弁護士藤田進太郎による解説動画
本ページの解説内容は、以下の藤田進太郎弁護士による解説動画を素材として、当事務所が文章化しているものです。本ページの記載と動画の内容に齟齬がある場合や、より詳しい解説をご覧になりたい場合は、動画を直接ご視聴ください。
合同労組(ユニオン)から申入書が届いた場合の最大のキーワードは「自滅しないこと」です。本人に直接連絡しない、感情的な発言を避ける、自社判断ではなく労働組合対応の業務比率が高い弁護士に相談する、回答書を書面で作成する、団交当日は社長や人事部長がメインで話し弁護士はフォローに回る。これらを守ることで、要求金額をはるかに超える二次的ダメージ(求人への悪影響、お客様の減少、企業イメージの悪化)を防ぐことができます。在職中の社員が組合に加入したケースでは特に感情的になりがちであり、報復措置と取られないよう普段の労務管理は他の社員と同じように行うことが原則となります。
合同労組・ユニオンから申入書が届いた
社内に労働組合がない中小企業であっても、社員が外部の合同労組やユニオンに加入し、会社に対して「労働組合加入通知書」「団体交渉申入書」といった書面が届くケースが、近時増えております。経験されたことのない経営者の方であっても、今後直面する可能性は十分にあるため、まずは基本的な知識を押さえ、初期対応の方法を理解しておくことが必要です。
初期対応を間違えると会社を傾けかねない
合同労組・ユニオン対応の特徴は、要求の中身そのものよりも、対応のまずさによって会社が大きく傾くケースが珍しくないという点にあります。初期対応を間違えると、無駄に問題をこじらせて、最悪の場合、会社を潰してしまうことにもなりかねない客観的状況にあります。
逆に言えば、基本的な知識をしっかり押さえ、自社判断ではなく経験のある弁護士に相談しながら進めれば、要求が厳しくても落ち着くべきところに落ち着くケースがほとんどです。本ページでは、初動の判断軸と当日の臨み方を整理してまいります。
最初にすべきこと:内容をよく読む
組合から通知が届いたら、まずどんな要求がなされているのか、内容をよく読んで確認することが出発点となります。誰が組合に加入したのか、どういった事項を要求しているのか。届いた書面を読み込み、要求の輪郭を把握することから始まります。
ただし、その際の重要な注意点として、ご本人に直接問い合わせることはお勧めできません。この点については、次章で詳しく解説いたします。
本人に直接連絡してはならない
申入書が届いた直後、経営者として「どういうことなのか直接話を聞きたい」と考えるのは自然な反応です。しかし、ご本人に直接問い合わせることは、明確にお勧めできません。
悪気がなくても「組合脱退の要求」「報復措置」と捉えられかねない
社長が悪気なく事情を聞いただけであっても、組合からの脱退を要求した、あるいはそこまで至らなくとも、組合に入ったことで報復措置を取った、と捉えられるリスクがある客観的状況にあります。悪気のあるなしではなく、行動としてリスクが高いという点を理解しておく必要があります。
連絡を取るなら本人ではなく組合と
もし連絡を取る必要があるのであれば、組合に加入したご本人ではなく、組合と連絡を取って話すのが原則となります。組合相手であれば、上記のような「脱退要求」「報復措置」と評価されるリスクは生じません。
もっとも、経験のない経営者が直接組合と話そうとすると、いいように話を持っていかれて、本来あるべき姿とは違った解決方法になってしまう可能性もあります。経験がなければ正直怖い、というのが率直な評価です。
弁護士への相談がお勧め
組合から通知が届いた場合のお勧めは、外部の労働組合との団体交渉に立ち合った経験を多く持つ弁護士への相談です。しっかり勉強した上で、団体交渉の経験も実際に積んでいる弁護士であれば、大きく間違って判断することはない客観的状況にあります。
失敗したくない、うっかりミスをしたくないというのであれば、早めに弁護士に相談して対応を検討するのがよいでしょう。連絡などはもちろん会社の名前、社長の名前で行うことになりますが、回答文書なども弁護士に相談して文面を起案してもらった上で返すのが、実務上の進め方となります。
団体交渉は原則として拒否することはできない
団体交渉の申し入れは、普通のビジネス上の話し合いの申し入れとは法的に意味合いが違うという理解が、出発点となります。
普通の取引交渉との違い
通常のビジネス取引であれば、相手から商談を持ちかけられても「それいらないから買わない」「興味ないので聞かない」と断って何の問題もありません。自分が取引したいものだけしっかりやればよいというのが、ビジネスの自由として広く認められております。
