁判所とは異なる独立した行政委員会として、労使関係の安定に寄与することを目的としています。
労働委員会の委員は、公益委員(弁護士や学者等)、使用者委員、労働者委員の三者で構成されており、中立的な立場から紛争解決にあたります。
都道府県労働委員会で行われている主な業務は、①調整的機能(労働争議の調整)と②判定的機能(不当労働行為の審査)の2つです。
02調整的機能(あっせん・調停・仲裁)
調整的機能とは、あっせん・調停・仲裁等の労働争議の調整を行う機能です。労使間の対立を第三者が間に入って調整し、紛争の解決を図ります。
調整的機能の3つの手続
① あっせん
あっせん員が当事者間の調整を行い、合意による解決を図ります。最も簡易で利用しやすい手続です。
② 調停
調停委員会が当事者双方の主張を聴取し、調停案を示して解決を図ります。あっせんより手続が体系的です。
③ 仲裁
仲裁委員会が判断を下し、その判断(仲裁裁定)は当事者双方を拘束します。労働協約と同一の効力を持ちます。
実務上は、あっせんが最も多く利用されています。あっせんは当事者の合意が前提であるため、双方が歩み寄る意思がなければ成立しませんが、第三者が間に入ることで対立の緩和が期待できます。
03判定的機能(不当労働行為の審査)
判定的機能とは、使用者による不当労働行為の有無を審査し、不当労働行為があったと認定した場合には救済命令を発する機能です(453番参照)。
労働組合または組合員が不当労働行為の救済を申し立てると、労働委員会が審査を行い、不当労働行為の有無を判断します。不当労働行為が認定された場合には、解雇の取消し・原職復帰、バックペイ(未払賃金の支払い)、団体交渉に応じることの命令、誓約文の掲示などの救済命令が出されます。
都道府県労働委員会の命令に不服がある場合には、中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てることができます(455番参照)。さらに中労委の命令にも不服がある場合には、裁判所に取消訴訟を提起することができます。
04会社経営者として知っておくべきこと
会社経営者が都道府県労働委員会と関わる場面としては、主に2つのケースが考えられます。
第一は、労働組合から不当労働行為の救済申立てを受けた場合です。この場合、会社側は被申立人として審査手続に参加し、主張・立証を行うことになります。労働委員会の審査手続は裁判所の手続とは異なる点が多いため、使用者側弁護士に相談することが重要です。
第二は、労働争議の調整(あっせん等)を利用する場合です。これは会社側から申し立てることも可能です。団体交渉が行き詰まった場合(465番参照)などに、第三者の関与による解決を模索する方法として検討する余地があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
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Q&Aよくある質問
Q1. 労働委員会のあっせんに応じる義務はありますか。
A. あっせんへの参加は任意です。あっせんの申立てがあっても、相手方(会社側)がこれに応じる義務はありません。ただし、不参加の場合にその後の団体交渉や労使関係に影響が出る可能性はありますので、対応方針は弁護士と検討することをお勧めします。
Q2. 都道府県労働委員会と中央労働委員会の関係を教えてください。
A. 都道府県労働委員会が最初の審査機関です。その命令に不服がある場合に、中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てることができます。さらに中労委の命令にも不服がある場合は、裁判所に取消訴訟を提起できます。
Q3. 救済命令が出た場合、従わなければどうなりますか。
A. 確定した救済命令に従わない場合、過料の制裁を受ける可能性があります。また、救済命令に不服がある場合は、中央労働委員会への再審査申立てまたは裁判所への取消訴訟により争うことが可能です。命令が出た段階で弁護士に相談し、対応方針を検討することをお勧めします。
最終更新日:2026年2月25日