労働問題471 不当労働行為救済申立事件における都道府県労働委員会の命令又は決定に不服がある場合は、どうやって争うことができますか。
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中央労働委員会への再審査申立てにより争うことができる 都道府県労働委員会の命令・決定に不服がある場合、中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てることができます。命令書等を受け取った日の翌日から15日以内に申し立てる必要があります(472番参照)。 |
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地方裁判所への取消訴訟の提起により争うことができる 中労委への再審査を経ずに、直接地方裁判所に取消訴訟を提起して争うこともできます。被申立人(会社側)の場合は命令書等を受け取った日から30日以内に提起する必要があります(473番参照)。 |
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いずれの方法にも厳格な期間制限がある 再審査申立て・取消訴訟のいずれにも期間制限があり、期間を徒過すると不服を申し立てることができなくなります。命令書を受け取ったら、直ちに弁護士に相談することが重要です。 |
01不服申立ての2つの方法
不当労働行為救済申立事件における都道府県労働委員会の命令又は決定に不服がある場合は、以下のいずれかにより争うことができます。
不服申立ての2つの方法
① 中央労働委員会に再審査を申し立てること
上級の行政機関による再度の審査を求める方法。
② 地方裁判所に取消訴訟を提起すること
裁判所に対して、都道府県労働委員会の命令・決定の取消しを求める方法。
①②は選択的な関係にあり、中労委への再審査を経ずに直接取消訴訟を提起することも可能です(審査前置主義は適用されません)。ただし、いずれの方法にも厳格な期間制限がありますので、命令書を受け取ったら速やかに対応方針を決定する必要があります。
02中央労働委員会への再審査申立て
中央労働委員会(中労委)への再審査申立ては、都道府県労働委員会の命令書又は決定書を受け取った日の翌日から数えて15日以内に再審査申立書を提出する必要があります(472番参照)。この期間制限は、申立人・被申立人共通のものです。
中労委は、全国的な統一的基準に基づいて再度の審査を行います。都道府県労働委員会の事実認定や法的判断について改めて審査し、命令の全部または一部を変更する場合があります。
03地方裁判所への取消訴訟の提起
地方裁判所に取消訴訟を提起する場合は、期間制限が申立人と被申立人で異なります。申立人(労働組合側)は命令書等を受け取った日から6か月以内に、被申立人(会社側)は30日以内に取消訴訟を提起する必要があります(473番参照)。
被申立人(会社側)の期間制限が30日と短い点には特に注意が必要です。命令書を受け取ってから対応を検討する時間的余裕が限られるため、命令書が届いた段階で直ちに弁護士に相談することが重要です。
04どちらを選択すべきか
中労委への再審査と取消訴訟のいずれを選択するかは、事案の内容と対応方針によって判断が変わります。
中労委への再審査は行政機関内部での再審査であり、専門性の高い審査が期待できます。一方、取消訴訟は裁判所による司法判断であり、行政処分の適法性を司法の観点から審査することになります。
いずれの方法にも利点・留意点があるため、具体的な事案に応じて使用者側弁護士と相談のうえ判断することをお勧めします。特に会社側(被申立人)の取消訴訟の期限が30日と短いため、方針決定を急ぐ必要があります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
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Q&Aよくある質問
Q1. 中労委への再審査と取消訴訟を同時に行うことはできますか。
A. 両方を同時に行うことは制度上可能です。ただし、実務上は一方を選択するか、中労委への再審査を先行させ、その結果にも不服があれば裁判所に取消訴訟を提起するという流れが一般的です。具体的な方針は弁護士と相談のうえ決定することをお勧めします。
Q2. 不服申立ての期間を過ぎてしまった場合はどうなりますか。
A. 期間を徒過すると、その方法による不服申立てができなくなります。都道府県労働委員会の命令が確定し、会社側はその命令に従う義務を負うことになります。命令書を受け取ったら、直ちに弁護士に連絡してください。
Q3. 不服申立てをすれば、命令の効力は停止しますか。
A. 原則として、不服申立てをしただけでは命令の効力は停止しません。命令の効力を停止させるためには、別途、緊急命令の申立てに対する対応や、取消訴訟における執行停止の申立てなどの手続が必要になります。具体的な対応は弁護士と相談してください。
最終更新日:2026年2月25日