ところが、労働組合からの団体交渉は違います。団体交渉をする権利は労働組合に法律上保障されているものであり、これを正当な理由なく拒んだ場合、団交拒否の不当労働行為となり、違法行為と評価されることになります。
「応じる」とは「言うことを聞く」という意味ではない
ここで多くの経営者が誤解されますが、応じる義務があるからといって、相手の要求を飲まなければならないわけではありません。話し合いを誠実に行えば、それで法的義務は十分に果たすことになります。何か要求があった場合は、必要に応じて資料などを提供しながら、こうこうこういう理由でこの要求はここまでしか応じることができないという内容を、粘り強く丁寧に説明していけば足ります。
要求を飲まないことに最もな理由があるのであれば、何も恐れる必要はありません。その最もな理由をしっかり説明することができれば、団体交渉応諾義務及び誠実交渉義務は履行することができる客観的状況にあります。
不誠実団交も違法となる(誠実交渉義務)
他方、応じるふりをして実際は全部シャットアウト、話し合いにもならないという態度をとると、これも「不誠実団交」として不当労働行為となり、違法行為と評価されてしまいます。この点について、最高裁は山形大学事件(最判令和4年3月18日第二小法廷判決)において、次のとおり判示しております。
山形大学事件最判(最判令和4年3月18日第二小法廷判決)
使用者は、必要に応じてその主張の論拠を説明し、その裏付けとなる資料を提示するなどして、誠実に団体交渉に応ずべき義務を負い、この義務に違反することは、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当する。
こちらの言い分を述べるだけでなく、その論拠を説明し、裏付けとなる資料を提示することが必要となる場面がある、という整理です。資料提示の「差加減」(どの程度の資料をどこまで提示するか)は、本業に充実されている経営者にとって判断が難しい領域であり、具体的事案の差加減については弁護士への相談が必要となる客観的状況にあります。
回答書を書くと頭が整理される
団体交渉の申入書には、結構な割合で「事前にこの要求事項に対して回答してください」と書かれているのが通常です。この事前回答は、書面で書くのが原則となります。
「当日話します」よりも書面で出す
団交の当日に話します、という対応よりも、しっかり書いて、書けるものは書いて出した方が望ましいといえます。当日に追加で説明するのは構いませんが、書けるものはしっかり書いて事前に提出しておくという姿勢が、誠実交渉義務との関係でも安全な進め方となります。
回答書を作る過程で頭が整理される
書面で回答することのもう一つの効果として、回答書を作っている間に頭が整理されるという点があります。なんとなくはもう答えが分かっているとしても、勘違いしていることが結構あるのが通常です。
なぜなら、組合対応は経営者の本業ではないからです。本業に取り組むためにビジネスを起こしているのであって、組合対応はその本業ではない客観的状況にあります。優秀な経営者であっても、組合との受け答えはある程度はできても、毎回ぜんぶ上手く受け答えできるわけではなく、間違った受け答えや勘違いが入ることが珍しくありません。
メインの仕事では卓越した能力を発揮していても、労働組合との対応はそこまでできない経営者が珍しくないというのは、能力の問題ではなく、適性のある領域とそうでない領域の違いとして整理することができます。事業を起こした方が、その事業のすべての周辺領域に同じ才能を持っているとは限らないというごく自然な話です。
回答書作成によって即答できる状態を作る
回答書を書いて頭が整理されれば、団体交渉の場で何か直接言われても、しっかり答えられる客観的状況を作ることができます。メインの質問に対しては即答できる状態にするためにも、回答書をしっかり準備して回答するのがよいでしょう。
また、回答書は会社の名前、社長や人事部長の名前で出すことになりますが、文面そのものは弁護士に書いてもらうのが望ましい客観的状況にあります。どう回答していいのかという大枠は分かっても、それをどんな日本語に整えればいいのかというのは、普段の仕事とは全然違った触種の仕事となるためです。普段その仕事をやっている弁護士に頼んだ方がスムーズに進めることができます。
団交当日は会社の責任者がメインで話す
団体交渉の当日についても、団体交渉に多く同席してきた弁護士との同席が望ましい客観的状況にあります。ただし、ここで注意すべきは、弁護士の役割です。
弁護士はメインで喋らない
