労働問題469 企業経営者の自宅付近で行われる労働組合による街宣活動が違法と評価されるのはどのような場合ですか。
企業経営者の自宅付近で行われる街宣活動は、会社前路上などで行われる通常の街宣活動と比べて、大幅に制約されることになり、企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて、表現の自由の行使として相当性を有し、容認されることがあるにとどまることになります。
労使関係の場で生じた問題は、労使関係の領域である職場領域で解決すべき問題であり、企業経営者も、個人として、住居の平穏や地域社会における名誉・信用が保護、尊重されるべきことから、労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及ばないと考えられるからです。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