労働問題148 休職期間満了日は予め通知すべきでしょうか。

この記事の要点

精神疾患を発症して休職に入った社員に対しては、休職命令発令時と休職期間満了の直前に、休職期間満了日(この日までに回復しなければ退職・解雇となる日)を明確に書面で通知することが重要です。事前通知は休職期間満了退職の有効性を高める重要な実務対応です。

1. なぜ事前通知が重要なのか

 精神疾患を発症して休職に入った社員が、債務の本旨に従った労務提供ができる程度にまで精神疾患が改善しないまま休職期間が満了すると、自動退職または解雇という重大な法的効果が発生します。

 社員にとって退職・解雇は人生に大きな影響を与える重大な出来事です。「いつまでに回復しなければ退職になるのか」を事前に明確に知らされていれば、本人も主治医も治療の目標時期を把握できます。他方、事前に知らされないまま突然「今日で退職です」と告げられた場合、本人は「不当な扱いを受けた」と感じやすく、休職期間満了退職の効力を争う訴訟・労働審判のリスクが高まります。

2. 通知のタイミングと内容

① 休職命令発令時

 休職を命じる際に、書面(休職命令書)で休職期間の始期・終期・満了時の取扱い(自動退職または解雇)を明記します。「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までの休職を命じます。この期間内に債務の本旨に従った労務提供ができる程度に回復しない場合は、就業規則第〇条に基づき〇年〇月〇日をもって退職となります」という形で明示します。

② 休職期間満了の1〜2か月前

 休職期間満了の1〜2か月前に改めて満了日と満了時の取扱いを書面で通知します。「〇年〇月〇日が休職期間満了日です。この日までに復職できる程度に回復されなかった場合は、就業規則に基づき退職となります。復職を希望される場合は、主治医の診断書を〇月〇日までにご提出ください」という形で具体的に伝えます。

③ 満了直前の確認

 満了の1〜2週間前にも、本人の状況を確認し、復職意向・診断書の提出状況を把握します。連絡が取れない場合は内容証明郵便で通知します。

3. 通知は書面で・記録を残す

 通知は必ず書面で行い、本人の受領サインまたは内容証明郵便による送付で証拠化します。口頭での通知は「言った・言わない」の争いになるため不十分です。後に「満了日を知らされていなかった」という主張を封じるためにも、書面での通知と記録の保存が不可欠です。

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弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 /  「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

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弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

 

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最終更新日 2026/04/10

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