団交の場で弁護士がメインで喋るスタイルは推奨できません。社長や人事部長など、会社の責任者がしっかり受け答えするほうが、組合側の納得感が高く、また、自社の社員のことなので会社側が責任を持って説明できる方が望ましい客観的状況にあります。
弁護士に任せきりにすると、なめられたり、人気もなくなりかねません。立派な弁護士がうまくやり取りして解決するよりも、社長や部長が解決した方が、会社として体裁が保てる客観的状況にあるといえます。一般の社員からの支持率も、社長・部長が直接対応する方が高まります。
組合の方々は団交慣れしている
他方、組合の方々は団体交渉に慣れているのが通常です。組合との交渉は、組合の方からすればある意味本業と言ってもよいくらい大事な仕事となります。経験のあまりない社長と、毎日のように団交を行っている組合の担当者が話すと、いいようにやられてしまうこともあります。
うっかり強い言葉で言い返すと、不適切な日本語を使ったとして「不当労働行為だ」とされ、自分が違法行為を行ったことにされてしまう客観的状況も生じ得ます。何か言ってしまっても、隣の弁護士が即座にフォローを入れれば大きなダメージにならないことが珍しくないのですが、フォローのない状態でうっかりが連鎖すると、もはやうっかりとは言いにくくなります。
自動車教習所の指導員のたとえ
この構造は、自動車運転免許のたとえで理解することができます。自動車の運転免許を取る際、路上に出た時にいきなり自分だけで運転したら怖いものですが、指導員が隣の席に座っていて、進むべきではない時にブレーキを踏んでくれたりすれば安心です。事故は滅多に起こりません。指導員がいれば、自分一人で危なっかしい状況であっても、大体なんとかなるものです。これと似た面が団体交渉にもある客観的状況といえます。
基本は社長や人事部長がメインで話す。隣に座った弁護士は、うっかり間違ったことを口走ってしまった時に即座に訂正する役割を担う。この体制で団交に臨めば、大きく失敗することはほとんどなくなる客観的状況を作ることができます。
一言で言えば「自滅しないこと」
合同労組対応のポイントを一言でまとめると、「自滅しないこと」です。自滅して変なことを言ったり、やったりしてしまうと、変な方向に話が行ってしまい、本題と本来違うはずのところで会社が大ダメージを受けることになるためです。
ちゃんと対応していれば、外部の労働組合との交渉でも、落ち着くべきところに話を落ち着かせることができるのが、ほとんどのケースです。それにもかかわらず、つい余計なことを言ったりやったりした結果、会社が大きく業績を傾けてしまうというパターンが、自滅型の失敗です。
例えば、近時は求人面への影響が大きい客観的状況にあります。批判が広がって会社のイメージが悪くなれば、求人がますます厳しくなる傾向にあります。ある程度のお金を払うよりも、求人がますますできなくなる方が、会社にとって大ダメージとなる場合も珍しくありません。企業イメージが悪くなれば、商品やサービスを売るのも大変になります。これらのイメージを変な方向に広げられないようにするのも、社長の責任の一部となります。
在職中加入のケースは感情的になりがち
以下では、特に「在職中の社員が合同労組に加入した」というケースに固有の論点を整理してまいります。このケースは、特に感情的になりがちな客観的状況にあり、感情のコントロールこそが最大の論点となります。
なぜ在職中加入は感情的になりやすいのか
在職中加入のケースが感情的になりやすい理由は、まだ社内にいる社員の問題であるにもかかわらず、会社の外の労働組合が介入してくるという点にあります。「なぜ外の団体に助けを求めるのか」「直接話せばいいのに」と考えていると、感情が盛り上がってしまうのは自然な反応です。
さらに、労働組合に入る人が増えたらどうしよう、その結果として会社で大騒ぎになって会社が立ち行かなくなってしまったらどうしよう、という不安な気持ちも生じやすいのが通常です。これらの感情と不安が重なって、自滅してしまうケースが珍しくない客観的状況にあります。
感情的になると判断力が極端に低下する
普段は卓越した判断力を持つ経営者であっても、感情的になると途端に頭が働かなくなることが珍しくありません。怒りや不安といった感情は、頭の働きを本当に妨げてしまう客観的状況を生じさせます。
その結果、普段だったら絶対に言わないような発言、例えば「労基法なんか守っていたら会社経営なんてできない」といった発言を、売り言葉に買い言葉のように口走ってしまう事案が見られます。それが録音されてSNSやインターネットで拡散されると、ニュースになり、退職者が増え、お客様が減り、売上が下がり、会社が立ち行かなくなるという事態に発展しかねません。
自分1人で判断しない
冷静になるための具体的な行動として最も重要なのが、「自分1人で判断しない」という点です。会社を大きく育ててきた経営者であれば、普段の仕事では自分の判断は概ね正確で良い判断ができるはずです。しかし、業種で会社を成長させてきた能力と、組合対応に向いているかどうかは全く別の話となります。もう別の職業だと考えていただいた方がよい客観的状況にあります。
では、社内の幹部に相談すれば足りるかというと、それでも不十分な場合があります。社内の幹部だと同調圧力が働き、心の中でどう思っていても、社長の発言を真っ向から否定することができないことが珍しくないからです。特にカリスマ性のある社長、普段の仕事で圧倒的な力を発揮している社長だと、周囲の人がやはり怖くて発言できないため、客観的な意見が出にくくなる客観的状況に陥りがちです。
労働組合対応の業務比率が高い弁護士に
お勧めは、労働組合対応の業務比率が高い弁護士への相談です。料理店のたとえで考えていただくと分かりやすいかもしれません。フレンチのお店、和食のお店、イタリアンのお店があり、和食の料理人は料理のセンスがあるので、イタリアンでもフレンチでも、それなりに美味しく作ることはできるでしょう。しかし、フレンチを食べたいのであれば、フレンチのシェフに作ってもらった方がよいわけです。
法律の世界も同じで、できれば普段からその仕事を多く扱っている弁護士に相談されるのがよい客観的状況にあります。そうすれば、単に「法律はこうなっている」「判例はこうある」という情報提供だけでなく、「こう対応するのがよい」「こういう対応をすればこんな反応が返ってくる」という具体的助言ができ、何より感情のコントロールのお手伝いを受けることができます。
在職中の社員の労務管理
在職中の社員が合同労組に加入した場合、団体交渉対応とは別に、普段の労務管理をどうするかという論点が生じます。退職してから組合を通じて団体交渉を求めてくるケースとは異なり、本人が会社にいる状態が続くため、日々の労務管理の判断が問われる客観的状況にあります。
原則は「他の社員と同じように扱う」
基本的な整理は明確で、普段の労務管理は他の社員と同じようにする、というのが原則となります。もちろん、従来以上に法律をしっかり守らなければならないという意識で気を引き締めて対応することは必要ですが、組合員になったからといって特別扱いをするのではなく、他の社員と同じように労務管理していくことが基本となります。
特に注意すべきは「報復措置と取られないこと」
特に注意すべきは、報復措置と取られないようにするという点です。感情的になっていたり、不安に思っていたりすると、報復措置と捉えられかねないことをやってしまいがちな客観的状況にあります。
冷静なつもりでいても、特別にこの人だけにこうだ、という対応をすると、報復措置・不当労働行為と捉えられてしまうことがあります。「特別扱いしてしまう」のは、ポジティブな方向の優遇だけではなく、ネガティブな方向の不利益取扱いも含むことに注意が必要です。普段の労務管理を他の社員と同じように行うことが、結果としてこのリスクを最も小さくする運用となります。
業務指示に従わない場合は別問題
他方、組合に入ったことを理由として、勢いで仕事の指示に従わなくなる社員もいる客観的状況があります。これに対する整理も明確で、仕事をして給料をもらうというのが労働契約の中心的な権利義務関係であり、働かないというのはとんでもないことで、基本許されることではありません。会社側が嫌がらせのようなことをしているのなら別ですが、そうではなく業務指示に従わないというのは、原則としてもう労働者側がアウトな状況にあるという整理になります。
もっとも、この対応も間違えると会社側がマイナスになる場合があります。相手の行動をしっかり確定させて、どのような日本語で声をかければよいかというところから始めて、慎重に対応していく必要があります。他の社員と同じように扱うということと、必要な業務上の注意指導はきちんと行うということは両立する論点であり、その差加減が実務の難しいところです。
周囲の社員の管理という論点
在職中の社員が合同労組に加入したケースで、もう一つ重要となるのが、周囲の社員の管理です。組合に加入したご本人だけではなく、その周りの社員もいろいろな行動を変化させることがある客観的状況にあります。
組合員に冷たい態度を取る同僚への対応
権利のものを会社に要求してくるくらいであればまだよいのですが、問題となるのは逆のケースです。組合に加入した人に冷たい態度を取ったりする社員が出てくることがあります。「組合に入った人と関わると怖い」と思う気持ちも分からないではありませんが、その動きが過ぎると放置できない客観的状況に陥ります。
「社長の味方」のつもりがありがた迷惑になる
冷たい態度を取る同僚は、社長の味方になっているつもりかもしれませんが、社長からしてもありがた迷惑なところがあるのが通常です。組合員に冷たくする同僚の行動が、結果として社内の秩序を悪くし、職場の雰囲気を悪くしてしまったり、会社が非難される事態にまで発展しかねません。
したがって、他の周りの社員たちの管理も考えていかなければならない客観的状況にあります。変な行動に出ないように、社長として判断して対応を考えていく必要があります。何か情報が入ってきたら即座に対処していく。これも、タイミングや差加減が分かりにくい領域であり、弁護士への相談が有効な場面となります。
当事務所のサポート体制
弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社側(使用者側)の労働問題に特化した法律事務所です。代表弁護士の藤田進太郎は、合同労組・ユニオンとの団体交渉に多数立ち会ってきた経験を有しており、申入書受領直後の方針相談から、回答書の作成、団交当日の同席、在職中の社員の労務管理、周囲の社員の管理まで、一貫してサポートいたします。
合同労組対応の最大のキーワードは「自滅しないこと」です。手慣れた弁護士がついた後の細かい部分の対応は、団交当日に隣の席に座ってもらって、間違ったことを言ったりやったりしたら止めてもらえばよいだけです。大きく問題になりやすいのは、手慣れた弁護士がつく前に、自分で言ったりやったりしてしまったことであり、これが取り返しのつかないダメージとなることが珍しくない客観的状況にあります。
具体的な支援内容
第一に、申入書受領直後の方針相談です。届いた書面の意味、団交応諾義務の有無、本人への対応の仕方、組合との連絡の取り方を、最初の段階で整理いたします。
第二に、回答書・対応文書の作成です。会社の名前、社長や人事部長の名前で発送する文書について、文面を弁護士が起案いたします。文書の起案は普段の業務とは違う触種の仕事であり、普段その仕事を扱っている人に頼んだ方がスムーズに進めることができます。
第三に、団体交渉への同席です。社長や人事部長がメインで話す体制を維持しながら、間違った発言や日本語があった場合に即座に整え直す、というフォロー役を弁護士が担います。
第四に、在職中の社員の労務管理と周囲の社員の管理に関する継続的助言です。報復措置と取られない範囲での通常の労務管理、業務指示への対応、周囲の社員の不適切な行動への対処を、状況に応じて助言いたします。
当事務所のサポートは法律論や判例の情報提供だけではなく、経営者の感情のコントロールのお手伝いを含むものです。社長が冷静に、心穏やかに対応できるよう、しっかりサポートいたします。
関連ページ 団体交渉対応の基本論点(応諾義務、誠実交渉義務、回答書作成、当日の臨み方)については「団体交渉対応の総合解説」、労働組合関連の動画解説は「労働組合対応の動画解説まとめ」もあわせてご参照ください。
よくあるご質問
Q.合同労組から申入書が届きました。社員本人に直接話を聞いてもよいでしょうか。
A. ご本人に直接問い合わせることはお勧めできません。社長に悪気なく事情を聞いただけであっても、組合からの脱退を要求した、あるいは組合加入による報復措置を取った、と捉えられかねないリスクがあるためです。悪気のあるなしではなく、行動としてリスクが高いという整理になります。連絡を取る必要があるなら、相手は本人ではなく組合とすべきですが、その場合も経験のある弁護士と相談しながら進めるのが安全な進め方となります。
Q.団体交渉の申し入れは拒否することができますか。
A. 団体交渉をする権利は労働組合に法律上保障されており、これを正当な理由なく拒むと、団交拒否の不当労働行為となり違法行為と評価されます。明らかに自社が雇っている労働者、あるいは雇っていたばかりの労働者について組合から申入れがあれば、応じるのが原則となります。判断が難しい論点であり、自社判断は危険な客観的状況にあります。労働組合対応の業務比率が高い弁護士に相談して判断するのがよいでしょう。
Q.「応じる」とは、相手の要求を全部飲まなければならないということですか。
A. そうではありません。話し合いを誠実に行えば、それで法的義務は十分に果たすことになります。何か要求があったら、必要に応じて資料などを提供しながら、こうこうこういう理由でこの要求はここまでしか応じることができないという内容を、粘り強く丁寧に説明していけば足ります。要求を飲まないことに最もな理由があるのであれば、何も恐れる必要はなく、その最もな理由をしっかり説明することができれば法的義務は履行することができる客観的状況にあります。
Q.事前回答は書面で出すべきでしょうか、当日口頭で済ませてもよいでしょうか。
A. 当日話します、というよりも、しっかり書いて、書けるものは書いて出した方が望ましい客観的状況にあります。書面で回答することの効果は二つあり、第一に誠実交渉義務との関係でリスクが下がること、第二に、回答書を作っている過程で頭が整理され、当日メインの質問に即答できる状態を作ることができることです。なんとなく頭で考えていたことを書面に起こすと、勘違いしていた部分や論理の弱い部分が明確になります。
Q.団交当日は弁護士が代理で対応してもらえますか。
A. 弁護士がメインで喋るスタイルは推奨できません。社長や人事部長など、会社の責任者がしっかり受け答えできる方がよく、組合も納得しますし、自社の社員のことなので会社側が責任を持って説明できる方が望ましい客観的状況にあります。弁護士は隣に座って、間違った発言や日本語があった場合に即座に整え直すフォロー役を担うのが、推奨される進め方となります。
Q.在職中の社員が組合に入った場合、その社員の扱いは変えるべきでしょうか。
A. 他の社員と同じようにする、というのが原則です。組合員になったからといって、特別優遇する必要も、不利益取扱いをする必要もありません。特に注意すべきは報復措置と取られないようにすることで、感情的になっていたり不安に思っていたりすると、報復措置と捉えられかねないことをやってしまいがちな客観的状況にあります。冷静なつもりでも特別扱いには慎重であるべきというのが、整理となります。なお、業務指示に従わない場合は別問題で、原則として労働者側がアウトな状況となります。ただし、その対応も日本語の選び方を間違えるとマイナスになるため、弁護士相談が有効な場面です。
Q.感情的になっている自覚があります。社内の幹部に相談すれば足りますか。
A. 社内幹部相談だけでは不十分な場合があります。社内幹部は同調圧力が働き、心の中でどう思っていても社長の発言を真っ向から否定できないというのが、その理由です。特にカリスマ性のある社長、普段の仕事で圧倒的な力を発揮している社長だと、周囲が怖くて発言できないため、客観的な意見が出にくくなる客観的状況に陥りがちです。お勧めは、労働組合対応の業務比率が高い弁護士への相談で、この場合、法律論だけでなく感情のコントロールのお手伝いも受けることができます。
Q.周囲の社員が、組合に加入した社員に冷たい態度を取り始めました。放置してよいでしょうか。
A. 放置できる客観的状況にはありません。冷たい態度を取る同僚は、社長の味方になっているつもりかもしれませんが、社長からしてもありがた迷惑なところがあります。動きが過ぎると、社内の秩序が悪くなり、職場の雰囲気が悪化し、会社が非難される事態にもなりかねません。社長として変な行動に出ないよう判断し、情報が入ってきたら即座に対処する必要があります。タイミングや差加減が分かりにくい領域なので、弁護士への相談が有効な場面となります。
Q.合同労組対応について、最も大事なことを一言でいうと何ですか。
A. 「自滅しないこと」です。ちゃんと対応していれば、外部の労働組合との交渉でも、落ち着くべきところに話を落ち着かせることができるのが、ほとんどのケースです。それにもかかわらず、つい余計なことを言ったりやったりした結果、本題と本来違うはずのところで会社が大ダメージを受けるという客観的状況に陥るのが、自滅型の失敗です。求人への悪影響、お客様の減少、企業イメージの悪化など、要求金額をはるかに超える二次的ダメージが、自滅によって発生いたします。
さらに詳しく知りたい方はこちら
- >団体交渉対応の総合解説(応諾義務・誠実交渉義務・回答書・当日の臨み方の基本論点)
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- >会社側労働問題に強い弁護士をお探しの方へ
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、団体交渉、労働組合対応、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。合同労組・ユニオンからの団体交渉申入れでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
合同労組・ユニオンから団体交渉申入書を受け取った経営者の方へ。
会社側専門の弁護士にご相談ください。
手慣れた弁護士がついた後の細かい対応はなんとかなります。問題は、弁護士がつく前に経営者ご自身で言ったり、やったりしてしまうことです。法律論や判例の情報提供だけでなく、感情のコントロールのお手伝いも含めて、会社側専門の弁護士がアドバイスします。
最終更新日 2026/05/07